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ノーベル賞
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猿酒という酒をご存知でしょうか。 白土三平の漫画『サスケ』や『はじめ人間ギャートルズ』などにも登場したので年輩の方は聞いたことがあるのではないでしょうか。 聞いたことはあるが、内容は知らないという方も多いと思いますので、ここで猿酒について記してみようと思います。 猿酒とは、一般的には猿が集めておいた果実が自然に発酵したお酒のことを指し、そうして偶然にできたお酒を猿が飲んでいたということから付けられた名といわれています。 しかし、この猿酒、様々な言い伝えや文書があり、私たちが想像する一般の酒とはまったく違うものだったのです。 様々な書物に記された謎の酒 この猿酒に関する伝承は日本の各地に残されています。 皇都午睡 西沢綺語堂こと西沢一鳳の見聞録『皇都午睡』(みやこのひるね)ではこう記されています。 木曽の猿酒、岐蘇の猿酒は以前信州の俳友より到来して呑たるがこは深山の木の股節穴などの中へ猿秋の
日本酒の消費量は、お酒好きな地域がどこなのかを見る上でとても興味深いデータです。 国税庁では「酒のしおり」というものを発表していて、そこに乗せられている情報を見ると、住民1人当たりの日本酒の年間消費量が分かります。 そこで、日本酒好きな都道府県ランキングを第10位からお伝えしていきましょう。 第10位 鳥取県 ランキング第10位は鳥取県で、県民1人当たりの日本酒の年間消費量は7.3Lでした。 日本海側にある鳥取はお酒の肴にぴったりな海産物が豊富です。 また、「玉栄」という酒米でも知られており、お米のうま味が十分に生かされた奥行きのあるお酒が多数造られている地域でもあります。 第9位 福井県 ランキング第9位は福井県で、県民1人当たりの日本酒の年間消費量は7.4Lでした。 福井県も日本海側に位置しており、海の幸が豊富です。 また、「ふくいうらら」という名の酵母が独自に開発され酒造りに使用され
最近では、多くの酒蔵で見学をすることができるようになりました。 日本酒ブームも手伝って、休日にはかなりの賑わいを見せることもあります。 酒造りの様子を見るのは楽しいですし、勉強にもなります。 しかしながら、本来酒造りというのは非常に繊細な神経を使う仕事でもあります。 なぜなら、麹菌や酵母という目に見えない生き物の力を利用しているからです。 そこで大切になってくるのが酒蔵見学のマナーです。 日本酒造りの命 多くの酒蔵では、見学の際には朝に納豆やヨーグルト、漬物、それに果物などを食べるのを控えるようにという趣旨のお願いがなされています。 実はこれはお願いなどではなく、禁忌ともいえることなのです。 これらの食品にはそれぞれ特徴を持った菌がたくさん生育していますが、これが日本酒にとっての命といえる麹菌や酵母に悪影響を与え、結果として粗悪なお酒しかできなくなってしまいます。 時にはお酒そのものが全く
何種類かの日本酒を飲み比べる場合に、その順番を気にしたことがおありでしょうか。 そんな時のために、参考になる情報をお知らせします。 例えばお寿司の場合ですと、味の淡いものから濃いものを食べていくというのはよく知られている順序です。 たまごから始めて、白身系、赤身系と続き、最後は穴子といった具合です。 先に味の濃いものを食べてしまうと、繊細で淡い味わいがよくわからなくなるので、これは理に適っているといえます。 これと似たようなことが日本酒にもあてはまるのですが、ここでいきなり最大の注意点があります。 酔いを計算する 当然ですが日本酒はお酒ですから、杯が進めば進むほど酔いがまわってくるということです。 それで、飲みの後半に好みのお酒を持ってきても、そのときにはかなりお酒がまわっていて、あまり飲めなかったり、味がわからなくなってしまっていたりすることがあります。 というわけで、最大の注意点は酔い
日本酒のラベルには製造年月日を必ず記載しなければならないことが、酒類業組合法により定められています。 一方で、食品や飲料の場合は食品衛生法により、賞味期限または消費期限が必ず記載されています。 関係する法律が違うために、このような表記の違いが生じているのですが、消費者にとってはちょっとわかりにくいとする意見もあります。 小売店などで製造年月日を賞味期限と誤解して、賞味期限が切れた日本酒が売られていると指摘する消費者も出てきました。 そのようなわけで、製造年月日のみを表示することの弊害が指摘されるようになりました。 実際には、製造年月日を見ただけでは、昨日できたばかりの新酒なのか、製造から10年経った古酒なのかが判断できないこともあります。 なぜなら、日本酒においては、ラベルに記載される製造年月日は、できあがった日本酒を、瓶詰めして出荷できる状態にした日のことだからです。 右の写真では醸造年
