病室の窓からぼんやりと外を眺める拓也は、いつもと変わらない退屈な一日を過ごしていた。 手術後の回復待ちで入院しているが、体調は良くなってきているのに、外出もままならず、日々の単調さにうんざりしていた。 テレビも雑誌も飽きてしまい、唯一の楽しみは、看護師の由美がやってくる時間だけだった。 「あ、拓也さん、今日も元気そうですね」と明るく声をかける由美。 彼女は親しみやすい雰囲気を持った若い看護師で、病室に入るたびに笑顔で声をかけてくれる。 拓也もつい、くだらない冗談を交えて会話を楽しむようになっていた。 「元気なのはいいんだけどさぁ、ここから出られないのが辛いんだよねぇ。由美さん、俺もあんたみたいに病院内を自由に動き回りたいよ」 拓也は冗談交じりに言ってみるが、由美はクスッと笑って「そうですね、自由に動けるのはいいことですけど、看護師の仕事もそんなに楽じゃないんですよ」と返した。 その一言に、