9年間、植物を育てることに夢中だった庭は、半日陰と呼ばれる環境でした。 午前中は陽が当たるけれども、午後には日陰になる。だから強すぎる陽射しから葉を守ることもできたし、水遣りだって毎日することもなかった(夏以外は)。 ギボウシの葉を日焼けさせることなく保つには最高の場所だったわけで、ギボウシコレクションにいつでも路線変更できるほどでした。 逆に、太陽が大好きな花にとっては可哀想で、日照不足から蕾を少ししか付けなかったし、全体的に徒長してぐねぐねと地を這ってしまったり、ひっそりと姿を消してしまうものもたくさんありました。 わあっ、と花を咲かせた華やかな庭にはならないため、強い光が苦手な山野草と呼ばれるジャンルの植物を、徐々に庭に増やしてゆきました。 築古の終の棲家は、高台だったところに惹かれました。樹木1本生えていない、ただただ1日中陽当たりのよい土地。空が近く感じられて、気持ちのよい風が吹