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大谷翔平
ovarian.hatenablog.com
治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ 作者: 高山知朗出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2016/09/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 表題の本を読了。今回はそのレビューを兼ねて、約一年ぶりの投稿です。 がんを告知された患者がまず最初にとる行動といえば、病気や健康に関連する一般向けの本を読んだり、いわゆる「闘病記」カテゴリーのブログを読んだりといったことでしょう。 とくにそれまで健康だった人間は、いきなり医学用語を多用した「ムズカシイ」文献を読みこなせるわけもなく、もっとやさしい入り口を探すことになります。 多くの場合、病気のことを打ち明けて詳しく相談できるような医学の心得のある人は身近にはおらず、テレビや週刊誌で聞きかじった玉石混交の情報をあれこれインプットしてくる親族に耳を傾けたり、同じような境遇の人が書いた「闘病記」を読みふけったり、重すぎ
妻が亡くなってから、1ヶ月以上が経ちました。 病気の発覚から約8ヶ月の闘病の末、2015年9月6日、40歳での旅立ちでした。 本人の希望により、4月のアメリカ帰国後に再発してからのことはごく一部の人以外には伏せていたので、このブログでは3月12日のポストを最後に今日この記事を書くまで、ずっと更新が止まっていました。 このブログを読んで、あれからすっかり元気になって暮らしているものと思われていた方にとっては突然のご報告となることをお許し下さい。 私にとって妻の存在はあまりに大きく、人生の伴侶というより人生の全てでした。ともに過ごした時間は互いの生家の家族よりも長く、高校を卒業して京都の大学に通い始めてすぐの頃に出会ってからの21年間の何もかもを一緒に見、聞き、経験してきました。 これまで毎日欠かさず詳細につけてきた闘病中の日記が、いま手元に残されています。妻の後半生すべてを最後の一呼吸まで見
さて今回の件を通じて、いろいろなことを学んできたわけですが、ひとまず卵巣ガンという病気について整理しておきます。 10数冊の本とネット上の情報、論文、ブログなどを読み漁った範囲では、卵巣ガンと診断をうけた患者がまず最初に読むべきものはこちら。 心配しないでいいですよ再発・転移卵巣がん 作者: 滝沢憲出版社/メーカー: 真興交易(株)医書出版部発売日: 2008/10/01メディア: 単行本 クリック: 25回この商品を含むブログを見る 再発・転移と表題にはあるものの、初期と診断を受けた人や、良性の病変があって経過観察になっている人こそ知っておくべき内容のほうが多いです。 この本は、有名ながん研有明病院の副院長兼婦人科部長である瀧澤医師の口述筆記によるもので、臨床的な視点から卵巣ガンにまつわるあらゆることがわかりやすく書かれているので、まずは絶対に読むべき一冊として太鼓判を押せます。医師の説
それは唐突のことだった。 「ご主人、はっきり言いますね。これはガンです。それも卵巣の」 妻の内診を終えて、彼女が着替え終わるのを待たずに診察室にもどってきた医師が私に向かって発した最初の言葉がそれだった。 ガン告知の場面というのは映画や小説などで何度も疑似体験していて、そういうお決まりの展開を見るとプロットが陳腐にさえ思えてくるほどだったが、何の心の準備もないときに現実としてふりかかってくると、ここまでうろたえるものかと思った。 さーっと頭から血が引いて頭の中が真っ白になっていく、あのひどい貧血のような感じとともに、心臓の鼓動が高まるのがわかった。医師の継ぐ言葉が遠ざかっていくのを感じながら、ここで大事なことを聞き逃すのはまずい、と、脂汗をかきながら、呼吸を荒げながら、なんとか正気をもちなおす。 のちに妻の主治医となる県立病院の婦人科H医師は、これは卵巣ガンである可能性が極めて高いこと、こ
今週、京大特別教授の本庶佑氏がノーベル賞の医学生理学賞を受賞したことで世間が騒がしくなっています。 個人的にも、この受賞はとても感慨深いものでした。 このブログを見て下さっている方なら、私たちが闘病のなかでもう治療の手段がないという段階に至ったとき、抗PD-1抗体の免疫チェックポイント阻害薬であるオプジーボの存在を知り、なんとかこれに最後の希望を託そうと駆け回ったものの、小野薬品に販売を断られ、決死の思いでBMS版をスイスから個人輸入して投与したという経緯があったことをご存知かもしれません。 これは、実際に我が家に送られてきた現物です。これを添付文書の指示どおりの温度で冷蔵保存し、投与の日に備えていました。 しかし2014年から2015年にかけての当時、オプジーボはメラノーマに承認されたばかりで、ほとんどの医師もその存在を知らず、一度は投与をOKしてくれた医師に土壇場で断られたり、このブロ
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