日本酒をおいしく楽しむには、保存方法にも気を配る必要があります。 日本酒を保存する上でのポイントは、光(特に紫外線)と温度に注意することです。 基本は光が当たらないことと、低温かつ温度変化のないことが重要です。 お酒の醸造手法によっても違いますが、このようにして適切に貯蔵することで熟成が進み、独特の味わいが加味されてゆきます。 光に注意~日光臭の原因~ 日本酒は光に弱く、お酒を無色のガラス瓶に移し変えて直射日光に当てると、わずか数時間ではっきりとわかるほど色が変化します。 日光臭と呼ばれる異臭が発生することもあります。 直射日光でなくてもこの傾向は変わりません。 室内の明るさや蛍光灯などの光でも、徐々に変化が生じてきます。 このようなわけで、日本酒は暗所で貯蔵しなければなりません。 新聞紙で包んで光をさえぎり、表に銘柄のメモを貼り付けておくと手っ取り早いですね。 温度に注意~老香の原因~
これまで日本酒には、酒造年度(BreweryYear、略称BY)がほとんど記載されてきませんでしたが、最近ではこれがラベルやボトルに表示されたり、酒販店のPOPや飲食店のメニューにも表記されたりするようになってきました。 酒造年度 (BY) 酒造年度(BY)とは、7月1日から翌年6月30日までの1年間のことを指します。 英名ではBrewery Year【ブリュワリーイヤー】と呼ぶことから頭文字をとってBYと略しています。 例えば「25BY」と記載されている場合、平成25年7月1日から平成26年6月30日の間に醸造された日本酒であるということになります。 現在のこの制度は昭和40酒造年度に始まったもので、もともと明治29年(1896年)の酒造税法では、毎年10月1日から翌年9月30日を酒造年度としていました。 清酒醸造のほとんどは、原料の米が収穫される秋以降に始まるため、暦年(1月1日~12
剣菱は、これほど有名なものはないと言っていいくらい著名な清酒ブランドです。 歴史の古さ、文化に与えた影響、愛飲家の数など、どれをとっても抜きん出ているといっても過言ではありません。 この剣菱を現在製造しているのが剣菱酒造株式会社です。 現在の剣菱酒造株式会社は、昭和4年(1929年)の設立です。 しかしながら、剣菱のルーツは非常に古く、その酒造りは永正2年(1505年)にまでさかのぼることができます。 剣菱はその始まりから今に至るまで、五家と呼ばれる酒造家たちにより守り継がれてきました。 ここでは、家ごとに剣菱の歴史をたどってみましょう。 稲寺屋 江戸時代の文献である「二千年袖鑒」によると、伊丹で稲寺屋が永正2年に創業したことや、この文献が出版された嘉永2年(1849年)の時点ですでに345年もの歴史があることなどが記されています。 この文献に乗せられているロゴは現在のものと変わりませんが
お銚子(おちょうし)と徳利(とっくり)、どちらもお酒を入れる容器なのですが、呼び方が違います。 どちらも同じ形の器を連想してしまいますが、本来は異なった形の器だったようです。 銚子 【ちょうし】、 片口 【かたくち】、 両口 【りょうくち】 もともとお銚子は、長い柄のついた金属製や木製、あるいは陶製の器で、現代で言えばお茶を注ぐ急須のような形をしていました。 注ぎ口が1つのものは「片口」と呼ばれ、両側2箇所に注ぎ口のあるものは「両口」と呼ばれます。 当初は蓋はなかったようですが、桃山時代には蓋付きのものが現われています。 お銚子と言うと、首が細く下部が膨らんだ陶製の容器(こちらが徳利です)を思い浮かべますが、実際にはお銚子本来の形状はそれとは全く違うものなのです。 婚礼に用いられる片口の銚子 瓶子 【へいじ】 平安時代中期に編纂された「延喜式(えんぎしき)」に記載されている通り、古代におい
ダイエットするときはよく、お酒を控えるようにと言われます。 そのためか、お酒は太るものだと思われがちです。 お酒のカロリーは、含有されているアルコール分に比例するので、度数の高いものほどカロリーは高くなります。 例えば、100mlあたりの平均的なカロリーで比較すると、赤ワイン(アルコール度数12%)ではおよそ70キロカロリー、ビール(アルコール度数5%)ではおよそ42キロカロリー、日本酒(アルコール度数15%)ではおよそ105キロカロリーとなり、アルコール1mlあたりのカロリーはどのお酒であっても6~8キロカロリーになります。 日本酒はお米からできているから太ると思うかもしれませんが、原材料による差はそれほどありません。 お酒を飲むと、これらのカロリーを摂取することになり、太ってしまうというわけですが、本当のところはちょっと違います。 お酒のカロリーというのはそのほとんどが含有されているア
