『あとがき』 「この小説のジャンルは、ファンタジーでいいか?」 と、Sさんに聞かれた。 「やっぱり、××じゃあ、まずいですよね」 否定されるだろうと思いつつ、そうたずね返すと、予想よりも遥かに力の入ったキツイ言葉が戻ってきた。 「あたりまえだ! 本が売れなくなってもいいのか!」 というわけで、この本のジャンルは寓話ということになった。 とてもピッタリだと思う。Sさんどうもありがとうございます。今後ともよしなに。 表題作の「鍋が笑う」は、××同人誌『宇宙塵』に掲載され、僕のデビューのきっかけとなった作品です。掲載後、××好きの人々が年に一度集まる××大会において、日本××ファンジン大賞の創作部門を頂きました。 僕の代表作です。デビュー後も、自分の作品を知って欲しいときなど、これを渡していました。六十になる僕の母も「一番好き」と言っております。 『宇宙塵』掲載に際して、代表の柴野拓美先生にはい