サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
squeaker.hatenablog.com
https://blog.ycombinator.com/harc 諸般の事情により所属先が変わりました。といっても過去にあった所属先変更と同様に、同じグループで、同様のビジョンに基づいた研究・開発をしています。 新しい職場はY Combinator Researchというところで、グループの名前は HARC "Human Advancement Research Community"ということになっています。象徴的ボスはAlan Kayです。彼もまだまだ元気です。 YCRができたきっかけは、Sam AltmanというY Combinatorの社長が「利益追求のスタートアップとは別に、長期的な研究をして社会に還元する組織を作りたい」ということで、大きな研究組織作りに一家言あるAlanに相談したことです。元々は一般論としてARPA内でどのような研究者たちがどのような人間関係で研究を行っていた
(English Translation available at: http://d.hatena.ne.jp/squeaker/20131109#p1) SPLASHという名の下にいくつかのワークショップが開かれているのですが、その中の一つに、FOOL (Foundations of Object-Oriented Languages: http://fool2013.cs.brown.edu/)という、静的型や型理論に重点を置いたものがあります。日曜日に自分の発表が終わってお昼ご飯を食べた後で、David UngarとGilad Brachaがその部屋でだべっているのを見たので私もそっと入ってみました。 Kim Bruceが「FOOL 20周年について語る」というキーノートを始めるところでした。歴史物を聞くのは好きなのでなかなか楽しい話でした。質疑応答の時間になって、Daveが期待を
14年来の同僚で友人であるAndreas Raabが40代半ばの若さにして亡くなってしまいました。すばらしい切れ味の頭脳を持ち、コードを書かせても間違いなく一級品、それだけではなくプロジェクトの統括もし、人々のグループをまとめてることもできる人でした(Alan KayやDavid Smithが「これまであったことのある奴らの中でも3本の指に入る」というだけのプログラマだったのです)。 彼と私との交流が生まれたきっかけはSqueakというソフトウェアプロジェクトでした。彼は1997年のMagdeburg大学在学中にSqueakの仮想機械をWindowsに移植したのですが、彼はそこでのやりとりを通じてAlan Kayを中心とするコアグループの人々に強い印象を与えたのです。Alanにしてみれば「もう連れてくるしかない」ということで、彼は博士号を取得後すぐに採用されてカリフォルニアに移り住み、あっ
$1、およびその発展(?)であるProtractorや$Nというのは、http://depts.washington.edu/aimgroup/proj/dollar/ にある百行くらいで書かれたジェスチャー認識のアルゴリズムです。ちょっとした勉強のために、これらをSqueak Smalltalkで実装してみました。 http://ss3.gemstone.com/ss/Dollar1.html $1はまさにシンプルで、すばらしい発明によくある「なんだ、これだったら俺でも発明できたよ」感を与えるものです。Protractorはいちおう発展のはずで、$1より速いのは確かですが、アルゴリズムは少し複雑になっているのが珠に傷ではあります。論文とサンプルコードにも怪しいところがありますし。でもいちおう話はわかったので、ちょいと改良して使っていくかもしれません。 ちなみに、この分野の嚆矢であるRan
Computer History Museumで行われたイベントに参加してきました。もともとはプログラムに書かれていたように、ChuckとMary LouとAlanによるパネルだけが予定されていたのだけど、聞くところによるとAlanが「ちょっとだけ歴史的文脈を説明したいから」と言って、ちょっとだけの講演が入った、といういきさつである。が、案の定予定されていた90分のうち70分くらい話をしたという成り行きではありました。もちろん、パネルは発散するだけで90分も普通は持たないし、Alanの立てるストーリーにはかなうわけないので、こちらのほうが成功だったと思う。が、主催者側は時計をたたいて見せたりあとでいやみを言ったりという場面はあったが。 講演の内容は、50年代から60年代後半にいたるコンピュータハードウェアとソフトウェアの系譜をエピソードたっぷりに述べたものであった。機会があればまた書きます
