格差社会が当たり前のものとなって久しい。「勝ち組」「負け組」という言葉は、社会背景によってその内実をかえながら、亡霊のように私たちにまとわりついているかのようだ。 音楽、映画、小説、漫画……。サブカルチャーにおいて、挫折や敗北はどのように描かれてきたのか。私たちはそこに何を見出そうとしてきたのか。 ともに1984年に生まれ、ゼロ年代に青年期をすごしたTVODの二人が、往復書簡をとおして自在に語りながら考察する。 勝ち組を夢見ない こんにちは。12月に入り、いよいよ寒くなりましたね。今年は延々と長く続いた暑さから突然冬に急降下するような気候で、秋の日をほとんど味わえなかったのがとても残念です……。 さて、今回は「白旗を抱きしめて」と銘打って、サブカルチャーと「敗北」という問題について、ぼくたちなりに考えようとしています。何故いま現在2023年において、わざわざ「敗北」というテーマについて、そ