サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
2024年ランキング
pediatric-allergy.com
『水痘(水ぼうそう)パーティー』の不利益は小さくない。 ■ 最近、『水痘(水ぼうそう)にかかっている子どもの家にいって水痘をもらっておいたほうが良い』という趣旨のツイートをみかけました。 ■ いわゆる、『水痘パーティー』という手法ですが、この方法は決して子どもたちにとって負担の少ない方法ではありません。 ■ 2014年に水痘ワクチンが定期接種になって以降、水痘にかかるお子さんが大きく減りました。 ■ そのため水痘は、ワクチン未接種もしくは回数が少ない人を狙い撃ちするかのように感染者をだしており、また、過去罹患した方にも、帯状疱疹の方が増えてきている状況です。 ■ 水痘パーティーの不利益に関し、簡潔に述べた総論を共有します。 この論文でわかったことを、ざっくりまとめると? ✅ 水痘(水ぼうそう)は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる、感染力の強い病気である。 ✅ 水痘は一般的に子ど
Lodge C, et al. Grandmaternal smoking increases asthma risk in grandchildren: a nationwide Swedish cohort. Clinical & Experimental Allergy 2017. [Epub ahead of print] 母の喫煙と子どもの喘息発症に関連はありますが、祖父母の喫煙は孫の喘息発症に関連するでしょうか? ■ 受動喫煙が子どもの喘息に悪影響があることは言うまでもないでしょう。 受動喫煙は、喘息入院や救急受診を増加させる: システマティックレビュー ■ 妊娠中の母の喫煙も、子どもの喘息発症リスクをあげることになることも明らかなわけですが、では、祖父母の喫煙はどうでしょうか?孫まで影響するのでしょうか? 祖母 404583人から生まれた母親46197人、さらにその母から生ま
小児アレルギーに関する最新英語論文情報を、日本語に要約して紹介するブログです。Amazonアフィリエイト・楽天アフィリエイトなどを表示していることをご了解くださいませ。
極めて有名な、気管支喘息に対する吸入ステロイド薬の効果を検討した報告。 ■ 吸入ステロイド薬は、今現在の喘息治療における主役のひとつです。 ■ もちろん薬である以上、減量したり他剤の併用を考慮したりすることは重要です。 ■ 一方で、「心配だ」で中止することはまた、大きな問題が起こりえます。そのうち、最大の「大きな問題」は喘息死でしょう。 ■ 実は、ある程度人口のある先進国のなかで、「小児喘息死ゼロ」をはじめて達成したのは日本です。しかも2018年、去年のことです。 ■ これはもちろん、吸入ステロイド薬のみで達成したわけではなく「病院に受診しやすいアクセス性」に基づくところもありますが、一方で、吸入ステロイド薬を中心としたガイドラインの整備によるところも大きいです。 ■ すでに吸入ステロイド薬が主役に躍り出て時間が経過してきていますので、吸入ステロイド薬前の状況をご存じない方も増えているかも
スギ花粉に対する舌下免疫療法は、小児対しても保険適応になっています。 ■ 舌下免疫療法とは、舌の下にアレルゲンをおいていくことでアレルゲンに対する寛容を誘導しようとする免疫療法の一種です。 ■ スギ花粉に対する舌下免疫療法として「シダトレン」が先行して2014年10月に保険適応となりました。 ■ 液状であったために使用しずらかったですし、冷所保存が必要なこと、そもそも12歳未満の小児に使用できないなどの問題点も指摘されていました。 ■ しかし溶解性のタブレットが2017年9月27日に製造販売が承認され状況が変わってきています(商品名シダキュアスギ花粉舌下錠2000JAU、同スギ花粉舌下錠5000JAU)。 ■ その有効性をみた研究。 スポンサーリンク(記事は下に続きます) Gotoh M, et al. Long-Term Efficacy and Dose-Finding Trial o