Factorというプログラミング言語をやっている人々のグループが来訪。 http://www.factorcode.org/ 一時山宮さんをはじめはてな近辺でconcatenative言語が話題になっていたがFactorはそのような言語の一実装である。が、最適化コンパイラだけではなく、後戻りできるデバッガやヘルプビューワやインスペクタやらもちゃんと全部書いて世の中の人が使えるようにしているというシステムである。 まあスタック言語で本当にやりたいのか?という疑問はあるわけだが、それはともかく中心になっているSlava Pestovは14歳のときにjEdit(日本のやつじゃなくてhttp://www.jedit.org/のほう)を作って3百万ダウンロードされるようなソフトにし、5年前からFactorを作ってここまで持ってきたという人である。話していても、SmalltalkやLispについてもと
Fred Brooksが朝一の招待講演。75歳ではないかと思うのだが、とても元気。彼はソフトウェアに限らず相当にいろいろな部門のデザインやプロジェクト管理をしてきているのである。Conceptual Integrityが必要ということで、プロジェクトが大きくなっても、Chief Architectがいてその補助がいて、UIのデザイナーが一人別にいるというような形で、システム全体の意思決定をできる人がいるようにしておいたほうが良い(が、質問にもあったように、コミティーによってデザインされたソフトウェアがたくさん成功していながらも憎まれているという例を挙げていたわけで、成功するということが目標であれば別にコミティーでデザインしてもよいのではないかという疑問は残るわけである)。伽藍とバザールでも、疎結合のそれぞれの部品の中にはConceptual Integrityがある。また成功しているバザー
先日Saulから聞いた話だが、John von Neumannは死ぬときに一つの箱を娘に託し、「死後50年経ったら開けるように」と言い残したそうである。その50年目というのは実は来月なのだが、その箱を(娘さんから)託されたGeorge Dysonは、箱の中身を改めて、人類の進歩にとって役に立ちそうな話を公開してくれるらしい(SaulはGeorgeの友人だそうだ)。私的な話も入っているかもしれないが、それはまあ出さないようにするらしい。なにしろvon Neumannだから、今の人も気が付いていなかったようなすごい発見をすでにしていたとか、アイディアをまとめつつある予稿が出てくるとか、そういう話を期待してしまう。 http://tomecat.com/madtimes/index.php/2007/01/31/george-dyson-on-john-von-neumann/ が、あのStep
以下は昨日のNicholasの講演から。メモに書ききれなかったことは今日になってつないでいるのだが、聞きなれたAlanの講演に比べるとさらに再現性は低い。以下の部分で「私」はNicholasをさすが、丸カッコ内は大島のコメントである。 講演のタイトルは"Eliminating Poverty by Learning Learning"であるが、Poverty(貧困)のところにはどんな大きな問題が来ても良いと思う。「戦争」とかでも良いが、問題解決の基本のところには常に教育が含まれている。 Media Labは長いこと存在しているが、在籍していた学生もめったに私を見ることがなかったかもしれない。それでもCharie's AngelsがCharlieが誰か知らなくても良いように、摩擦や抵抗なく研究のできる環境を作るのがMedia Lab時代の20年の私の仕事だった。その後、MIT Media L
MI-506をいじっていたころから名前は伺っていたが、今日始めて直接お目にかかることができた。B1マシーンをちょっとだけ一緒に分解したり。 (ちょっとだけ追記しました。その他1/25のあたりも見てみてください。) "Can programming be reinvented?"というタイトルでの発表。東工大と東大で似たような発表をしたのだが、ストーリーラインが比較的新しいため、先にやった東工大での発表には反省点がいろいろあり、それが東大での発表に生かされた形になったのは否めない、かもしれない。以下は、かなり再現性の低いメモ。詳細はさらに聞いてください。「私」はもちろんAlan Kayを指します。 近所の人から、「なんで新しいコンピュータのほうがWindowsの起動やMS Wordの起動が遅いの?」、「大きいディスクがついているはずなのに、なぜ使える容量が少なくなるの?」、「アップデートをし
(ちょっとだけ追記しました。その他1/25のあたりも見てみてください。) "Can programming be reinvented?"というタイトルでの発表。東工大と東大で似たような発表をしたのだが、ストーリーラインが比較的新しいため、先にやった東工大での発表には反省点がいろいろあり、それが東大での発表に生かされた形になったのは否めない、かもしれない。以下は、かなり再現性の低いメモ。詳細はさらに聞いてください。「私」はもちろんAlan Kayを指します。 近所の人から、「なんで新しいコンピュータのほうがWindowsの起動やMS Wordの起動が遅いの?」、「大きいディスクがついているはずなのに、なぜ使える容量が少なくなるの?」、「アップデートをしたら、何で再起動しなくてはいけないの?」という質問をされる。なかなか良い質問である。 私自身も、コンピュータに関する疑問がある。「なぜ、コン
