国字の位相と展開 笹原宏之 著 三省堂 著者 笹原宏之 出版社 三省堂 定価 10,290円(税込み) 本書は国字に関する初めての総合的かつ画期的な研究成果と言って過言ではない。古代の文献から現代の電子媒体による文字データに至る広範な資料を渉猟し、国内のみならず東アジアの諸地域における文字使用をも考察の範囲に含めた研究態度は、類を見ないものである。また、その方法は文字論の理論的な裏づけを持ち、単に国字研究として優れた水準に達したのみならず、日本の漢字研究そのものを進展させたものとして高く評価することができる。 目 次 序章 研究の目的と方針 一 国字研究の意義 二 本書の構成 三 表記の方針 第一部 国字とは何か 第一章 国字の定義と分類 第一節 国字の定義とその周辺 第二節 国字の研究史上の問題 第三節 国字と漢字との境界 第四節 国字と異体字との関係 第二章 国字の発生 第一節 国字