インスタのアレルギーシリーズ、30回となりました。 ■ インスタを2018年11月25日にはじめて、3ヶ月あまり。本日、その投稿が30件となりました。 ■ フォロワーさんは11000人をこえ、少しずつ皆さんに届くものもあるのかなあと感じています。 ■ 3カ月で30件というと、そんなに多くない様に思われるかもしれませんが、全てシリーズもので、全部で200枚以上ものスライドになっているんじゃないかと思います。 ■ 普段でも200枚も使うような講演はしませんので、段々充実してきたかと思います。 ■ その中でもアトピー性皮膚炎のシリーズが最初に10回目に達しましたので簡単にまとめてみました。 ※2020/6/16 第11回を追加しました。 スポンサーリンク(記事は下に続きます) 第1回: アトピー性皮膚炎は自然に良くなる? ■ 乳幼児期のアトピー性皮ふ炎は、自然によくなることが多いことがわかってい
自閉症スペクトラム障害(ASD)のある児、そのASDの児の下のきょうだいが予防接種を完遂しているかどうかを米国全域の保険医療システムを利用して調査した。 重要性 ■ 近年、ワクチン接種率は低下している。 ■ この現象が、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder; ASD)の児またはそれより下のきょうだいに偏っているかどうかは不明である。 目的 ■ ASDの診断を受けた後に出生した児が、予防接種諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices; ACIP)の勧告に従って残りの予定ワクチンを接種しているかどうかを調査し、ASDのない児より下のきょうだいの予防接種パターンをASDのない児より下のきょうだいの予防接種パターンと比較する。 試験デザイン、セッティング、参加者 ■ この調査は、レトロスペクティブマッチド
熱中症のニュースが続いています。水分摂取を励行しましょう。 ■ 熱中症のニュースが連日報道されています。今後も異常気象は続くでしょうし予防対策を励行する必要があるでしょう。 ■ 摂取する水分に関して、「熱中症になった場合は」経口補水液(Oral Rehydration Solution;ORS)が基本的には勧められると「熱中症診療ガイドライン2015」には記載されています。 ■ 熱中症になった場合は経口補液を摂取することが良いと思いますが、運動時に摂取する水分に関し、米国小児科学会(AAP)の提言では1時間未満の活動では水だけで大丈夫、20分おきに水分摂取、スポーツドリンクでもOKと記載されていました。 Heat Stress Tips for Young Children from the American Academy of Pediatrics ■ そこで、運動時はORSなのか、ス
小児アトピー性皮膚炎のスキンケア指導をエビデンスから考える。 ■ 「スキンケア」という言葉は、非常に一般的なものになりました。 ■ しかし、「エビデンス(証拠)」に基づいた指導をしようとすると、難易度が上がります。これまで、スキンケア指導に関する講演を聴講してきて、エビデンスの面からの話は多くなかったことにちょっぴり不満を持っていました。 ■ そこで、2017年に開催された全国学会でいただいたテーマ、「小児科診療における スキンケア指導の役割」では、一般的なスキンケアの方法のみではなく、少しでもエビデンスに基づいたお話をと思い企画しました。 ■ その講演を少し手直ししてお示ししたいと思います。ということで、いつもの論文紹介ではありません。 ■ かなり長くなってしまったので、3回に分けたいと思います。 なぜ、スキンケア指導が必要なのか? アトピー性皮膚炎は増えている? ■ 20世紀の終盤に気
抗ヒスタミン薬の直接比較の報告は極めてめずらしい中、ザイザルとデザレックスを比較した検討をご紹介します。 ■ 外来で、例えば食物の誤食でじんましんが出現した患者さんに対し、手持ちの頓用の抗ヒスタミン薬を内服していただいたとしましょう。実際は内服薬は効果が現れるまでにタイムラグがあります。そのため、10分おきに内服するようなことは普通はしません。 ■ しかし、そういうときは患者さんも、どうしても焦ってしまいますし、追加して内服できないかという質問、そしてその安全性の疑問はよく聞かれるセッティングです。その際、まず増量での安全性をお答えする必要があります。 ■ 一方、慢性蕁麻疹に関し、「どの抗ヒスタミン薬がより有効性が高いか」という質問もあります。 ■ この質問に応じるには、種類が膨大にある抗ヒスタミン薬の直接比較が必要ですが、その報告は少ないのが実情です。 ■ それらの疑問に、一部お答えでき
