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衆院選
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「それじゃあ、おとうさん。また来るね」 未央はそう言って、老人の住む家から出た。未央が訪問介護を始めたのは、二ヶ月前からだった。夫が上海へ単身赴任してから一年になろうとしている。夫がいない解放感を味わっていた未央だが、在宅老人のヘルパーとして参加することにしたのだ。 「あしたの夕飯は、何を作ろうかな」 帰りの電車に揺られながらいつもそんなことを未央は考えていた。 自分が介護をしている久二雄は、71歳で寝たきりではないが自己生活能力に欠けていた。 最初の一月は先輩ヘルパーの手伝いだったが、介護が必要な老人の多さに、一人で任される様になっていた。 未央がなんとか勤まっているのは、幼い頃に亡くなった祖父の姿を久二雄にだぶらせているところが大きかった。 「おとうさん!今日の夕食はおとうさんの好きな肉ジャガですよ」 未央は部屋の中にあがり腕まくりをすると、昨日干して置いた洗濯物を取り込んだ。 手際良
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