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ご挨拶 新たなる任務のために、大使として3年を過ごした日本を離れる事になりました。そこで、このブログは今回で終了します。定期的にアクセスされ、コメントを寄せてくださった皆様に感謝します。必ずしもご要望に応じられなかったかも知れませんが情報を提供し、コミュニケーションを図ろうとする上で皆様には支えていただきました。この国を去るにあたり、グローバル化に巧みに適応した日本への称賛を惜しみません。常に文化とアイデンティティーを大切にしつつ、将来に向けた研究への多大なる努力を忘れずに、難しい改革を推進し、時には賃金のベースダウンや早期退職へとつながりかねない回避困難な社会的な負担を受け入れて来られました。 近年、日本とフランスは真のパートナー国になりました。もちろん、古くからお互いの文化に対する憧れはありました。ですが、両国の関係はもっと前進したのです。5年前にフランスは第2の対日投資国となり、約5
フランス国内の暴動について 日本で多くの疑問の種となっているこの件について、再びお話ししたいと思います。 暴動が発生した地域では、徐々に、静けさを取り戻しつつあります。場所的に都市の周辺部かつ、比較的孤立した地域で起きたためにフランスの経済には何ら影響がありませんでした。影響を受けやすい証券市場も動きませんでした。パリでは株価が上昇を続けた位です。また、観光地はいずれも暴動とは無縁でした。 このような問題が発生しても、フランスの同化政策という原則に変わりはありません。フランスでは国籍を取得した誰もが国民として、全て共通の権利を有すると考えます。ですが、宗教、民族、地域に関する特権は存在しません。つまり、マイノリティに特権を与える「多文化併存」を受け入れてはいないのです。一連の暴動は若者達が民族や宗教の対立を楯にしているのではなく、一丸となってより良い同化を求めているのですから、フランスの政
フランス国内の暴動について 前回、仏全土に広がった暴動について書いたところ、沢山のコメントが寄せられました。そこで次の点について補足します。 ・フランス政府は、法とモデレーションの原理を尊守しながらも、断固とした態度で対処しようとしています。このような態度を取ったからこそ、最悪の事態を免れ、幸いにも被害者の数を最低限に留められたのでしょう。成果を望むのであれば警察力の導入は正当なもので、節度あるものでなければなりません。 ・多くの人は宗教が原因だと語っています。むしろ、今回の場合にはほとんど影響はないと思います。むしろ恵まれない地区での重大な社会的な危機感によるものです。特に若者の「集団」が、それぞれの住む地区で、ラジオやテレビの報道だけを横のつながりとして騒ぎを起しているようです。それはマルセイユ市のように、移民の人々が多く住む都市では、大きな被害が出ていない事からも理解できます。 不完
数日前から大勢のフランスの若者が問題を抱えている地域で、たくさんの車を燃やすという暴力行為を繰り返しています。事態が大きくなるにつれ、フランス人の誰もが驚きを隠せません。このようなことはアメリカやイギリスで起きうると理解していましたが、まさか国内で発生しようとは思ってもいなかったのでしょう。原因が何なのか、そしてどうすれば良いのかを考える必要があります。 まずは現実を見てみましょう。 ・たとえイスラム教徒が多い地域が対象になっていても、これは民族や宗教が発端となったものではありません。特にイスラム教の指導者達は冷静になるよう呼びかけています。 ・これは一つのイデオロギーに裏打ちされた革命的なものでもありません。むしろ、労働市場から遠ざけられた結果、社会的に認めてもらえない若者達が一つの通過点として、自分達の大きな不満を爆発させているのだと、多くの観察者は分析しています。 このような状況を前
土曜日、私は日仏教育学会のお招きで、早稲田大学にて講演をさせていただきました。 依頼されたテーマは「文化の多様性とグローバリゼーション:フランスがとるべき政策は?」でした。私は、グローバル化はあらゆる文化とあらゆる考え方に、素晴らしい発信の機会を与えているが、その一方で異なる文化間の共存がより難しくなっていることも事実である、とお話ししました。地理的な国境がなくなっても、文化の国境はなくなりません。むしろより強固になることもあります。それは経験からも明らかです。アクセスしやすくなったからといって、理解しやすくなったわけではないのです。 さらに、グローバル化はコミュニケーション手段を豊富に有している国の文化や情報に優位に働き、コンテンツや言語の画一化へと向かわせることも、経験から言えることです。 こうした状況に直面し、フランスは、文化の多様性と文化間の対話を推進する政策をとっています。 文書
