前回のおさらい 学術タームとしての『上昇婚(Hypergamy)』は、「男尊女卑、かつ厳格な身分社会における、カースト外婚」、つまり玉の輿のことを指す。 『上昇婚』を紹介し、バズワード化させた山田昌弘氏の定義によれば、日本における上昇婚とは、「性役割分担制度の残る、かつ階級社会としての側面を持つ社会において、女性が生まれた家の家長より学歴・収入等を上回る男性との結婚を望む」現象である。 上昇婚志向=「階級間上昇を望む傾向」が実在するとして、本邦において婚姻行動のインセンティブとして作用していたのは、高度経済成長のごく限られた期間に限られる。 www.masshirona.red それでは今回の話。 日本は同類婚社会である 「上昇婚」と同時期にインターネットで流行りはじめたタームとして、「パワーカップル」「ウィークカップル」がある。これらの言説は、おそらく「夫婦格差社会」に拠る。*1 夫婦格