子宮頸癌はギリシャの昔からビーナス病などと呼ばれ、性交経験のない修道女や尼さんには決して発生しないが、娼婦や放蕩主人を持つ婦人には多く、性行為とかなり関連深い癌とされてはいた。ところが、1983年に、悪性型HPVの16型が、子宮頸癌の90%にも検出されることが証明された。HPVの6型、11型感染である尖形コンジロームが性感染症であるように、HPV16型、18型などの感染である子宮頸癌も“腫瘍型の性感染症”となったのである。 癌が性感染症から創られるという、この研究は、医学的な大発見といってよい。 その発見以来、簡単に操作できるHPV検出キットも次々と開発されたことで、HPVの一般人口内の隠れた大流行の存在が認知され、また、それと子宮頸癌発生との関連性についても、驚くような事実が次々と明らかになって来ている。 そして、子宮頸癌はかつてのように性的な歓楽街との関連ばかりでなく、今や、一般の