レボセチリジン(ザイザル)は、乳幼児期で汎用されるようになりましたが、その長期連用の安全性を確認した報告をご紹介します。 ■ レボセチリジン(ザイザル)は生後6ヶ月から使用できる抗ヒスタミン薬であり、脳内移行性が少ない(副作用が少ない)ために、汎用されるようになってきています。 ■ 上気道炎に使うというプラクティスが正しいかどうかは別の問題ですが、すくなくとも、この年齢のお子さんに対して脳内移行性の強いペリアクチンやポララミンの処方は問題点が多いと言えましょう。 ■ 実際、最近の米国では、乳幼児に対する抗ヒスタミン薬の使用は大きく減ってきているという結果が、最近のJAMAに報告されています。 Trends in Prescription Medication Use Among Children and Adolescents—United States, 1999-2014 ■ それはさ
van Boven M, et al. Estimation of measles vaccine efficacy and critical vaccination coverage in a highly vaccinated population. Journal of the Royal Society Interface 2010; 7:1537-44. 麻疹(はしか)のアウトブレイクを防ぐために、どれくらいの予防接種率が必要か? ■ 沖縄から始まった麻疹(はしか)流行に関して、予断できない状況が続いています。 ■ 東欧では、麻疹(はしか)予防接種率の低下により、麻疹が流行し、多くの方が亡くなりました。 麻疹、欧州全体で流行の恐れ WHOが警告 低いワクチン接種率 ■ WHOは、95%以上の接種率を提示していますが、実際にアウトブレイクを防ぐ接種率をみた検討を見つけましたのでご紹
麻疹(はしか)がアウトブレイクする可能性があります。 ■ 2014年に米国のオハイオ州で、昔ながらの生活を守っているアーミッシュの方々に(すなわち予防接種をしていない)麻疹(はしか)が大流行しました。 アーミッシュ内での麻疹アウトブレイク ■ その際、予防接種と隔離処置プログラムが強力に推し進められ、それ以上の拡大は阻止されました。すなわち、患者隔離・感受性の高い人の隔離・10000人以上へのMMRワクチン投与が速やかに行われたのです。 ■ その際、麻疹に罹患した340人(89%)はワクチン未接種でした。 Gastañaduy PA, et al. Impact of public health responses during a measles outbreak in an Amish community in Ohio: modelling the dynamics of trans
若手医師が抄読会で読むのにオススメできる医学雑誌リンク集 (協力者を希望しております)。 参考に足る医学雑誌を選択するのは簡単ではない。 ■ 若い先生と勉強会をすると、かなり怪しい論文がでてくることもあります。 ■ 最初のうちは仕方がない点と言えましょう。そこで私が作成した表から医学雑誌を選択するようにしていただいています。 ■ その要因として、問題のある医学雑誌が増えてきていることにもあります。英文で査読があれば良いという時代ではなくなってきているのです。 チェック不十分な論文急増 誤解広がる恐れ ■ そこで、私が作成した医学雑誌集を皆さんとも共有させていただいた上で、それぞれの御専門の分野で「これはいれるべき」「これは無くていいのでは」という御意見をいただきながらブラッシュアップしたいと考えました。 ■ このブログでご紹介している論文は、おおむねこれらの中からです。この中からでない場合
アトピー性皮膚炎に入浴剤は有効かを検討した大規模ランダム化比較試験をご紹介します。2018年時点では、この論文がもっともエビデンスとして有用です。 ■ アトピー性皮膚炎に対する保湿剤は基本治療と言えます。 ■ しかし、毎日の塗布は決して簡単ではありません。もし、入浴剤でその補助ができれば助かるのですが、入浴剤によるアトピー性皮膚炎治療の大規模ランダム化介入試験は、私の知る限りありませんでした。 ■ 一方で、そのテーマでの研究計画のプロトコールは2015年に発表されていたので、結果を待ち続けていた訳です。 ■ なかなか発表されないなあと思っていた矢先、たまたまネットに結果がUPされているのを見つけました。PDFで全文が閲覧できるのですが、PubMedやGoogle scholarではプロトコールにしかたどり着けず、結果が探せないのが少々不可解ですが、これからしかるべきjournalに発表され
