自分に何もやましいところのない人(傍目にそうでなくても自分ではそう思っている人を含む)が「差別はいけない!」と言ったところで、それは確かに正しいかもしれないけれど何の役にも立たない。 そして私にはやましいところがある。 福島で原発事故が起きた直後、周辺住民がテレビのインタビューに答えて「差別が怖い」と言った時、私は「まさかそんなことがあるわけない」と思った。 広島や長崎に原爆が落とされた時、被曝者(あるいはその可能性がある人)に対して差別があったとは聞いていた。そしてそれは嘘や誇張ではなく確かに本当のことだろうと思っていた。 でもあれから時はたったのだ。そんなことはもう起こらない。 「被曝者に対する差別」は今の時代において都市伝説のようなものだと感じていた。 でもいざそういう状況になってみたらそれは現実になった。まるで決まりきったことのように。 差別って強いものが弱いものに行使する暴力じゃ