タケルには、誰にも言えない小さな秘密があった。 女の子の制服を着てみたい――という願望だった。 幼い頃からその気持ちはあったが、年を重ねるにつれてその願望が強くなっていく一方、恥ずかしさも増して、誰にも相談できないままでいた。 だが、唯一の理解者がいるとすれば、それは幼馴染のマイカだった。 明るく自由な性格のマイカなら、自分のことを馬鹿にせずに聞いてくれるかもしれない。 そんな淡い期待と共に、タケルはある日、思い切ってマイカに打ち明けてみることにした。 「なあ、マイカ…ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ…」 放課後、二人で帰り道を歩きながら、タケルは勇気を出して話しかけた。 少し顔を赤らめながら、彼の言葉を聞いていたマイカは不思議そうに首をかしげた。 「何? タケルがそんな顔して相談って珍しいね。どうしたの?」 「いや、その…もし変だって思ったらごめん。でも、マイカの制服を…一度着てみた