感性工学 ―感性をデザインに活かすテクノロジー― 長町三生 著 四六・148頁・定価(本体1,200円+税) ISBN4-303-71320-1 感性工学とは、人間の感性やイメージを物理的なデザイン要素に翻訳して、感性に合った商品を設計するテクノロジーである。たとえば、「広々とした洋間」という感性を実現するために、「広々とした」とは何かを分析して、その結果から洋間の床面積、天井の高さ、窓の総面積などのほか、この感性に関係する天井の色、壁の色、床の色、カーテンの色などを求める。得られたデータに基づいてデザインすれば、「広々とした」感じを与える洋間が実現する。 衣食足りた時代になって、人は商品に質を求めるようになった。満腹すればよいのではなく、美味しいものを要求し、また美味しいものや美しいものに金をおしまなくなってきた。それほど質の高い“モノ”を求め、感性に合うモノを人は迫い求めて