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大谷翔平
kanetaka.hatenablog.com
おかげ様をもちまして、本日をもって30になりました。多くの皆様からお祝いメッセージをいただき、あつく御礼申し上げます。大学生の頃には、まさか自分が30歳になるときがくるなんて夢にも思わずにいたんですが、自然と年をとってしまうものなのですね。 ところで私、学生にはずっと、"Don't trust over thirty."を言い続けていました。もともとは村井さんから聞いた言葉でしたが、これはSIVのカルチャーにも大切と思って、SIVのカルチャーを話す度にこの話をしてました。この言葉には、「本当に新しい発想、アイディアは年寄りからは出てこない。本当に次の時代を作るようなアイディアを生み出すのは20代の人たちだ。」というメッセージが込められています。という訳で、学生に会う度に「もう30歳になっちゃったんですね。」と言われ続けてます。 ということで、SIVのカルチャーとして、"Don't trus
はじめに SFCの博士取得においては、査読付の学会誌の掲載がrequirementとなっている。自分自身の研究をまとめるためにも学会論文の投稿は良い機会となる。しかしながら、査読に通る論文をまとめることは決して容易ではない。他者の論文を読む際に、査読に通る良い研究・論文とは何か、を考えて分析することが良い訓練になると考えられる。ここでは、良い研究・論文とは何か、どのようにまとめるのが良いかについて、R・K・インによる「ケース・スタディの方法」に基づいて、分析のフレームワークをまとめる。 ケース・スタディの方法[第2版] (マーケティング名著翻訳シリーズ) 作者: ロバート・K.イン,近藤公彦出版社/メーカー: 千倉書房発売日: 1996/09/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログ (2件) を見る この本日本語では随分昔に読んで、このメモも随分前にまと
アメリカ社会にいると"favor bank" という規範を意識的に持つことが大事なように思います。この規範は、本来的には日本だろうとどこだろうと、人間が作るコミュニティでは基本一緒だと思いますが、特にアメリカ社会では、社会が成り立つための構造に埋め込まれているように感じることがあります。この言葉は皆さん耳慣れないと思います。この話、以前にスピーチにでこのお話をしたことがあったので、その内容を少し改編して、ご紹介しようと思います。 "favor"というのは英語で好きな意思と書いて”好意”ですから、好意の銀行という意味です。英語で相手に頼みごとをするときに"Could you do me a favor?"という表現を使います。このときに相手に"favor"がなければ、お願いは受けてもらえません。また一方的に頼みごとばかり繰り返すと、相手は嫌気をさしてしまいます。この"favor"は、常に変動
随分昔に別のブログに書いたレジュメの書き方。今でも役立つと思うので、このブログもupしておこうと思います。 就職活動、転職活動などをするにあたって、日本では履歴書の提出が求められる。一方米国では、この履歴書のことをレジュメと呼ぶがこの二つは似て非なるもの。本人がキャリアデザインを考えていくためには、この日米比較や有益であるように思う。ということで、本稿では、米国流レジュメをまとめるための重要ポイントをまとめてみます。 構成 一般的なレジュメにおいては、以下の内容が含まれることが多い。 氏名 連絡先 (住所、電話番号、メールアドレス) このレジュメでアプライしたい職種 自分の売りを箇条書きで3点ほどまとめる 職歴・活動暦 (期間、職位、業務内容と達成点) 学歴・学位 日本の履歴書では、必要な情報を全般的にまとめるという特色が強いが、米国のレジュメでは自分が本当に強調したいと思うところにフォー
社会科学の研究手法を学ぶためのバイブルを一冊あげろと言われたら間違いなくこの本でしょう。かなり難しいので、初心者向けではありませんが。今回概要を読み直してみるとかなり忘れてしまっている。もう1回読み直さないとなというタイミングです。でも次読むときは日本語版ではなく、英語版をチャレンジしようと思います。 社会科学のリサーチ・デザイン―定性的研究における科学的推論 作者: G.キング,R.O.コヘイン,S.ヴァーバ,真渕勝出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2004/01メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 142回この商品を含むブログ (46件) を見る 3年くらい前にまとめたサマリーをupしておきます。 King, Gary, Keohane, Robert O., Verba, Sidney, "Designing Social Inquiry" Princeton Univer
