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qiita.com/ken-yossy
はじめに 前回の記事で、NANDフラッシュメモリを搭載したSSD(以降単にSSDと記載)を語る上で欠かせないSLCキャッシュの基本的な仕組みについて説明しました。 そこで今回は、SSDの利用者が一番気になるであろう「SLCキャッシュのメリットとデメリット」を説明します。メリットとデメリット共に、そのポイントは「キャッシュであること」と「キャッシュがNANDフラッシュメモリであること」の2点です。 まとめ SLCキャッシュのメリット例:高いデータアクセス性能、主記憶の寿命温存、データ保護 SLCキャッシュのデメリット例(ライトバック発生時の事象):データアクセス性能低下、性能のブレ、寿命消費加速 復習:SLCキャッシュの仕組みと構成 図1は、SSD内部でのユーザデータに対するメモリ階層を示したイメージ図です(前回の記事から再掲)。SSDの場合、主記憶がTLC NANDやQLC NAND、L2
はじめに NANDフラッシュメモリを搭載したSSD(以降SSD)を使用している、もしくはSSDの性能について調べたことがある、という方であれば、「SLCキャッシュ(SLC Cache、メーカーによりTurbo Writeなどと呼ぶこともある)」という機能をご存知だと思います。 SLCキャッシュという技術を端的にまとめると、「SLC NAND以外のNAND(TLCなど多値NAND)を不揮発性記憶媒体とするSSDにおいてSLC (NAND)をキャッシュにして、データ読み書き性能向上や寿命長期化を図る技術」となります。 NANDフラッシュメモリがTLC、QLCと多値度を増すにつれてその読み書き時間が長くなる中、高まり続けるSSDへの性能要求に応え続けられたのはSLCキャッシュのおかげです。 そこで、今回の記事でSLCキャッシュの仕組みを説明し、次回以降の記事でSLCキャッシュのメリットとデメリッ
はじめに NANDフラッシュメモリを不揮発性メディアとして採用したSSD(以降、単にSSDと記載します)の寿命を考える際、NANDフラッシュメモリの寿命を抜きに考えることはできません。 「NANDフラッシュメモリの寿命」と聞いて誰もがまず思い浮かべるのは、やはりメモリセルの信頼性だと思います。NANDフラッシュメモリのメモリセルの信頼性としては、大きく「書き換え回数」と「読み出し回数」の2つが重要ですが、一般的には「書き換え回数」が注目されます。実際、NANDフラッシュメモリの寿命を左右する要因の中で最も大きいのは「書き換え回数」です。 ここで言う「書き換え回数」とは、NANDフラッシュメモリにおける「(ブロックの)Erase (Program)回数」のことになります。 しかし、「保証書き換え回数」と言った場合、これは実は「Erase (Program)操作が可能であることを保証する回数」
更新情報(2020/7/2) MicrosoftのWebサイトが更新され、Windowsの標準NVMeデバイスドライバを使用して、HCTMに関する値(温度)をSet Featuresコマンドにより設定できることがわかりました(ソース)。 したがって、この記事の「残念なお知らせ」節の内容は、現時点では正しくありません。obsoleteです。 一方、それ以外の内容(nvme-cliを使用したLinux上での設定方法など)は現時点でも有効であると考えています。 今後、Windowsの標準NVMeデバイスドライバを使用して、Set FeaturesコマンドによりHCTMに関する値(温度)を設定する方法を試してみようと考えています。 はじめに 最近、SSDの特集記事にはほとんどと言って良いくらい「温度(発熱)」に関する記載があります。 特に、PCIe Gen4に対応したNVMe SSDが登場したこと
はじめに これまで、NANDフラッシュメモリを使ったSSDを選ぶ際に良く参照される「寿命」と「性能」について、以下のような内容をご紹介しました。 SSDの選び方(1/5):TBWは値だけ見ても意味がない! SSDの選び方(2/5):じゃあTBWって何なんだ? SSDの選び方(3/5):SSDの寿命を縮める使い方 SSDの選び方(4/5):SSDの性能表記はワナだらけ このままでは「じゃあどうやってSSDを選んだらよいのか」ということが不明なまま終わってしまいますので、この記事では、一連の記事のまとめとして、「SSDの選び方」をまとめます。 サマリ SSDの使いかた(SSDの使われかた)を確認することがSSD選びの第一歩 SSDの使いかたによってSSDの何を重視すべきかが変わります SSD選定用チェック表 これまでの記事でご説明した通り、NANDフラッシュメモリを使ったSSDの寿命や性能はS
はじめに もう昨年(2019年)の話になってしまいましたが、「個人情報が保存された自治体のHDDが、廃棄処理委託先業者の従業員によって、データ復元可能な状態のまま転売された」、という事件がありました。 既に多くの方がそれぞれお持ちの知見からこの事件について解説されていますが、この手の話は時間が経過すると忘れられてしまうことが多いので、定期的に話題にすることで注意喚起する必要があると考えています。 そこで今回は、この事件を題材に、ストレージを安全に廃棄するために使用すべきストレージの機能としてデータ難読化とロックを挙げ、具体的なロックの方法を説明します。データ難読化は次回まとめる予定です。 なお、ストレージに格納されたデータが流出する状況には、以下の2つがあります。 ストレージがオンライン(ホストに接続され通電状態、正規のアクセス権を持ったアカウントがデータにアクセス可能な状態)でのデータ流