10月1日は、コーヒーの日、法の日、ネクタイの日、日本音楽の日をはじめ、トーチの日や缶詰の日、印章の日や浄化槽の日、東京都民の日やデザインの日、あるいは国際高齢者の日など、さまざまな記念日となっていますが、実は日本酒の日でもあります。 日本酒の日の由来 10月1日が日本酒の日と定められたのは、1978年(昭和53年)のことです。 日本酒造組合中央会によりこの日が選ばれました。 もともと10月は日本酒業界にとって特別な意味のある月でした。 時期的には、ちょうど収穫された新米を使って新酒が醸造される頃になります。 昭和30年頃までは、秋の収穫を終えた季節労働者としての蔵人たちによって酒造りが行なわれていました。 それで、この10月は米の収穫期でもありますが、それと同時に蔵人たちが半年ぶりに酒蔵に戻り、酒造りの準備をする、いわゆる秋洗いの季節でもありました。 さらに、寒造りした酒が半年以上貯蔵し
日本酒の製造および、小売・卸業は、日本を代表する伝統産業です。 その上、起業が非常に古く、まさに日本一の老舗企業でもあります。 2013年に帝国データバンクが実施した長寿企業の実態調査によれば、創業100年以上の歴史を持つ企業は全国に約26,000社ほどあるということですが、そのうち707社は日本酒製造業でした。 この数字は、業種別構成比で見ると第1位です。 さらに第3位には酒小売業(596社)が、第7位には酒類卸業(408社)が入っており、日本酒関連企業の歴史が非常に古いことと、古来より日本酒の需要が高かったことをうかがい知ることができる結果となりました。 では、有名な老舗の蔵元をいくつかご紹介しましょう。 老舗の蔵元 銘酒「郷乃誉【さとのほまれ】」で有名な茨城県の須藤本家は1141年、平安時代後期の創業です。 平清盛が太政大臣になったのが1167年ですから、それよりも前ということになり
この表では、辛いとか甘いとかいう表現が用いられていますが、日本酒における辛口または甘口についても認識しておく必要があります。 日本酒の辛口とは、いわゆるドライな味わいであまり甘味を感じないタイプのことを言います。 甘口はその逆で甘味を感じるものということになりますが、日本酒の場合は実際の糖分が発酵の過程で酵母にほぼ消費されてしまっているため、酒粕をあえて多く残したものを除けば、本当に甘いものは少なくなっています。 実際には甘口と表現されているお酒の大半は旨口と表現したほうが良いようです。 アミノ酸等の旨み成分が強く、相対的に辛さをほとんど感じないタイプのものが旨口ということになります。 日本酒の味の表現 消費者がわかりやすいようにと取り入れられた甘辛度等の数値ですが、実際にはお酒の味わいのごく一部しか表現できていません。 人間の舌は非常に繊細で、さまざまな味わいの微妙な違いを感じ取ることが
杜氏集団は日本全国に存在しますが、とりわけ日本三大杜氏と呼ばれている集団があります。 それは南部杜氏、越後杜氏、丹波杜氏です。 岩手県の南部杜氏は、穀倉地帯として名高く酒造りも盛んな岩手県の石鳥谷町に源を発します。 杜氏の数は372名と全国最多で、蔵人を含めるとおよそ1,300名となります。 最盛期であった昭和40年ごろには3,200名が加盟していたと言われています。 新潟県の越後杜氏は、南部杜氏に次いで全国2位の杜氏集団です。 結成時の昭和33年には900名以上が加盟していました。 三島郡寺泊野積を始めとして県内各地の出身の杜氏が地元の酒造りを支えるとともに、日本全国で活躍しています。 兵庫県の丹波杜氏は、まさに酒造りにおける中心的存在を担ってきました。 江戸時代から銘酒として有名な灘の酒を支えるのはこの杜氏です。 250年以上の歴史を持ち、ある記録によるとその始まりは1755年とされて
日本酒は清酒とも呼ばれますが、酒税法上の定義では、米と麹と水を主原料とする醸造酒のことです。 飲料にアルコールが1%以上含まれると法律上はお酒となります。 このお酒も大きくは4つに分類されます。 混成酒類、蒸留酒類、醸造酒類、発泡性酒類の4つです。 原料を発酵させてアルコール飲料を作るタイプのものが醸造酒で、日本酒もこの部類です。 酒類:アルコール分1度以上の飲料 混成酒類 合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑酒 蒸留酒類 連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、スピリッツ 醸造酒類 清酒、果実酒、その他の醸造酒 発泡性酒類 ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類(ビール及び発泡酒以外の酒類のうちアルコール分が10度未満で発泡性を有するもの) その他の発泡性酒類に該当するものは除く 日本酒を名乗るには、酒税法第3条第7号に定められている清酒に関す
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