イノベーション関連分野の論文で著名なものに一通り目を通しておく必要があります。以下は、論文データベース"Web of Science (Citation Index)" ("ISI Web of Knowledge")から検索した"innovation"分野の引用ランキングのトップ10です。 ここ最近これらの論文を順番に読んでいます。勉強会でも輪読を行う予定です。やはり自分の研究分野の論文は、英語でも分かりやすいですね。 「イノベーションの吸収力」、「知識創造と組織」、「イノベーションの収益化」、「イノベーションと学習」、「アーキテクチュアルイノベーション」など、この分野の基盤となる研究が並んでいます。私の研究テーマと近く、将来是非指導を仰ぎたい研究者も多数含まれているので、しっかり読みこまなくては。 1. Title: ABSORPTIVE-CAPACITY - A NEW PERSPE
こちらで、映画「紅の豚」は大人になってから観ると全然楽しさが違うから、と薦められたので、観てみたのですが、これ名作ですね。中学3年生のときに以来、17年ぶりでした。 紅の豚 [DVD] 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント発売日: 2002/03/08メディア: DVD購入: 11人 クリック: 283回この商品を含むブログ (318件) を見る 中学3年のときは、4年半住んだイタリアのローマからの本帰国で、当時導入されたばかりのダッシュ400 スカイクルーザー にのりたくて、そのためにロンドン経由で帰国しました。このスカイクルーザ、ビジネスクラスで座席一つひとつに映画用のディスプレイがついた最初の飛行機なんです。家族より先に、一人だけの帰国で、その飛行機の中で、映画館よりも先行ロードショーしていた映画が、「紅の豚」でした。 奇遇なことに映画の舞台もイタリア。イタ
学生のビジネスプランを見ていると、ビジョンやミッションという言葉が頻繁に登場します。でも、本当に良いビジョンやミッションを見かけることは稀で、もっと言うと、ビジョンやミッションとは何か、ということを理解していない人が多いように思います。良くSFCの学生は「ビジョン、ビジョン」って言いますよね。本当にその意味をどこまで理解しているのでしょうか。 色々な定義や議論があると思いますが、少なくとも私の考えるビジョンとミッションの定義は以下の通りです。 ビジョン: 組織全体が今後目指すべき姿。組織全体の共通の目的となり、構成員の気持ちを鼓舞するメッセージ。 ミッション: 組織の存在する理由、役割。誰にどんな価値を提供するのかを定義したもの。 具体例で説明すると、例えば慶應義塾を例に例えば場合。「未来を先導する人材を育成する学塾」は、ビジョンではなく、ミッションです。もしビジョンを立てるとしたら、「慶
今日國領先生と研究相談をさせていただいたのですが、そのときにいただいたアドバイスです。 (A)が(B)に与える影響 (C)による(D)の実現方法に関する研究 自分のやりたい研究について、ABCDを埋めてみて、そのどちらがやりたいのかを答えてみよ、という課題をいただきました。 これ、良く考えてみると前者が分析アプローチ(理系でいうところの理学)、後者がデザインアプローチ(理系でいうところの工学」なんですよね。なるほどなぁと思う設問だったので、ブログにまとめておくことにしました。 英語の勉強も大事ですが、同時進行で世界に通じるきちんとした研究プロポーザルをまとめないと。
本日、SFC Forum、KIEPコンソーシアム、メンター三田会の方々が主催して下さった國領先生の総合政策学部長のご就任祝賀会に参加させていただきました。大変気づかいにあふれた素晴らしい会で、末席ながら参加させていただいたことを幸せに思います。森さんはじめとする幹事の皆様のご尽力に心から御礼申し上げます。 さて、私、僭越ながら「國領先生に最もご迷惑をおかけした者の代表」ということで、スピーチをさせていただきました(こういう代表をする場合に、「僭越ながら」という表現が適切であるか微妙ですが)。 お話させていただいたスピーチを掲載します。今回のような祝賀会で私のような立場のものが負っている役割・責任を精一杯考えて、過去から未来へいかにつなげていくか、という動きのきっかけになるようなことを志してまとめたスピーチです。 私は、人前でスピーチすることで緊張することは、まったくといっていいほどないので
はじめに 今日たまたま理工学部の学生と話す機会がありました。彼女の進路相談だったのですが、私自身、理工系の学生がどんな生活を送り、何をモチベーションにして、将来にどんな不安を感じていて、どんなことに悩んでいて、どんなキャリア展望を持っているのか、という興味を持っています。なぜならば、日本のナショナルイノベーションシステムにおいて、理工系の学生の将来への活躍は必要不可欠な要素だからです。 以前のエントリーで、 理工系で、(技術)イノベーション産業をリードする人材をもっと育てる仕組みを作っていかないといけないんですが、なぜ日本ではそれができないんでしょう。アメリカの理工系の学生と話してると、アントレプレナーシップを含めてビジネス系の授業をとってる人が沢山います。ビジネスプランコンテストの運営などの社会的活動も、工学部の学生が積極的に絡んでいます。日本の理工系の学生に聞くとそんな時間がないという