興味があってRubyのリファレンスマニュアル(http://www.ruby-lang.org/ja/man/?cmd=view;name=%A5%AA%A5%D6%A5%B8%A5%A7%A5%AF%A5%C8) を読んでいます。が、これはあんまりまじめにメインテナンスされていないように見えるのですが、プロのRuby使いは本なり何なりを買って、このドキュメントの前のほうはあんまり読まないということになっているのでしょうか? ちなみに、僕が一番興味を持っているのは擬似BNF(http://www.ruby-lang.org/ja/man/?cmd=view;name=%B5%BF%BB%F7BNF%A4%CB%A4%E8%A4%EBRuby%A4%CE%CA%B8%CB%A1)の新しいものなのですが、sample/exyacc.rbというものを使うのが一番の近道なのでしょうか?識者の方教え
スクイーク、Squeak, Squeak eToys, EToysなどなどいろいろな呼び方で呼ばれているEToysであるが、それを使っている人は、Alanが先月末に書いたhttp://squeakland.org/pipermail/squeakland/2006-October/003335.htmlはまさに一読の価値あり。特に、「ピアノを教室に置いたら子供達はchopsticks culture"(て何だ?)を生み出すだろうが、決して鍵盤楽器をちゃんと弾けるようにはならない。しかし、どんな子供に対してもピアノを教えることはできる。同じように、数学的に面白い概念を子供が発見することはないが、教えることはできる」というところ、そして「世界のあちこちでEtoysを使っているところでは、"creativity"とか"discovery learning"とか"free exploration"
VMのコンパイルをしたりサウンドのテストをしたり。ことなる機械間でのファイルの移動が含まれるのだが、スニーカーネットでやるのが一番速いのだよな。そういうところに安住しがちなのが私の悪いところではあるが。 実は知らなかったのだが、SqueakのUnix用VMは最後に開いたディレクトリをopendirしたままにしておくのだった。Ianは普通はsqueak-devへのめーるにはなかなか返事をしてくれないのだが、OLPC用のVMに関してはよく面倒を見ていてくれている。 http://lists.squeakfoundation.org/pipermail/squeak-dev/2006-October/110013.html むちゃくちゃ遅まきですが、StrongtalkのVMがオープンソースになったということについて。SunのJavaは、言語としては一気に人気が出たものの、とてつもなくしょぼいV
むちゃくちゃ遅まきですが、StrongtalkのVMがオープンソースになったということについて。SunのJavaは、言語としては一気に人気が出たものの、とてつもなくしょぼいVMが使われていたころがありました。その時は、さまざまなSmalltalk VM作成経験のある人がSunに行って異なるJava VMを作っていた時代でもありました。今VMWareにいる(はずの)Ole AgesenもExact VMというものを作っていましたが、本命はAnimorphicという会社が買収されて(主に)そのメンバーでHotSpot VMだったわけです。AnimorphicはStrongtalkという処理系を作っていましたが、Strongtalkは今GoogleのCTOをやっているUrs HölzleがSelf VMでやっていた型フィードバックを使ったコンパイラを受け継いだものでもありました。HotSpotは
(ちなみに、昨日のところに「その2」というやつを書き足しました。) 今年のWikimaniaの参加者は480人くらいで、100ヵ国以上と言っていたような気がするのだが、人数のほうはともかく、国の数のほうは本当かね? Mitch KaporはLotus 123を作った人。disc jockeyをしたり、瞑想の師匠をしたりもした。...という話があったのだが、BlogよりもWikiのほうがより対話的で、同等の他者を仮定して書くようになるからよい、というような話から、その後は政治の話にどんどん移ってしまい、質疑も政治談議みたいになってしまっていた。 小部会での発表は、proxyでwikipediaの内容をダウンコンバートし、PDAなどで表示しやすくした、という話などもあったが、まあぱっとせず。他にはAdam Curry問題、Swiftboat問題、Siegenthaler問題などで、嵐のような編
