「ねぇ悠斗、ここって縁結びで有名な神社なんだって」 美咲が俺の手を引いて、山の中にある神社へと歩いていく。 朱色の鳥居が並ぶ石段を登ると、境内は静かで厳かな雰囲気に包まれていた。 「カップルで願掛けすると、絆が深まるんだって」 美咲が微笑みながら、小さな木札に願い事を書いている。 「ずっと一緒にいられますように」……か。かわいいやつだな。 俺も適当に「美咲と幸せに過ごせますように」と書いた。 「じゃあ、一緒に絵馬をかけよっか」 二人で並んで絵馬を奉納し、鈴を鳴らして手を合わせる。 その瞬間――目の前がふっと暗くなった。 「……っ」 意識が戻ると、目の前に見慣れた自分の顔があった。いや、自分の顔……? 「えっ……えええっ!?」 美咲の声で叫んだのは、俺のはずなのに、聞こえてきたのは柔らかく高い声だった 目の前の”俺”が驚いた表情で俺を見つめている。 「まさか……入れ替わった?」 焦りながら手