Caminiti L, et al. Oral immunotherapy for egg allergy: a double-blind placebo-controlled study, with postdesensitization follow-up. The Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practice 2015; 3:532-9. 最新の経口免疫療法に関する総論に取り上げられていた報告。 ■ 今月のJACIに発表されていた免疫療法の総論(Berings M, Journal of Allergy and Clinical Immunology 2017; 140:1250-1267.)に、まだ読んでない論文が混じっていたので、読んでみました。 6歳の卵アレルギー患児に4か月間の経口免疫療法後、6か月間中止し、脱
■ 一方、我々が小さい時、インフルエンザワクチンが集団接種されていたことは記憶に新しいでしょう。目的は、集団接種を行うことで集団免疫(全体の免疫をあげる)ことでした。いわゆる、「コクーン(繭)」の考え方です。繭(まゆ)とは、若い人は知らないかもしれないですが、絹の原料になる、蚕(かいこ)玉のことで、周囲の免疫をあげることで、中の弱いひとを守っていこうという戦略を繭に例えています。 予防接種の本当の意味 ”集団免疫”とは何か ■ しかし、当時、インフルエンザ集団接種は、中止となりました。色々な考えがあることは承知していますが、集団接種を中止することで起こったことは明らかになっています。 ■ 日本全国での超過死亡率が明らかに上昇したことです。超過死亡率、というのは簡単に言うと、インフルエンザが流行したために余分に死亡した率、と言えばいいでしょうか?インフルエンザのみではなくインフルエンザによっ
■ そして、昨日Twitterで知った情報ですが、AAP(米国小児科学会)がスポンサーの情報サイトにコリックのページがあることを知りました。役に立ちそうな内容だったので、皆さんとシェアするために簡単に翻訳しておこうと思います(一部意訳)。 Colic Relief Tips for Parents Colic Relief Tips for Parents コリックに関する情報。 お子さんのコリックに対する親御さんへのヒント ■ あなたのお子さんには、定期的に起こる、なだめるのにどうしようもないように見える厄介な時間が、毎日ありますか? ■ これはかなり一般的です。 ■ 特に、午後6時から真夜中、すなわち、その日の試練と苦難によってあなたも疲れている時間帯に起こります。 ■ この過酷な時期は、あなたに、他にも骨が折れる子どもさんがいたり、仕事をしなければならない場合は特に拷問のように感じる
1) この提言は、「予防」に対してであって「治療」ではない。 2) 予防対象はアトピー性皮膚炎の診断もしくは既往のある、生後6か月未満の子ども。 3) スキンケア指導は必須。 重症度に応じステロイド外用薬も使用しプロアクティブ治療も行うが、ステロイドを使用することを目的としているわけではなく、スキンケア指導も十分行い、「皮膚を安定化させる」が目的。 4) 卵は「十分加熱」したものを「微量」摂取する。 目安は「20分ゆで卵黄1/3個」もしくは「20分ゆで卵白0.2g」を基本的には毎日摂取。 この提言は、「予防」に対してであって「治療」ではない。 まず、PETIT研究の理解が必要です。 ■ この提言は、主にPETITスタディという卵アレルギー予防研究から組み立てられています。PETITスタディは、以前このブログでもご紹介いたしました。 加熱卵を少量で早期開始すると、1歳時の卵アレルギーを予防で
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『小児アレルギー科医の備忘録』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く