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大谷翔平
www.afcp.jp
本当はこの記事のタイトルはカテゴリーとディメンジョンにしたかったのですが、純粋にアクセス数を稼ぐために、上記のタイトルとなってしまいました。先に謝っておきます、ごめんなさい。 それはさておき、昨日ここから始まる連続ツイートをさせていただいたのですが、長くなり読みにくくなってしまったので、若干補いながらブログエントリにまとめようと思います。 流れていくツイートを見ていると思うこと。一つ一つのいわゆる障害特性は小さく、誰にでもあるように見えても、同じ特性が高い頻度、程度で生活に影響したり、複数の特性が重複したりすると、その様相が変わって困り方にも相加、相乗効果が出てくる。— afcp (@afcp_01) 2018年5月5日 そもそもスペクトラムとは 発達障害児者支援の周辺では、連続体、一続きであることを意味する「スペクトラム」という用語がよく使われます。自閉症スペクトラム障害、自閉スペクトラ
この年末になって、今年一度もブログに記事を投稿していないことに気づいて、慌てて記事を書いています。年末年始に読んでいただくにはあまりふさわしくない内容になってしまいましたが、ご容赦いただければと思います。よい気分のまま新年を迎えたい方には、年明けにお読みいただくことをお勧めしたいところです。 冷淡で非情緒的 (Callous unemotional) な子ども達 このエントリをまとめる一つのきっかけとなったのは、年末に American Journal of Psychiatry (AJP) というアメリカの精神医学会の機関紙に掲載された下記の論文です。 The Neurodevelopmental Basis of Early Childhood Disruptive Behavior: Irritable and Callous Phenotypes as Exemplars あえて日
ツイッターに下記の二つのツイートをしたところ思った以上の反響がありました。 このツイートにこんなに反響があるのはちょっと驚き。案外関心のある方が多いんですね。せっかくなので先日の精神神経学会でお話ししたときのシェーマを。自作のものですが、大づかみにはこういう理解でよいかと思ってます。 pic.twitter.com/Vn2X77FYNS— afcp (@afcp_01) June 13, 2016 二つ目のツイートのシェーマはこれまでの議論の歴史的経過を大雑把に示したつもりなのですが、なかなか議論も複雑なところなので、ブログの記事に起こしてみることにしました。 この記事を読む前に大事な注意事項を一つ。本当は自閉スペクトラム症も統合失調症のグループの障害も、歴史的には細かく細分化され、ここで紹介している研究もそれぞれ扱っている対象が少しづつ異なっているのですが、読者の方の混乱を避けるために、
なかなか衝撃的……なはずなんだけど、あまり違和感のない論文。大人のADHDの大半は子どもの頃ADHDではなかった、と。続報待ち、だがたぶんそうなんじゃないかな。Dunedin のコホート研究から。AJP。 / “Is Adult …” http://t.co/v6Js6KZ4vC— afcp (@afcp_01) 2015, 5月 24 このツイートに対する反響が思ったより大きかったので、ちょっと記事にまとめてみます。 そもそもこの研究は単独でなされたものではなく、大規模な追跡研究の一部として行われています。近年ではその科学的な堅牢性から横断面での研究や回顧的な研究よりも、特定の集団をずっとフォローしていく追跡研究(前向きコホート研究)が重視されるようになっており、各国で大規模な追跡研究が行われています。有名な子どもの大規模コホートとしては、ALSPAC (英国)や グレートスモーキーマウ
最近の動向 久々に心理職の国家資格化の件について大きな動きがありました。また国会への上程が視野に入るような状況になってきているようです。今回(?)の動きについて、ごくごく簡単にかいつまんで並べてみます。 平成23年10月2日 3団体(臨床心理職国家資格推進連絡協議会:22団体、医療心理師国家資格制度推進協議会:25団体、日本心理学諸学会連合:45団体)による要望書提出。 平成25年4月1日 日本心理研修センター開設 平成25年9月吉日 日本心理研修センター、国家資格化に係る『試験・登録機関』に指定されることを要望。 平成25年9月19日 精神科七者懇談会より『心理職の国家資格化に関する提言』。 平成26年4月21日 『心理職の国家資格化を推進する議員連盟』会長、衆議院議員河村建夫氏が、5月中の法案提出を目指す旨をFacebookページで公表。 大ざっぱにはこんなまとめでよいでしょうか。なん
