【※本記事では、ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」、有栖川有栖「四分間では短すぎる」、古野まほろ『ロジカ・ドラマチカ』(「春の章」「夏の章」)、米澤穂信「心あたりのある者は」、阿津川辰海「占いの館へおいで」、青崎有吾「十円玉が少なすぎる」の真相に言及しています。未読の方はご注意ください】 光永康則『棺探偵 D&W』より。まして今やネットの時代なので、こうしてわたしも本記事を書いています。 密室やアリバイといえばミステリの大きなサブジャンルであり、おおざっぱな分類といえますが、よりマニアックかつ現代日本の作家や読者に愛されている趣向として、ハリイ・ケメルマンの短編「九マイルは遠すぎる」を嚆矢とする推論の展開をテーマとしたディスカッションのスタイルが挙げられるかと思います。 九マイルは遠すぎる (ハヤカワ・ミステリ文庫 19-2) 作者:ハリイ ケメルマン 早川書房 Amazon ほんの