なぜか朝から得意の交渉術を発揮する羽目になってしまった。まあ怪しげな方法でレジストレーションしたことの余波であるが。 Jimbo Walesの話は、主に財団の組織的な話。弁護士さん(Brad Patrick)が一時的CEOとして入っていて、組織作りを良くやっている。5人のフルタイムがいる。政治討論用のCampaign Wikia、Wiktionaryの新しいインフラ(?)WiktionaryZ、大学用のマテリアルWikiversity、そしてSocialtextという会社のwikiwygをとりこむことなどのアナウンスがなされたが、なによりOLPCにMediaWikiが乗る、ということがみそではあるな。http://wiki.laptop.orgがMediaWikiなのでまあ本命だったわけだが、某Wiki engineを当て馬にしておくところがさすがOLPCだ。 英語版は百万記事を超えていて
先週行われたSqueakFestにおけるSeymour Papertの講演について、公約してしまったので要旨をまとめます。メモから一気に起こしただけなので、またミスなど多数あるかも。 Seymourの講演。Alanとはもう40年近くの付き合いになる。最初に子供のためにコンピュータを使うと言い出したときは、millionaireの子供だけのものとなるのでは、と言われたが、もちろんそのときからいずれ万人のものになることは時間の問題であるということは分かっていたわけである。 かえるを水の中に入れて、ゆっくり熱するとかえるは機会を逃して死んでしまう。コンピュータを学校にゆっくり導入しようとしても、生体が異物に対して防御システムを発動するように、コンピュータによる変化に抵抗してしまう。今あるものが「普通」だと思うと変化が起こせない。 常に「コンピュータをどうやって取り入れていくか(how to in
京都側はお休みではないのだが、今日はそれぞれローカルでやった。Javaの遅延評価処理系LazyJ (http://www.cs.ucla.edu/~awarth/lazyj/)を作ったAlexは、"look like"できれいに書いた論理回路シミュレーションをSqueak eToysで作ってデモしてくれた。 Alanがその後がんがん話をした。面白かったね。Alanはプリンストンの数学科に行くことも考えていたそうな。John McCarthyもMinskyもプリンストンの数学科だったこともあり。もちろんファインマンもプリンストンだった。Feynmanの「ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)」あるように、学生は授業はいくら休んでも良いが、週何回かあるお茶会には絶対に出なくてはならない。Marvinによれば、これはあくまでも大学院生のためであり、偉い先生達(super ach
Alanが半分(というのはつまり70%くらいということになってしまうわけだが)、京都側で喜多先生が半分、という時間配分だった。 Alanの話はUCLA側の生徒に出されていたエッセイの課題に関する講評からはじまり、前回の続きである。 Julia Nishijima先生による小学校1年生のクラスを参観する機会があった。Alan自身はまったく関与せずにカリキュラムが組まれていた。Nishijima先生自身は微積分学(calculus)のコースなどは取ったこともなく、微積分学の定義などは知らなかったはずだが、天性の数学者として直感的にそれを理解していたように見えた。教室は数字を表す複数のもの(長さとか矢印とか物とか)がいろいろ飾られていて、数のさまざまな表現法が示されていた。 Alanが見ていたのは、ダイヤモンド型(平行四辺形)や台形や正方形の小さなコマをたくさん使って、次に大きい相似形を順々に作
京都テキストラボでのコンピューティング史に関するエッセイ第7号が公開されています。 kyototextlab.org 京都テキストラボでの連載第三回が公開されました。 kyototextlab.org コンピューティング史見聞録(2) 京都テキストラボでの連載第二回が公開されました。 kyototextlab.org 「奇人の天才教授」ノーバート・ウィーナーの人となりと、彼が中心となったサイバネティクスと心理学との関わりについて触れています。 京都テキストラボという会社の情報ページで、月刊の連載をすることになりました。コンピューター・サイエンスに関わるテーマでということだったので、個人的に興味を持っているコンピューティング歴史について書くことにしました。 私は幸運にも教科書に名前が出てくるような人々をはじめ、いろいろな人と知り合いになることができたので、そのような経験も踏まえて、技術的な内
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『squeakerのブログ』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く