国語教科書の思想 (ちくま新書) 作者: 石原千秋出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/10/04メディア: 新書購入: 6人 クリック: 42回この商品を含むブログ (102件) を見る著者の、小学校・中学校の「国語」の教科書を読み解くときのその切り口は鋭くなかなか面白い。これは石原千秋らしさが横溢した快著だ。しかし、著者自らが「ほかならぬ私が分析する以上、分析の過程に「私」というバイアスがかかることは言うまでもない」と断っているように、これはいくつかある読み方の中の一つに過ぎないということは忘れてはならないだろう。 それに、あるテキストからある種の「道徳」的なメッセージを読み取ることが可能であったとしても、実際に教室での授業が「道徳教育」になってしまっているかどうかは、実は別の話なのだ。著者が分析しているのは教科書であって、それを用いた授業ではない。ましてや、その授業が生徒に