サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
衆院選
islecape.exblog.jp
「伯母は、もうじきに降りてまいります、ナトル様」落ち着きはらった十五歳くらいの少女が言った。「それまではわたくしのようなもののお相手をしていただかねばなりませんけど」 フラムトン・ナトルは、後から来る伯母と、目の前にいる姪、どちらも軽んじてはいないということを理解してもらえるよう努めなければならなくなった。内心、こうやってあちこち訪問することが自分の神経症の回復に役立つものなのか、ますます疑わしくなってきた。 「目に見えてるわ」彼の姉は、転地療養の準備をする彼に言ったものだ。「死体みたいに引きこもって、話し相手もなくふさぎこんで、かえって悪くするのがオチよ。あちらで知り合った皆さまに紹介状を書いてあげます。それなりに良い人たちもいましたから」 フラムトンは、いまこうして面会を求めたサプルトン夫人が、はたして良い人の部類に入るのかどうかを考えていた。 「このあたりには、よほどお知り合いがいら
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『11005m』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く