弁護士でもある橋下徹大阪府知事が知事就任前、山口県光市の母子殺害事件の差し戻し審被告弁護団について、テレビ番組で「主張内容は荒唐無稽で許されない」などとして、弁護団への懲戒請求を呼び掛けていました。弁護団が橋下氏に賠償を求めていた訴訟の判決が2日、広島地裁であり、橋下氏の発言は名誉棄損に当たるとして800万円の賠償を命じました。 *判決要旨、記者団に対する橋下氏の一問一答=いずれも共同通信 請求額は1200万円でしたが、実質的に橋下氏の完敗です。判決は、橋下氏が弁護士として法的根拠がないことを知っていながら、あえて請求を呼び掛けたと認定しました。 判決は刑事弁護の一般論にも通じる数々の判断を示しています。「弁護士の使命は少数派の基本的人権の保護にあり、弁護士の活動が多数派の意向に沿わない場合もあり得る」「刑事弁護人の役割は刑事被告人の基本的人権の擁護であり、多数の人から批判されたことをもっ