子どもへの虐待によってどのくらいの社会的な損失があるのかということは、その対策にどの程度のコストをかけるべきかという政策的決断に不可欠なデータの一つです。自分の知る限り、日本にはこれを直接扱った研究がなかったのですが、平成25年12月7日付けの朝日新聞夕刊に虐待による社会的損失に関する記事があり、2012年度だけで1兆6千億円にのぼるという、驚くべき推計が報告されていました。 とても重要な記事だと思うのですが、ウェブ上には情報がまったく挙がっていないようなので、ここでご紹介させていただきます。 追記 今朝になってウェブ上に記事が挙がっていました。 子ども虐待、社会的損失は年1.6兆円 家庭総研まとめ (朝日新聞 Digital 2013年12月9日) 研究自体は子ども家庭総合研究所の和田一郎先生によるものです。2012年度の子ども虐待による損失を推測しています。この研究で社会的コストは、
DSM-5関連記事の第3弾です。今回は注意欠如多動性障害(ADHD)を取り上げてみたいと思います。以前草稿の段階で,下の様な記事を書きました。 DSM-5 DRAFTでの注意欠陥多動性障害の取り扱い 公開された版でどのようになっているか、確認してみました。 まず最大の変更点と言えるのは、分類カテゴリーの移動です。DSM-IV-TR ではADHDは、反抗挑戦性障害や行為障害とともに Disruptive Behavior Disorder (破壊的行動障害)という、なかなかなネーミングのカテゴリーに入っていました。これが DSM-5 では、自閉症スペクトラム障害などと同じ Neurodevelopmental Disorder (神経発達障害)というカテゴリーに入ることになり、日本の臨床家にとっては馴染みやすいところに落ち着いたと言えるでしょう。一方で Disruptive Behavior
DSM-5 公開版に基づく記事の第2弾です。ひょっとするとADHDなどを取り上げることを期待しておられた方がいるかもしれませんが、それはきっと誰かが書いてくれそうなので、先になかなか誰も触れてくれなさそうな部分をご紹介します。 以前、このブログで DSM-5における「V軸」の扱いー国際生活機能分類(ICF)への接近?ー という記事を公開しました。詳細はこの記事を見ていただくのがよいと思うのですが、多軸診断を採用していた DSM-IV では、機能の全体的評定として、第V軸を位置づけ、GAF (Global Assessment of Functioning)尺度が用いられていました。実はこのGAF尺度による評価は、日本でも診療報酬制度の中で重症度判定に用いられており、経営的な観点からも重視されるというちょっと奇妙な現象も生じていました。 今回のDSMの改訂にあたって、前記の記事のように多軸診
かねてから予告されていたスケジュール通り、アメリカ精神医学会によりまとめられた DSM-5 が公表されました。本屋さんの触れ込み通りなら、日本では世界に先駆けて、書籍版が発売されています。これはちょうど今日から 第109回日本精神神経学会学術総会 が開催されていますので、それにあわせて先行発売されたということのようです。 大部なので、暇をみておいおい読んでいきます。自分のお勉強もかねてちょっとずつ記事も書いてみようかと思っています。今日のところは、とりあえず自閉症スペクトラム障害に関するセクションを少し読みました。以下、簡単なまとめと雑感。 自閉症関連の診断基準改訂の見通しについては、 旧ブログの記事 で少しふれたことがありますが、おおむねその頃の草稿の方向が維持されています。 大きな変更点は 名称の変更(広汎性発達障害→自閉症スペクトラム) 下位分類の廃止 重症度分類の新設(支援の必要性
2011年7月に、自宅を訪ねてきた実姉を刺殺したとして、殺人罪に問われていた被告人に対して、2012年7月30日、大阪地裁の裁判員裁判で、検察側の求刑懲役16年に対して懲役20年の判決が言い渡されました。被告人は大阪地検での精神鑑定により、アスペルガー症候群であると診断されていました。 この判決については、新聞各紙でも大きく取り上げられ、また種々の団体が談話や声明を発表しています。ネット上でも大きな話題になりました。この判決に関連する論点はいくつかありますが、ここで整理を試みてみたいと思います。 自分の思いつく論点としては、下記のようなものがあります。 ①求刑以上の判決となった理由の適否 ②犯した罪に対する量刑の軽重 ③現在の「社会の受け皿」の評価 ④弁護の態勢、戦術 それぞれの論点は完全に切り離せるわけではありませんが、あまり混ぜてしまわない方がよいのではないかと感じています。 ①求刑以
