「一応質問が終わったのですが、あまりにも時間が余っているので」と前置きして、自民党の谷川弥一(たにがわ・やいち)議員(長崎3区)は「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時……」と般若心経(はんにゃしんぎょう)を唱え始めた。 11月30日開かれた衆議院内閣委員会。カジノ解禁法案の審議が始まり最初に立った谷川議員は、40分の質問時間をもて余した。賛成の立場だが、聞くことがなくなり、やわらお経。それでも時間が余り、次は漱石を引き合いに出し、「心を耕す仕事は何かといったら、文学であり、彫刻であり、陶芸であり、三味線であり、宗教なんです」。あまりのお粗末さが失笑を買った。 ◆背後に国際カジノ資本のロビー活動 2日後、カジノ法案は強行採決され、参議院に送られた。衆議院での審議時間5時間33分。法案は、刑法が禁止する賭博を、特定業者に違法ではなくする「特別な計らい」を可能にするものだ。闇の勢力の介在、マネーロンダ