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不動産小口化投資商品「みんなで大家さん」を手がける共生バンク(本社:千代田区)が法廷闘争を拡大している。 10月3日、大阪地裁で行政機関に対する損害賠償請求訴訟(国家賠償訴訟)を起こしたのは同社グループの都市綜研インベストファンド(本社:大阪市。以下、都市綜研)。不動産特定共同事業法(不特法)上の許可権者である大阪府に対し、1億円の損害賠償を求めた。10月9日には東京地裁で、みんなで大家さん販売(本社:千代田区)が東京都を相手取り、同額の訴訟を提起した。 これらは両社が今年6月、府と都に提起した行政訴訟から派生したもので、30日間の処分期間を過ぎた後でも、法廷の場で行政処分の不当性を訴え続けることが主眼とみられる。 投資家5300人から295億円の解約請求 今回の訴訟の背景となったのが、変わらず続く投資家からの解約請求である。最新の裁判記録によると、6月17日の行政処分から9月30日までに
2024年9月号で本誌が報じた、「みんなで大家さん」成田プロジェクトに関する鑑定評価書の存在。その後の分析で明らかになったのは、専門家も理解に苦しむ土地価格の算定だ。評価額は最大で相場の100倍を超え、不動産鑑定業の信頼に関わるとの声も出ている。監督当局との裁判が続く中、運営元は大阪で“いわく付き” 物件の販売に乗り出した。 本誌記者の手元に、業界関係者のひそかな注目を集める不動産鑑定評価書の写しがある。「みんなで大家さん」を展開する、共生バンク(本社:千代田区)の依頼で作成されたもの。同社が大阪府および東京都による行政処分の差し止めを求めた一連の裁判で、自らの正当性を示すために裁判所に提出した。 共生バンクは、インバウンド客を意識した複合商業施設の建設を計画し、成田国際空港近くにある東京ドーム10個分の広大な山林を造成中。土地の一部は主力商品「シリーズ成田」1号〜18号として証券化済みだ
3万8000人の投資家が参加する不動産小口化投資商品「みんなで大家さん」。大阪府と東京都による30日間の業務停止命令に、事業者側は法的手段で対抗した。100億円を超える解約請求が寄せられる中、ロンドン証券取引市場へのグループ会社上場を計画するなど、事態は異例の展開を見せている。 業務停止という重い行政処分の解除から、わずか10日後に上場が決まった企業は、これまであるのだろうか。不動産小口化投資商品の販売会社、みんなで大家さん販売(本社:千代田区)のことである。同社は7月31日、ロンドン株式市場で、SPAC(スパック)と呼ばれるスキームを通じ、実質的な上場承認を得た。実施は現地時間の8月19日、時価総額は日本円で約80億円とされている。 同社は7月20日まで、東京都から業務停止処分を受けていた身。処分の違法性を問う行政訴訟や解約請求が続く渦中での上場となる。 SPACとは特別買収目的会社のこ
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ニューヨークやサンフランシスコなどの大都市では、人口流入の増加により家賃が年率5%以上増加しており、空室率も3%未満と極めて住宅不足が深刻な状況に陥っている。この家賃上昇の新たな要因として近年注目されているのが、Airbnbによる部屋貸しを事業として営む投資目的ホストの問題である。
Airbnbは最も成長した不動産イノベーターである。創業からわずか7年間で190カ国150万室を提供するビジネスへと成長したが、一部の都市では民泊の取り締まりが強化されている。一方、Airbnbと協調関係を模索する自治体や不動産会社も現れている。
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人が8月2日に上場する。上場時の運用資産は8物件、600億1000万円だが、9月にGLP・MFLP市川塩浜を155億円で取得して9物件、755億1000万円の資産規模になる予定。7月1日に東京証券取引所から上場承認を受けた。
東京スクエアガーデン、東京ガーデンテラス、品川シーズンテラス、テラススクエア――。東京都心部で次々と大規模オフィスビルが完成している。ただ、どのビルの名前もなんとなく聞いたことがあるようなものばかり。どれもこれも似通っていて、ぼんやりしていると行き先のビルを間違えてしまうこともありそうだ。 オフィス仲介大手の三幸エステートが7月10日、「オフィスビル名称の傾向分析」と題したレポートを発表した。東京23区内に立っている基準階面積200坪以上の大規模オフィスビル1881棟と、同50坪以上200坪未満の大型・中型ビル9023棟を対象に、ビルの名称に使われている言葉の傾向を分析したものだ。 竣工後に名称が変わってしまったビルもあるが、2015年6月時点の名称で調べている。新しいビルの名前で目立つのは、テラス、ガーデン、スクエアといった単語。最近こういった単語の付いているビルが急に増えている気がする
