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ノーベル賞
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The Cool School 49 おわりのはじまり はじまりのおわり その4 お店の前に車を停めて おどろいた。 店の広さが半分になってる! 去年訪れたときは建物の二棟を借りて 片方は新譜のCDやLP、片方は中古LPという感じで 精力的に営業している店だった。 新譜の方では 最近のインディーズのトレンドを敏感に察知した品揃えが行われていて、 ぼくも大江田さんもこの店に行くことを ひそかな愉しみにしていた。 いやな予感を抱きつつ、 立て付けのわるいドアを押し開けた。 「ハイ」と眼鏡の店主にあいさつをして 視線を店内に向ける。 …………あ。 そういうことか。 店内からCDがほとんど消えていた。 中古も新譜も ほとんどアナログLPだけの店になっていたのだ。 何か言いたげな顔をしているぼくに気がついて 店主が先を制した。 「隣を借りるのはやめたんだ。 CD・イズ・デッドだからな」 CDは死んだ
ハイファイのブログでは、スタッフが掲載当日に販売されているレコードのことを書く。暗黙のルールである。しかし、今日はそれを破りたい。 このレコードが店頭に並ぶのを見ながら、ああ、ブログで書きたいと思っていたら、その日のうちにお買い上げがあった。もちろんそれは大変に有り難いことは、言うまでもない。しかし、ブログに書き残したかったささやかな思いは、その後も消えなかった。 アルバムには、ハーモニカが欲しかったんだと歌う「ハーモニカ・ブルース」が収録されている。 戦後に外地から復員してきて、荒廃した東京でやっとの思いでハーモニカを手に入れた、そして吹いたんだ。戦争に負けたんだ、カボチャばかり喰っていたんだ、と歌う。 ハーモニカは、戦地で渇望した自由の象徴だったのだ。 小沢さんは、とつとつと語るように歌う。 作詞は小沢昭一と谷川俊太郎、作曲に小沢昭一。シンガー・ソングライター、小沢昭一の作品である。
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