ここ1週間ブログでは、梅田望夫さんの「残念」発言が炎上しつつあります。 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/01/news045.html あまり巻き込まれたくないな、と思いつつも、このようなときに自分なりの「正論」を述べておくことは、自分のような世代の責任として極めて大切なことだと思うので、逃げずに自分の意見を述べておこうと思います。 なお、以下はあくまで私見であって、関係者の皆様の環境を十分に理解していないので、私なりの「推察」が多分に含まれることを予め、お断りしておきます。 "Preference"と"Value Judgement"と"Factual Statement"の違い 日本語圏と英語圏の大きな違いとして、日本語圏は"Preference"と"Value Judgement"と"Factual Statement"の違いが
理工系人材が(技術)イノベーション産業をリードするべき 今まで漠然としたまま自分の考え方を曖昧なままにしていましたが、やはりはっきり自分の意見を示した方が良いと思うので、明確に言うことにしました。 私自身、技術系くずれなんで、こんなことを言うのは微妙なんですが、根本的には、実は(技術)イノベーション産業というのは、理工系の人が中核に沢山いないと良い成果が出せないんじゃないか、と本音では思っていたりします。文系で良い仕事をできる人もいますが、どちらかというと例外なような気がします。 文系の人が技術の本質を理解することってなかなか難しいけど、理工系の人がビジネスを学ぶことは、早いタイミングでそういうチャンスがあれば両方身につけることができて、活躍する人材になるように思います。どう考えても、(技術)イノベーションというのは、技術の知見なしには携わっちゃいけないんじゃないかと思うんです。 そういう
はじめに 梅田望夫さんの「シリコンバレーから将棋を観る」を読みました。私は、正直子供の頃に遊びで将棋を指したことはあるものの、この分野に才能があったとも思えず、その分野からすっかり離れていますし、今現在将棋の観戦に興味がある訳でもありません。ただ、ビジョナリーとしての梅田さんの言動やメッセージには深い興味があるので、この本を読んでみようと思いました。高校時代の現代文の先生から好きな作家を見つけたらその人の著作は全て読破するくらいのattitudeを持って初めてその相手の考えやメッセージを理解することができる、とアドバイスをいただいたことがありましたが、その意味では、梅田さんは私にとって数少ない、全ての著作を読ませていただいている方です。 シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代 作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2009/04/24メディア: 単行本購入: 95
「100年に一度の危機」と言われる中で、今年の就職戦線は、予想を上回る厳しい状況であるように感じる。慶應の学生を見ていても、例年であれば、人気企業トップランキングに内定をもらえそうな学生が、軒並み内定ゼロという状況だ。ここ数年が就職バブルであったことも否めないが、私が大学の頃のいわゆる「就職氷河期」を上回る大変な状況が今の学生にのしかかっている。就職を辞めて、海外留学を目指す学生も増えていると聞く。来年は今年よりももっと厳しい状況も予想されるので、今の大学3年生も戦々恐々としている。 でも一方で、今の状況の中で、内定を7つ獲得しているような学生もいる。その学生は、学生時代から自分のやりたい夢を見つけて、自分なりの軸を確立し、夢の実現を目指して頑張ってきた。就職先として受けた企業もいわゆる人気企業ばかりではなく、自分の夢を実現できそうなところを具体的に選んでいる。そうやって就職活動を続けてい
自分自身が年をとったせいもあると思うけれども、最近の学生は昔とは随分違うように感じる。ちなみに、「最近の若いやつはダメだ」という言葉は古くはエジプトのパピルスに書いてあるそうで、もしそれが真だとするならば、人類はとっくに滅びてるはずなので、この言葉は年長者のおごりである、という話がある。私自身は、この話を信じているので、決してこの記事は今の学生批判をしたい訳ではなく、あくまで私が感じていることをまとめただけである。批判っぽく見えてしまうかも知れないが、それがこのブログで伝えたい本質ではなく、今の学生には今の学生のやり方・スタイルがあることを尊重することが大前提である。その上で、今の学生とどう付き合っていくかを考えていくことが大事。 ちなみに、私はSFCの学生を中心に見ているので、この現象はSFCに特有な可能性もあるが、でもきっと他の大学でも同じような傾向があるような気がする。 飲み会を好ま
2020年があけました。21世紀のsecond decadeの最後の年。ということは今年が終わると21世紀も5分の1が終わってしまう、ということです。最近、どんどん歳を重ねて、歳がとるのが怖いです。自分の年齢を考えたときに、本当に自分はこの年齢でやるべきことをやれているのかなぁ、と自問自答することも増えています。 2020年というと10年前の2010年のことを思い出します。32歳の1年間でした。この1年は自分の人生にとって、もっともエポックメイキングな年でした。育ての親であった祖母が亡くなり、その同時進行で海外受験の準備をして8月から渡米。渡米してからも全然自分の実力が足りないことを痛感する毎日で、体調を崩して1ヶ月ほど熱が下がらなかったり。ずっと長くいた(この時点で人生の半分以上慶應にいました)慶應と離れたのもこの年でした。 何よりも、この頃は、「何者でもない自分。これからどうなるかわか