上海に本拠を置く緑地集団(Greenland Group)は、日本での不動産開発に進出する。5月21日、東京都港区で開催された不動産コンファレンス、MIPIM(ミピム)Japanの会場で、董事長兼総裁の張 玉良氏が明らかにした。オフィスやホテル、サービスアパートの用地取得や開発に向けて、日本の不動産会社や関連産業にパートナーとしての参加を呼びかけている。 緑地集団は昨年の売上高が4021億元(約7兆7000億円)に上る中国最大手の不動産会社で、"Fortune 500"企業の一つ。国内80都市と海外13都市で開発を進めており、不動産を中心に金融や地下鉄建設、自動車販売など幅広く事業を手がけている。中国の武漢市で高さ606メートルの複合ビル開発を進めているほか、米ニューヨークやシンガポール、豪シドニーなどに進出した。 同社がこれまでに海外に投資した金額は約350億ドル(約4兆2000億円)に
サイバーエージェントは渋谷区神宮前の旧MTV入居ビルを賃借する。ビルは3本の塔を備えた特徴的な外観を持つ。入口にはコンクリートの壁に囲まれた広場、屋上には円形野外劇場を備えている。これら斬新なデザインが、パイロット事業のオフィスにふさわしいと判断した。
京都市左京区にある下鴨神社は、敷地の一部に50年間の定期借地権を設定して分譲マンションを開発する。事業主は賀茂プロパティーズワン合同会社。CRE(企業不動産)戦略や不動産証券化のコンサルティングなどを手がけるエスアイ・アセットサービス(本社:港区)の小野祥吾社長が職務執行者に就いている。設計・施工は竹中工務店が手がける。 神社は年間8000万円の借地料を得て、社殿の修復や周辺の環境整備に充てる方針だ。今後の事業体制について、エスアイ・アセットサービスは「現時点で話せることはない」としているが、同社はプロジェクトマネジメント業務などを担い、マンション販売会社などと提携する可能性が高い。 計画地は、下鴨神社が所有する約12万m2のうち、南端に位置する9647m2のエリア。京阪・叡山電鉄出町柳駅から徒歩5分の場所だ。計画地内に8棟で構成する地上3階建て、計107戸のマンションを建設する。1戸あた
渋谷区役所と渋谷公会堂の建て替えに合わせ、三井不動産などが区有地の一部を借り受けて37階建ての分譲マンションを建設する計画について、渋谷区はマンションの高さを39階建てまで認める方針を固めたことがわかった。2015年3月の区議会に諮り、正式に決定する。建築費が高騰するなか、容積率をさらに緩和することで民間事業者のマンション販売収入を増やし、引き換えに庁舎と公会堂を無償で建て替えてもらう。 新庁舎と新公会堂の完成予想図。新庁舎は地上15階地下2階建て。三井不動産などは庁舎の北側を定期借地して、分譲マンションを建てる計画(資料:渋谷区) 区は耐震強度不足などを理由に、18年度までに庁舎、19年度までに公会堂を建て替える方針だ。民間から事業スキームを含めた提案を募り、5グループの中から三井不動産と三井不動産レジデンシャル、日本設計の3社で構成するグループを選定。14年3月に基本協定を締結した。
新刊『不動産力を磨く』のコンテンツを紹介する連載の最終回。ニッセイ基礎研究所 不動産投資チームの話題は、2020年の東京オリンピック後のマーケットや東京一極集中の影響にも広がる。 松村 日本創成会議が、2040年に日本の自治体の半分が消えてしまうと発表して話題になりました。私は、出張などで地方によく出かけていて人口減少や高齢化を実感しているので、それほど突飛な未来像ではないと思いました。おそらく、2020年の東京オリンピック頃が不動産市況のピークで、その後は大きな反動がくるのではないでしょうか。特に、後期高齢者になった団塊の世代が大都市にあふれますから大変です。不動産投資を考えている人は、そういった長期的な展望も持ってほしいと思います。 竹内 先日、マネー誌の記者の方が取材に来たのですが、最近、地方の高利回り物件をインターネットで見て、現地に行かずに買う人が多くなっているけれど大丈夫かと質
