放射線治療計画ガイドラインの目的 わが国での悪性新生物の死亡数は2000年には295,484人であり、全死亡の30.7%を占め死因の第1位となっている。悪性新生物の死亡率は年々増加し続けており、国民の保健衛生上重大な問題となっている。このような現状の中で各臓器別に癌治療のガイドラインがいくつかの関連学会により作成されている。放射線治療は癌治療の大きな柱のひとつであるにもかかわらず、必ずしもこれらのガイドラインに十分な放射線治療の記載がなされているとは言いがたい。最近の放射線治療の進歩は目覚しいものがあり、明確な放射線治療計画の指針を示し、それに従って診療を進めていくことが今求められている。 現在、ガイドライン作成に当たっては、国際的に標準的な方法とされている「根拠に基づいた医療 Evidence-based Medicine」の手順に則って作成することが基本原則とされている。すなわち、