「ロン!」 その瞬間、俺の視界は真っ暗になった。 友人の陽介が勝ち誇った顔で麻雀牌を叩きつける音が耳に残る。 「また負けたな、直人。で、どうする? 財布の中身は全部いただくけど。」 陽介の声にはわずかに酔いの気配が混じっていた。 俺たちは宅飲みの延長で、悪乗りして賭け麻雀を始めたのだ。 調子に乗って賭けを大きくしすぎた俺は、気づけば負け続け、財布の中身がほぼ空っぽになっていた。 「待てよ、冗談だろ。これじゃ家に帰れないぞ。」 「んー、じゃあ条件付きで服を返してやるよ。」 俺は怪訝そうな顔をする。 すると陽介は、隅に置いてあった袋を引っ張り出し、中から鮮やかなエメラルドグリーンのチャイナドレスを取り出した。 「これを着て、コンビニにお酒買い出し行ってこい。それが罰ゲームだ。」 「は? ふざけるなよ!」 「嫌ならこのままパンイチで帰る?」 他の友人たちも酒の勢いで陽介に同調し、大笑いしている。