アット東京が江東区の新豊洲駅前に開発したデータセンター、新豊洲キューブが、米国グリーンビルディング協会の環境認証LEED-CSで、最高ランクのプラチナの認証を取得していたことがわかった。認証は8月30日付。LEED-CS(Core and Shell)はビルオーナーの所管部分である躯体について評価する。この部門のプラチナ認証は日本で初めてだ。 認証取得の詳細について、アット東京は明らかにしていない。計画段階の資料などによると、建物は延べ床面積4万1281m2、11階建て、81.8m×81.8mの正方形平面で、高さ約45m。窓の少ない箱形の建物が特徴だ。設備の省エネ効率を示すERRは67%、外構工事完了時の敷地面積に対する総緑化面積の割合は約25%となっている。 日本でのLEED認証物件は29件。このうち約半数が2012年以降の認証だ。最高ランクのプラチナ認証は、内装を対象としたLEED-C
日本の不動産市場の透明度は世界で25位、マレーシアやチェコにやや劣る――。米ジョーンズ ラング ラサール(JLL)が8月に発表したグローバル不動産透明度インデックスで、日本はまたも残念な評価を受けた。果たして、同調査はフェアな手法で評価しているのか。日本側に問題があるとすれば何が原因なのか。 JLLの調査は世界の機関投資家、ファンドが各国の不動産市場へ参入する際の指標として、広く参考にされている。2年おきに実施しており、2004年以降の日本の順位は26位、23位、26位、26位、そして今回の25位と推移。先進国としては最低レベルに一貫して留まってきた。 米調査会社のReal Capital Analyticsによると、東京は過去1年間の不動産取引高で見てニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界第3位。さらに確立された登記制度や鑑定制度、独特の地価公示制度、4兆円規模のREIT(不動産投資信託)市場
吉田修平氏(吉田修平法律事務所) 1952年生まれ。第一東京弁護士会所属。政策研究大学院大学客員教授。不動産を専門分野とする弁護士として、国土交通省の高齢者専用賃貸住宅研究会委員などを歴任。近著に「Q&A 震災と建物賃貸借」(金融財政事情研究会) 今夏の節電による電気料金削減相当額をテナントに還元するか否かで、ビルオーナーの対応が分かれている。テナントへの還元を4月に決めた郵船不動産では、その総額が約1000万円になった。一方で、他のビル事業者からは「契約上は返さなくてもよいはずだ」、「精算の手間に見合わないわずかな額だ」などの声も上がる。賃貸オフィスビルの節電で浮いたお金は誰のものなのか、識者に聞いた。 日本ビルヂング協会連合会(ビル協)は、「契約形態はビルによって異なる。各社の経営判断事項であり、連合会として統一見解を出すことではない」(金子衛事務局次長)と説明する。では、ビル協が発行
民主党代表選の報道がかまびすしい。円高・株安の最中における政治的空白を懸念する声もあるが、まずは党首脳が密室政治への誘惑を退け、オープンな政策論争の機会を選択したことを素直に評価したい。 菅直人首相については、政権担当以来2カ月間の、経済・金融分野での無策を非難する声が社説やブログにあふれている。しかし、郵政・農業票目当ての露骨なバラマキ政策を主導してきた小沢一郎氏への批判はそれ以上だ。どちらの代表候補も大きな政府を志向する点で共通するが、小沢路線の修正に少しでも期待をかけるなら役者は菅氏しかいない。勉強熱心な彼のこと、政策面で本領を発揮するのはこれからと信じよう。 これまで、国内外のメディアが菅氏の人物評をさまざまに取り上げてきた。市民活動家出身で、東京郊外の武蔵野市に住み、庶民派としての側面がよく知られている。国会答弁で時折見せる気の短さとは対照的に、政治家としては忍耐強く振る舞い、こ
JR大崎駅西口南地区の再開発事業が2011年8月に着工する。日本土地建物などが再開発組合の組合員として事業に参画しており、2013年11月の完成をめざしている。街区の名称は「大崎ウィズシティ(Osaki Wiz City)」に決まった。 開発地はJR大崎駅新西口から徒歩4分の場所にある。約7000m2の敷地にオフィス棟と住宅棟を建設するプロジェクトで、総延べ床面積は5万8000m2となる。総事業費は約266億円だ。オフィスの名称は「大崎ウィズタワー(Osaki Wiz Tower)」、住宅棟は「ル・サンク大崎ウィズタワー(Le Cinq Osaki Wiz Tower)」に決定した。 オフィスは地上24階地下2階建て、延べ床面積約3万m2の規模で、総賃貸床面積は1万9000m2となる。基準階面積は約270坪(900m2)。非常用電源として発電機1基を備え、テナント用にも発電機の設置スペース
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