小田光雄の『古本探究』(論創社2009)を読んでいたら、講談社版「世界名作全集」について言及している章があった。 古本探究 [ 小田光雄 ] ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 雑学・出版・ジャーナリズム > 出版・書店ショップ: 楽天ブックス価格: 2,700円 1950年からはじまったこの叢書はその後1961年まで続き、最終的に全180巻となる「戦後日本の児童出版文化史に不朽の名をとどめる大企画」*1であった。梁川剛一による函入りハードカバーの装丁は、同社が戦前に企画した『世界名作物語』を引き継いだもので、初期の翻訳者(再話者)には高垣眸、野村愛正、江戸川乱歩、水島あやめ、南洋一郎(池田宣政)、佐々木邦などを配し、挿絵も前出の梁川剛一のほか、椛島勝一、松野一夫、林唯一、加藤まさを、山口将吉郎らを起用している。すなわち『少年倶楽部』を中心とした、いわゆる大衆的