最強の軍隊の証、蚩尤旗 中国史上で最長の統一国家、漢を興した風雲児、劉邦(りゅうほう)彼の軍隊である漢軍の旗は、赤旗でした。実は、これは無敵の強さを誇った蚩尤にあやかったものなのです。天下分け目の涿鹿(たくろく)の戦いに敗れた戦士、蚩尤は捕えられ、黄帝(こうてい)によって首を刎ねられますが、この時真っ赤な鮮血が飛び散りました。 これにより、王者であった黄帝を苦しめた蚩尤の血の色は強い軍隊の証になり、赤旗は特に蚩尤旗と呼ばれるようになります。これ以外にも、この蚩尤を倒した黄帝をイメージした黄色の旗には、打ち破った蚩尤の姿を描くことで、蚩尤をも破った威勢の象徴にしました。このように、中国の戦場では、兵士の士気を高めるとして赤と黄色の旗は欠かせない存在になったようです。 蚩尤塚 蚩尤の首を埋めた信仰の場所 神話において、黄帝との闘いに敗れた事により悪役になった蚩尤ですが、その力はすさまじく、黄帝