町境である一本の川を挟んで〝朝9時から夕方5時まで″規則正しく戦争をしている二つの町。 川の向こうの町をよく知るひとはいない。だけど、とてもコワイらしい。津平町に暮らす真面目な兵隊・露木がある日突然言い渡されたのは、音楽隊への人事異動?!そんな中、偶然向こう岸から聞こえる音楽と出会い、その音色に心を惹かれていく…。一方、町ではある噂が広がっていて——。 川の向こうには何があるのだろう?〝わからないもの″を恐れる人々の一風変わった暮らしの中は、戦争・権力・男女・身体…どこにでもある、人類の絶えない悩みで溢れている。いつの時代でもない架空の町の小さな社会と、わたしたちの日常が地続きにあることを映し出す。数々の話題作を抑え、第21回東京フィルメックスで日本人監督作品としては初となる審査員特別賞に輝いた。 長編 第2作『山守クリップ工場の辺り』(13)がロッテルダム国際映画祭、バンクーバー国際映画