はじめに これまで3回にわたり、NANDフラッシュメモリを使ったSSDの寿命について、以下のような内容をご紹介してきました。 SSDの選び方(1/5):TBWは値だけ見ても意味がない! SSDの選び方(2/5):じゃあTBWって何なんだ? SSDの選び方(3/5):SSDの寿命を縮める使い方 「寿命」がSSDを選ぶ際に重要な項目のひとつであることは間違いありませんが、他にも重要な項目がいくつもあります。 人によって重視する項目が異なることも多いと思います。 そこで今回は、「SSDの選び方」という視点から、その「重要な項目」のひとつである「データアクセスの速度性能」について、一般的に私たちが目にする値の意味や見かた、そして注意が必要な点をまとめます。 なお、この記事では、以降「性能」という言葉を「データアクセスの速度性能」という意味で使用します。 サマリ カタログ性能もベンチマーク性能も、値
はじめに 前回の記事では、2019年末に報じられた「個人情報が保存された自治体のHDDが、廃棄処理委託先業者の従業員によって、データ復元可能な状態のまま転売された」という事件を題材に、ストレージを安全に廃棄するために行うべき対策としてストレージのロックと難読化を挙げ、SATAおよびNVMeストレージのロックの具体的な方法をまとめました。 同じく前回の記事で指摘した通り、「データ流出」に対する根本的な対策は「難読化」です。そこで今回の記事では、この難読化についてまとめます。 難読化には、「物理的破壊」、「記憶媒体を消去状態にする」、「複数回データを上書きする」といった従来から広く行われている方法や、暗号化機能を利用した「暗号的消去(Cryptographic Erase)」まで、様々な方法があります。 この記事では、まずストレージ廃棄時の難読化に関する国内外のガイドラインを概観し、その後難読
はじめに 前回の記事で、TBWの正体について説明しました。 それを踏まえて、この記事では、なぜTBWが使いかた(ワークロード)に依存するのか、TBWの値の大小を左右する要素は何なのかを説明し、SSDを選ぶ際におさえておくべき要素についてまとめます。 これらはすでに様々な方が指摘されてきた内容ですが、この記事では、「SSDの使いかたが寿命消費に与える影響」という視点からまとめます。 ※注1:記事中で単に"TBW"と記載した場合は、「あるワークロードを用いて算出されたTBW」というワークロードを特定しない形での言及です。「TBWがワークロードに依存しない」という意味ではありません。 サマリ SSDの寿命消費を緩やかにする「やさしい使いかた」の例 容量に十分余裕をもって使う 大サイズのシーケンシャルライト中心の書き込み SSD内のデータ管理単位に揃った書き込み 特定のデータに偏って集中したRea
はじめに 前回の記事で、SSDの製品仕様に記載されているTBWについて、その定義と、記載内容の意味を説明しました。 それを踏まえて、この記事では、「じゃあTBWって何なんだ?」「TBWは万能な数値なのか?」「TBWは何に使うべきものなんだ?」という問いに対する、私なりの答えを書きます。 ※注1:記事中で単に"TBW"と記載した場合は、「あるワークロードを用いて算出されたTBW」というワークロードを特定しない形での言及です。「TBWがワークロードに依存しない」という意味ではありません。 サマリ TBWとは、「SSDが搭載するNANDフラッシュメモリに書き込み可能なデータサイズ(=寿命)のうち、あるワークロードにおいて、Garbage Collectionやウェアレベリングなどの処理による書き込みを除く、ホストからWriteコマンドで転送されたデータの一次書き込みで消費できる寿命(サイズ)」の
はじめに SSDを選択する際には、性能(データアクセス性能)、価格、そして寿命などの指標を基準にすることが多いと思います。 特に、NANDフラッシュメモリを使用したSSDについては、寿命を主な選択基準にする場合が多いと思います。 使用上の不備や、落下等による部品の損傷、といった故障を除けば、NANDフラッシュメモリを不揮発性記憶媒体とするSolid State Drive (SSD)の寿命は、広く知られているように、NANDフラッシュメモリのブロック(以降、単に「ブロック」と記載します)の書き換え回数に依存します。 ブロックの書き換え回数に起因するSSDの「寿命」というと、Terabytes Written (TBW)を思い浮かべる方が多いと思います。 しかし一般的に、公表されているTBWは、対象のSSDに対してある「使い方」をした場合の「ホストからSSDに書き込むことができるデータのサイ
なお、Windows Driver KitはVisual Studio Installerではインストールできません。このため、Webページ[8]に記載の手順に従ってインストールする必要があります。 Windowsのストレージアーキテクチャ 具体的なアクセス方法の説明の前に、Windowsのストレージアーキテクチャについて、一部推測も含みますが、簡単にまとめます。 Windowsのストレージアーキテクチャは、デバイスドライバを含めた各種プログラムやライブラリが階層構造を構成しています[5][6][7][9][10][13]。 通常、ユーザランドで動作するアプリケーションプログラムがストレージにアクセスする場合、アクセスの対象としてファイルを指定します。例えばファイルの読み書き処理です。 これらの処理要求は、アクセス対象のファイルを管理するファイルシステム、ファイルシステムが存在するボリュー
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