株式相場の格言に、「申酉騒ぐ」というのがある。相場の世界ならずとも、昨年(申年)、今年(酉年)と世間を騒がすニュースが多い。 世論調査で長らく支持率過半数を占め、政党間で一強を続けてきた安倍内閣が今年7月になって30%台に急落した。その背景には、第1次安倍内閣(2006年)以来、同じ首班の内閣による戦後最長記録が、閣僚、自民議員たちの驕りの言動を助長し、国民の不信と怒りを招いたのだ。そのきっかけは、学校法人の設立問題だが,その疑惑は一向に晴れず、「首相を信頼できない」の回答が多数を占めた。 昨年8月の都知事選では、自民党員だった小池百合子氏が無所属で立候補し、自民党公認候補を112万票の大差をつけて当選し、今年7月の都議選でも小池氏支持勢力が過半数を占め、自民は惨敗を喫し、その態勢挽回に、突然、安倍首相は衆院解散と奇襲に出て、来月投票ときた。景気浮揚を撒き餌にした党利党略解散だ。かといって