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大谷翔平
theseus.hatenablog.com
今日は雨模様だし、研究室で作業していても、最近は外でやっているテニスの音がうるさくてストレスが溜まるので、おうちで作業することにした。なぜ何も無いのではなく、校舎の目の前にテニスコートがあるのか。 午前はデカルトに苦闘。午後は読みたい本でも読もうと、ジョスラン・ブノワの『対象なき表象:現象学と分析哲学の起源』の序論をちょっと読んだ。 原題は、 Jocelyn Benoist, Représentations sans objet: Aux origines de la phénomenologie et de la philosophie analytique, Paris: Presses Universitaires de France, 2001 フランス留学時に購入し、いつか読もうとそのまま積んでいた本の一つである。もう15年前の本になるし、専門家にとっては常識であろうから、今更紹
哲学史の哲学、哲学史の方法論について、自分なりに考えてみたい。まだ十分に考えを練っているわけではなく、まだ模索段階であるし、断続的にならざるをえないであろうが、ご容赦願いたい。私もまだ哲学史研究者の駆け出しのペーペーにすぎない。しかし哲学史研究者のハシクレとして、「哲学史」そのものについて多少とも考える時間をつくるべきだろう。 「哲学史」といっても、分野ごとのたこつぼ的状態になっていると思われるので、およそ哲学史の一般的方法論なんてものを模索するのは単なる夢物語かもしれない。たとえば体系的著作のあるカントにはカントの業界の流儀があり、体系的著作のないライプニッツにはライプニッツの業界の作法があろう。よくある他分野批判は、一方のモノサシで他方を測ることでなされるが、他方について無知である場合、生産性のまったくない不毛な議論になりかねない。余計な喧噪にはかまわず自分の分野に閉じ籠もって専門性を
最近、また毎朝6時に起きて、NHK-FMの「古楽の楽しみ」を聴くのが、一日のはじまりの日課となった。 昔、都内の予備校に通うべく朝早く起きるために、たまたま目覚まし代わりにラジオ番組「朝のバロック」を聴きはじめた。これが、バロック音楽に関心を持ちはじめたきっかけである。その後、同時間帯の番組はタイトルが「バロックの森」に変わったが、しばしば聴いていた。 それまで、バロック音楽をはじめとして、現代的な楽器編成によるクラシックの演奏に慣れ親しんでいた自分にとっては、音楽の歴史的時代背景やコンテキストに可能な限り忠実に演奏しようとする古楽の演奏は、極めて新鮮なものがあった。それは新たな発見であり、新奇だが音楽的な魅力がイマイチよくわからない現代音楽よりも、現代的であった。 金澤正剛は『古楽のすすめ』に次のように書いている。 「古楽と現代の音楽では、いろいろな点で根本的に異なることが数多くある。過
表題について、手始めに、ゴクレニウスの『哲学辞典』Lexicon Philosophicum(1613)における「数学の術・数学」"Mathematicae Artes. Mathemata"の項を参照してみる。どう効いているのかはまだ不明だが、数学をして、"scientia"ではなく"ars"「術」としている点が印象的だ。 ゴクレニウスは、「数学」(Mathemata)は3つの仕方で理解されているという。まず、(1)一般的には、学問・学識・教えとしての「数学」。次に、(2)特殊には幾何学や算術[数論]として、少年たちが第一段階において学ぶ学問のように、ここから着手されるものとしての「数学」。そして、(3)算術や幾何学だけでなく、天文学、光学、音楽、機械学などとしての数学」。 (3)の意義は、数学には算術や幾何学という純粋(pura)数学と、残りの学を含む不純すなわち混合(mixta)数学
先日発売された、G.W.ライプニッツ『形而上学叙説 ライプニッツーアルノー往復書簡』(平凡社ライブラリー、2013年8月)の解説部分を読みました。 形而上学叙説 ライプニッツ−アルノー往復書簡 (平凡社ライブラリー ら 7-1) 作者: G.W.ライプニッツ,橋本由美子,秋保亘,大矢宗太朗出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2013/08/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 全体として、『叙説』を超えた『書簡』の意義もわかり、ドゥルーズのライプニッツ解釈を踏まえて、『モナドロジー』や『デ・ボス宛書簡』への広がりも見通せる、すばらしい解説でした。一点、問題をあげるとすれば、『叙説』から『モナドロジー』への発展に関して非連続性があるとするフィシャンの研究がある中で、旧来のように、安易に個体的実体とモナドを結びつける解説には、少し問題があると感じました。解説を読むかぎり
ヘルマン・コーエン『無限小の方法の原理とその歴史』(Hermann Cohen, Das Prinzip der Infinitesimal-Methode und seine Geschichte, Berlin, 1883)の目次を訳してみました。参照したのは、Georg Olmsによるリプリント版です。ご覧のように、興味深い項目がずらりと並んでいます。現代からみても、数学と哲学の歴史を知る上で、すぐれた洞察が伺えます。目次くらい、すぐにできるかと思いましたが、やってみると意外と時間がかかるものですね・・・。 まったくの門外漢ですが、コーエンについてごく簡単に紹介します。すごく適当ですので、間違えていたらごめんなさい。ヘルマン・コーエン(1842-1918)は、新カント派を代表するドイツのユダヤ人哲学者。新カント派は、カントから出発しつつも思弁的な方向に脱線していったドイツ観念論の流れ
Agone *ジャック・ブーヴレスの本がここから出版されていたので知りました。 Albert Blanchard *数学,自然科学,科学哲学,数学の哲学系。すばらしい。 Armand Colin *Revue de Métaphysique et de Moraleはここ。Vocation philosopheという,試験対策用の,テーマ別教科書のシリーズがなかなか良い印象。 Aubier Montaigne *1925創業の老舗も,現在はFlammarion傘下。哲学史系ではお世話になるはず。合併後に出たAubier Philosophieのシリーズ,分厚いので,糸綴じにしてくれませんかね。前の版は糸綴じだったのに。 Les Belles Lettres *西洋古典叢書。フランスのLoeb。哲学者ごとにその思想と生い立ちを紹介する,Figures du Savoirというシリーズも注目。
先日のパスカル・シンポでは,とりわけ三浦先生のパスカル「幾何学序論」にかんする発表に刺激を受けた.エウクレイデス『原論』およびその系譜の数学史の専門家の観点から,パスカルの「幾何学序論」の重要性をみごとに解析していた.発表原稿には,「幾何学序論」の翻訳もついていた. パスカルの「幾何学序論」は,パスカルの遺稿の一つであるが,残されているのはライプニッツが筆写したもののみであって,ライプニッツ研究の観点からも,非常に重要な作品である.すでに以前からその存在を知っていたし,いずれ研究しようと思ってDescotes版のGéometries de Port-Royalなども入手していたが,なかなか手をつけられずにいて,すっかり失念していた.その意味でも,改めて課題を思い出す,良いきっかけとなった. そこで,パスカル「幾何学序論」をはじめ,ロベルヴァルやアルノーなど,当時の幾何学の導入がどのようにな
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