卒業後、海外の大学へと進学する高校生たち。正式な統計はないのだが、一説にはその数は年間2,000名を超えるという。しかし、帰国子女や都市部の特定の学校の卒業生に偏っているのが現状だ。もっと多くの高校生に「海外進学」という選択肢を知ってほしい。そんな思いで情報発信を続けるのが、向井彩野さんだ。自身も、国内の高校を卒業後、アメリカのハーバード大学へ進学した。 向井さんが海外の大学を意識したのは、中学2年生の頃。全国から選ばれた中学生が、ノーベル賞受賞者などから7日間みっちり学ぶというプログラムに参加した時だった。最終日に、主催者が閉会の言葉を言い終えて、部屋を出る直前。いきなり振り返って中学生たちに叫んだ。 東大はだめだ、世界に行け! 「中学2年生ながら生意気にも、成績が良かった私は『東大に行くことになるんだろうな』と思っていました。この発言の善し悪しは別として、これまで私は世界地図を至近距離