全ての普通選挙は国民のメッセージを発信する手段であって、それは聞き入れられなければなりません。そこで、日曜日に行われた国民投票の結果には複数の意味があるように思われます。 この結果を受けて、欧州構築が終了するのではありません。シラク大統領が明言しているように、ヨーロッパは既存のルールでこれからも機能して行きます。前進はしなくても後退はしません。 今回の投票はヨーロッパに対してというよりもは、欧州構築のペースに対するものです。ある国にとっては早すぎても、他の国には遅すぎるように感じられものです。これは、世論と10年前から欧州に一つの方向性を持たせようとしている人々との間に生じた、温度差が示されたのだと思います。 今回の投票はヨーロッパに対する不満ではなく、景気に対して多くのフランス人が感じている不安の現れでしょう。国際競争が高まるにつれて、雇用が脅かされ、若い世代の就職活動に影響するのではな
ここ数日の間に、複数の国会議員の先生にお目にかかりました。その際に欧州構築、そして次の日曜日にフランスで行われる国民投票について話し合いました。そこで、ドイツとフランスはどのようにして和解できたのかという質問がありましたので、双方にとって大きな努力と時間を要するものであったと説明しました。 ・政治的意志 - 両国の首脳は、第二次世界大戦後、絶えず意志表明を繰り返して来ました。結果として困難を乗り越えて、共通の目的である欧州構築に向けて協力することができました。 ・具体的なアクション - 両国民が親しくなれるように「独仏青少年交流公社」を設立し、両国間の姉妹都市の提携や、600万人以上の若者の相互訪問を実現しました。1963年のエリゼ条約は、ドイツとフランス政府の定期的な会合と協議を、定めています。 ・共通の記憶 - 両国の歴史書とナチズムの意味に関する大掛かりな作業が行われました。 ・首脳
昨日、世界的に有名な料理学校「コルドン・ブルー」のオーナーであるアンドレ・コアントロー氏に会いました。同氏によれば新しい世代の料理人に影響を与えている一人としてエルヴェ・ティス(Hervé THIS)という国立科学研究所に勤務する科学者の名前が挙げられるそうです。彼はピエール・ガニエールと頻繁に仕事をしています。エルヴェ・ティスは代表的なレシピに使用される食材の分子の反応を研究し、その成果を料理の世界に反映したいと考えました。結果として思いがけない食材の結びつきを提案したり、個々の味のエキスを引き出すのに成功しました。こうした取り組みを「分子料理」と呼ぶ人もいますが、質の高さと完成度を追求するというフランスの風潮に沿うものです。 これは今月の18日に書いた新しいフランス料理の文化に関連しているのですが、パリ市内のマドレーヌ広場にある有名レストラン「リュカ・カルトン」のアラン・サンデレンスが
先週の金曜日に、九州の別府市内の立命館アジア太平洋大学と別府大学で講演を行うという機会に恵まれました。いずれの大学も外国からの留学生を沢山受け入れており、古くからアジアや諸外国に目を向けている九州という場所を象徴しているように思いました。また、両校ともフランスの大学と提携を結んでいます。 そこで行われた若い学生との意見交換は大変に有意義なものでした。ヨーロッパ、東アジア地域での隣国との関係から、もっと一般的な事柄まで、色々と見解を述べ合いました。若いマレーシアの女子学生から「フランスではなぜ、法律によって、ベールの着用が禁じられていのか」という質問がありました。そこでフランスとしての「政教分離」について説明を試みました。誰にでも信仰の自由があるのと同様に、フランス国家は全ての宗教と分離しており、いかなる宗教も他の宗教の妨げにならないように監視する役割を有しています。しかも、フランスは人権に
大使館は何よりもまず対話のための媒体であらねばならぬと考えています。そこで、在京の大使館の活動をより良くご理解いただき、日仏間の対話の促進に役立つ話題を提供するべく、ブログを開設することになりました。
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