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都知事選
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二・二六事件の背景 あれは小学校四年生頃のことだったと思うけれども、二月の二六日の夜、父が遅く帰ってきた。家族は夕食を済ませて、皆で炬燵にあたっていた。 「どうしたの? 学校で何かあった?」 と母が尋ねたのは、父が変に暗い顔をしていたからだった。父は松本市の小学校に勤める教員だったから、母は学校に何か事故でもあったのではないかと想像したようだった。 「いや」と否定してから、父は暗澹たる表情のままで独語するように言った、「東京で革命が起こったらしいな」 ・・・・史実によれば、この日の早暁、皇道派の将校に率いられた数百の兵士が首相官邸を始め、陸軍および政界トップの邸宅を襲撃し、首都を麻痺状態におとしいれていたのだった。午後になって、その情報が父の勤務する小学校にも流れてきたから教員らは騒然となり、続報を求めて一同はその時刻まで学校に残っていたのであった。だが、その後、新しい情報は得られず、今夜
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(初秋の畑) <安吾の謎> 久しぶりに坂口安吾全集を取り出して、少しずつ読み進めている。今回読了したのは、次の三作品だった。私は坂口安吾のファンなのだが、彼の薬物依存とファルス(笑劇)系作品の二つは、どうも安吾に相応しくないと引っかかっているのだ。 「精神病覚え書」 「わが精神の周囲」 「小さな山羊の記録」 坂口安吾は、昭和23、24年頃、年齢で言えば42、3歳頃に精神に異常を来して東大病院の精神科に入院している。だが、安吾が鬱病に取り付かれ、狂気を思わせる行動に出たのは、この時が最初なのではない。夏目漱石は生涯に三度、重篤な鬱状態になったとされるけれども、安吾も死ぬまでに三度の鬱状態に陥っているのである。 安吾自身の語るところによれば、最初の鬱症状は21歳の頃、神経衰弱という形で出現したという。この時に彼は耳が聞こえなくなり、筋肉が弛緩して野球のボールを10メートルとは投げられなくなった
(和美) <死刑囚と結婚する女(その2)> 東京地裁で開かれた第一回公判における永山則夫の態度は、ひどく横柄だった。裁判長が、「被告人、何か述べたいことがあるか」と質問すると、則夫は傲然と、こう反問した。 「あんた、俺のような男をどう思う?」 裁判長が戸惑って、「どう思うって?」と聞き返すと、則夫は、「四人も殺して、ここに立っているこの男のことだ。あんたに個人として聞きたい」と押し返して返答を求めるのである。20になるか、ならぬかの若者が、年配の裁判長に向かって小馬鹿にしたような口をきく。 「俺のような男が、こうしてここにいるのは、何もかも貧乏だったからだ。俺はそのことが憎い。憎いからやったんだ」 法廷の傍聴人や裁判官を驚かしたのは、彼が犯罪に関する英文の論文集の一節を読み上げて、自身の行動を正当化したことだった。ろくに中学校も出ていない男が、大学生も顔負けの語学力を見せたのである。だが、
三島由紀夫 VS.司馬遼太郎(その2) 松本健一による「三島由紀夫と司馬遼太郎」という論考には、毎日新聞に掲載されたという司馬遼太郎の寄稿文がすべて引用されていない。書き出しの部分を紹介しただけで、後を省略し、その代わりに、司馬遼太郎の文が与える印象について語っている。その筆致には、三島への嫌悪が感じられるというのである。 <つまり、あまり書く気がおこ らない、といいながら、三島の異常な 死にかた自体が「精神異常者が異常を 発し」たものであり、三島の死さえもが 「薄よごれた」ものであると読めるよう に書かれている(松本健一)> 松本は、司馬遼太郎が三島由紀夫に反感を抱く理由として、司馬の従軍体験をあげている。松本によれば、司馬遼太郎は太平洋戦争末期に戦車部隊の小隊長として、軍上層部がいかに愚劣で非人間的だったかを身をもって体験したため、軍隊を礼賛する三島に怒りを禁じ得なかったというのだ。
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