『アバター』3Dは、もはや普通の映画映像ではなく、例えば万博パビリオンで好奇心旺盛な来場者が初めて眼にするような革新的映像だ。上映開始直後、<憑依人体・アバター>の視界を通じて、未知の星・パンドラの森にまるごと没入して僕はそう思った。 まったくの私事だが、僕は業務として某博覧会の映像製作に携わっていた時期がある。結構前の話になってしまうが、その時点で、3D映像のテクノロジーと可能性を検証し、裸眼立体映像やヘッドマウントディスプレイによるMR(Mixed Reality)、全天周360度スクリーンなど、ハード・テクノロジーを通じて、どのような3Dコンテンツ表現が実現できるかを試行錯誤し、製作に従事するスタッフのひとりだった。 2009年12月22日の先行上映で『アバター』を、109シネマズ川崎のIMAX3Dで観てきたのだが、映像表現だけで、このレベルまで3D映像をプレゼンテーションする、ジェ