中国から広まった漢字は各地でどのように発展を遂げたのか。 漢字文化圏で起きた文字現象の本質とは。 日本製漢字、朝鮮(韓国)製漢字、ベトナム語のチュノム、西夏語の西夏文字、中国国内では広東語と福州語に特有な字体、少数民族チワン族の古壮字——を取り上げ、各言語が新しい漢字系文字を造る方法に迫る。 「本書では「漢字系文字」を、通時的な書体の変化も含めた漢字、および漢字に影響されて創製された文字体系、そして漢字と異なる文字体系に入り込んだ個別の漢字まで含めた総称として用いている。そこには、本元たる漢字は勿論のこと、西夏文字という文字体系や、(本書では取り上げないが)象形文字・表語文字である「ナシ象形文字」の中に借用される漢字の字体まで含める。」――「前書き」より A Study of Sinoform Scripts: Principles of Glyph Creation Edited by