私のアントレプレナー概論1の最後の授業で毎回学生に見せるビデオの一つに、SFC初代総合政策学部長の加藤先生のTake Off Rallyのスピーチがあります。このスピーチの原稿を発見したのて、ブログにupしておこうと思います。SFCの歴史に残る名スピーチです。 「・・・四年前のことを、皆さんもビデオなどを見て思い出したかと思うんですが、 当時のキャンパスには何もなかったんですね。 メディアセンターもなくて、そして野原の中に草ぼうぼうというかんじでした。 その中をだらだら坂を登ってくるわけですが、 その両側にチャイニーズタローという木を植えたのでタロー坂という名にしようじゃないか、 なんて話をしました。 (中略) そのチャイニーズタローの坂をずっと上がっていきますと、 石段がありましてその石段を一歩一歩あがっていく。 そしてその脇を川が流れている。その水に自分の身を清めて、そして学問の殿堂の
梅田さんの最新の著作「ウェブ時代 5つの定理」を読みました。この本読んで、なるほどな、と思う言葉がたくさんありました。色々な人がブログに書評をupしていますが、でもこの本を読んで一番大事なことは、自分が今まで学んできた「言葉」をまとめることであるように思いました。実はこの本を読んだ書評としてはその方が面白いのではないかと思います。 ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く! 作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/03/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 29人 クリック: 4,720回この商品を含むブログ (428件) を見る トレンドの最先端を追いかけるよりも、トレンドを創り出す立場になった方がはるかにExcitingである。 これは、サンマイクロシステムズとシスコシステムズの日本法人を創業者として立ち上げた松本孝利さんから、慶應の教授をやって
仕事がら、学生から「起業しようと思っています。どう思いますか。」という相談を頻繁に受けます。この質問への答えって極めて難しいですよね。もちろん私は、大学でインキュベーションを推進する立場な訳で、より多くの人に起業して欲しい。でも、起業は人生のキャリアを左右するものだし、学生を起業に煽るというのは良くないですよね。Entrepreneurshipというのは、人生の生き方そのものだし、起業するからには、その学生に幸せになって欲しい。 そんなとき、まず私は必ず起業を反対することにしています。「今のプランでは起業はやめておいた方が良いじゃん。」と。これで諦める学生もいれば、諦めない学生もいます。でもそもそも私に反対されたくらいで起業を諦めるような学生だったら起業しない方が良いのです。このときに反発するような学生であることは必要条件と思います。 さて、次に大切なのが、なぜ起業するのかという、その学生
はじめに Stanford大学では、“Entrepreneurial Thought Leaders Seminar”という毎週、シリコンバレーの起業家を呼んだ講演シリーズの授業があります。このシリーズの中で、私も良く知るTina Seeligが"I Wish I Knew When I was Twenty"というタイトルで講演を行っていました。内容はこのタイトルにある通り、「私が20歳のときに知っていたら良かったと思うこと」を10個条でまとめたものです。 誰もが人生ある程度キャリアが積み重なってくると、今の自分の哲学や考え方は、さも昔から持っていたと勘違いしてしまいがちです。自分が例えば20歳だった頃がどんなに無知で、未経験であったか、そしてどんなことに悩んでいたかを忘れてしまいがちです。こういったことを忘れてしまうと、いくら良いアドバイスにつながる講演を学生にしたとしても、学生が今悩
ここ数日、ブログで話題になっている"The Big Difference between Winner and Loser"。これ、学生への"Entrepreneurial Coaching"において使えそうなので、引用しておこうと思います。 もともとは、Stanfordの学生のWebページに掲載されたものだそうです。 The Big Difference between Winner and Loser (added: Oct. 2004) (1) A Winner makes mistakes and says: I was wrong But a Loser says: it wasn’t my fault. (2) A Winner credits his good luck for winning even though it wasn’t luck But a Loser cr
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