日本コミュニケーション障害学会の学術誌、『コミュニケーション障害学』の2012年4月号に、高機能自閉症スペクトラム障害の子ども達を対象とした、テーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)を用いたコミュニケーション支援の、事例研究が掲載されています。 加藤,藤野,糸井,米田.(2012).高機能自閉症スペクトラム児の小集団におけるコミュニケーション支援-テーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)の有効性について-.コミュニケーション障害学.29(1),9-17 論文の著者のうちお二人は、明神下TRPG研究会のメンバーで、日頃から自閉症スペクトラム障害を持つ子どもの支援にTRPGを活用する取り組みをされています。非常に興味深い論文ですが、ウェブ上では論文の詳細が見られないので、少し内容をご紹介したいと思います。 そもそもTRPGとは何かということをご存じない読者もいらっしゃるかもしれ
2013年5月の刊行を目指して、アメリカ精神医学会により精神疾患の診断、統計のためのマニュアルである DSM-5 の開発作業が進められています。この中で機能評価に関わる部分も大きな改訂が行われるようです。 現行のDSM-IV-TRでは多軸評定と呼ばれる評価方法が導入され、以下の5つの軸から、多角的に評価を行うこととされています。 第 I 軸 臨床疾患、ないしは臨床的関与の対象となりうる他の状態。 第 II 軸 パーソナリティ障害および知的障害 第 III 軸 一般身体疾患 第 IV 軸 心理・社会的、および環境的障害 第 V 軸 機能の全体的評定 DSM-5では、この多軸評定の構造が大きく変わることになるようです。 Classification Issues Under Discussion| APA DSM-5 大ざっぱに言うと、I - III軸が統合され、IV 軸はICD -10 で採
非常に興味深いレポートが、アメリカのCDC(疾病予防管理センター)から公開されていました。 特別なヘルスケアニードを持つ学齢期の自閉症スペクトラム障害児童の診断歴と治療 Diagnostic History and Treatment of School-aged Children with Autism Spectrum Disorder and Special Health Care Needs アメリカの自閉症スペクトラム障害の現在の姿がよく見て取れる貴重な調査だと思います。これに対応するような日本の調査があると、すぐに比較できてよいのですが、これだけ包括的な調査は残念ながらすぐに思い当たりません。 このレポートは National Survey of Children with Special Health Care Needs (NS-CSHCN)という大規模な調査のデータを用い
lessorの日記 「子どもの精神科」が増えない理由 lessorさんの記事。児童精神科医ではない方にここまで理解していただけるとありがたいです。きょう先生も書籍に書かれた甲斐があったのではないかと思います。実際自分の勤務している医療機関でも、成人精神科の予約は1枠6分が基本ですが、児童精神科は15分枠がデフォルトです。初診にも2倍以上の時間をかけているので、この診療報酬の設定では、確かになかなか苦しいところです。この記事について、当事者サイドから若干補足を試みてみます。 まず診療報酬に関してですが、外来は確かに厳しいけれど、入院に関しては徐々に改善が見られています。ここ数回の診療報酬改定で、児童・思春期精神科入院医療管理加算が新設され、その後、児童・思春期精神科入院医療管理料 に格上げされています。またlessor さんも触れておられる通院・在宅精神療法には、 3 20歳未満の患者に対し
2018-05-06 スペクトラムとグレーゾーン Neurodevelopmental Disorders 本当はこの記事のタイトルはカテゴリーとディメンジョンにしたかったのですが、純粋にアクセス数を稼ぐために、上記のタイトルとなってしまいました。先に謝っておきます、ごめんなさい。 それはさておき、昨日ここから始まる連続ツイートをさせていただいた… 2017-12-31 神経発達障害としての冷淡さと非情緒性 〜 Callous unemotional traits をどう考えるか〜 Neurodevelopmental Disorders Child Psychiatry この年末になって、今年一度もブログに記事を投稿していないことに気づいて、慌てて記事を書いています。年末年始に読んでいただくにはあまりふさわしくない内容になってしまいましたが、ご容赦いただければと思います。よい気分のまま新
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