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オープン戦では例年、若い選手が何人かブレークするものです。今年で言えば、阪神の横田慎太郎がその筆頭でしょう。2014年に鹿児島実業高校からドラフト2位で入団した彼は、きのうまでのオープン戦で規定打席到達者中3位となる打率.393をマークし、多くの注目を集めました。高卒3年目で勝負の年を迎えていると言えますが、現時点では開幕スタメンの可能性も十分と見られ、ファンにとっては楽しみな存在となっています。 しかしながら、過去の例を見ると、オープン戦の打率とシーズンの打率が結びつくケースは必ずしも多くありません。2000年以降、オープン戦で40打席以上、シーズンで200打席以上に立った延べ854選手を対象に、それぞれの打率を並べてみると、その相関係数は0.09と非常に低く出ています。また、オープン戦で打率.350以上を残した選手の7割近くが、シーズンでは打率.300に届いていません。長年プロ野球を見
球春の訪れを告げる春の甲子園。今年の選抜高校野球大会(第88回選抜高校野球大会)は本日3月20日(日)に開幕します。毎年この時期がやってくると、出場校の秋季大会のデータや組み合わせ抽選の結果を見て、地元の学校がどこまで勝ち上がりそうか確認したり、大会冊子などを購入し優勝校を予想したりする方も多いのではないでしょうか。 今回のコラムでは過去3年分の選抜高校野球大会と秋季大会のデータを用いて機械学習をおこない、選抜高校野球大会の試合の勝敗を判別する判定器を作成し、今年の選抜高校野球大会の優勝校を予想します。 はじめに勝敗の予想をおこなう判定器について簡単に説明しておきましょう。判定器は試合をおこなう2校の秋季大会データと、先攻・後攻情報を入力すると、それぞれのチームに対して右表のような一塁側チームが先攻になった場合と、三塁側チームが先攻になった場合の、両校の評価値を算出します。判定器は算出され
上図のように、ある基準日からの7試合分の先発投手を予想しました。同様のことを2015年の開幕戦から最終戦まで、12球団全てに対して行っていきました。それでは次節から、どのようなデータを用いて、どのような方法で予想していったのかを順を追って説明します。 まず、予想に用いたデータについてです。先発投手を決めるときにどのような要因が効いてくるのかを考えた上でデータを準備します。例えば、登板間隔について考えてみると、登板間隔1日の投手と登板間隔6日の投手を比較した際、明らかに後者の投手を先発させるはずです。よって登板間隔のデータは重要であると推測できます。他にも、翌日に誰が先発するのか(予告先発情報)、投手の力量を表す1軍・2軍の基本成績(防御率、投球回数など)、去年の1軍・2軍の基本成績、対戦相手との相性(X球団に対する防御率、ゲーム差など)、予想する時期を表す情報(試合消化率)、そもそも今季ど
エラーの少ない選手すなわち守備の名手、ではない、ということが最近の研究によって明らかになりつつあります。Baseball LABでも過去に何度か紹介しているUZR(Ultimate Zone Rating)などによって選手のディフェンスに関する能力を数値化することが可能になり、従来の守備率や印象値では見いだすことの難しかった選手に正当な評価を下す機会が生まれています。 UZRとは「守備範囲」、「失策」、「併殺奪取」(※内野手)、「肩」(※外野手)の4項目を数値化して合計した総合守備指標で、フィールドをゾーンに区切ってポジションごとに打球処理能力を評価する点に新しさがあります。同じポジションの平均的な選手に比べてどれだけ失点阻止に貢献したか、あるいはできなかったかという形で評価を行います。 本稿の主役となる巨人の坂本勇人は、ここ数年間でリーグのベスト遊撃手と言って良いUZRの成績を残していま
プロ野球の長い歴史でもまだ8度しか達成されていない偉業がある。それは同一シーズンで3割・30本・30盗塁を同時に記録する「トリプルスリー」。今回はトリプルスリーがいかに難しいか、そしてその偉業まであと少しに迫った選手たちを振り返ります。
プロスポーツに故障はつきものです。接触プレーを伴う野球も例外ではなく、「ケガに強いこと」が一流選手の条件のひとつに数えられることもあります。一般の野球ファンにも関心の高い選手の故障情報ですが、その時々の報道などで目にすることはあっても、まとまった数字で見る機会はなかなかありません。 Baseball LABでは、故障の詳細等、独自の調査に基づく公示情報を公開しています。今回はこうして蓄積したデータを基に、選手の故障情報などを取りまとめたメディカルリポートを作成しました。期間は2015年3月27日から10月7日まで、194日間を対象とします。ケガによって一軍登録を抹消されてから、一軍へ復帰するまでを抹消期間としてカウントしていきます。シーズン中にケガから復帰できなかった選手については、抹消日から10月7日までの日数を故障期間とみなしています。 2014年に続いて2度目のリポートとなりますが、
2015年シーズン、NPB全体の打率は、.252で、0ボール2ストライクとなった場面に限ると.170、投手の打席を除いても.177であった。2球で追い込むと言うことは、それだけバッテリー有利になるということだ。 0ボール2ストライクからの3球目、「ここは、1球ボール球で様子を見て……。」とか、「このまま3球勝負で三振を狙え!」などを考えながら観戦している読者も多いかもしれない。3球目は何を投げられることが多いのか。そして、3球目は何を投げるべきなのか。今回は、0ボール2ストライクに追い込んだ直後の“3球目”に、スポットライトを当てて、見ていきたい。
捕手が受けた投球の内容を細かく分析すると、おおよその暴投数と捕逸数を推定することができます。その数よりも、実際の暴投数と捕逸数が少なければ、優秀な守備力を備えた捕手である…かもしれない……。今回は、評価が難しいとされる捕手の守備力について考えます。 野球には、暴投(ワイルドピッチ)と捕逸(パスボール)という記録があり、これらをまとめてバッテリーエラーと呼んだりします。前者が投手成績、後者が捕手の守備成績に含まれるように、暴投は投手の過失であるとされ、捕逸は捕手の過失であるとされるのが一般的です。 投球が捕手の前でワンバウンドすると、多くの場合は捕逸ではなく暴投が記録されます。すなわち、ワンバウンドの投球を捕手が止められず、それによってランナーが進塁してしまった場合、記録上は投手の過失であるという扱いになることが多いのです。しかし、その一方で「これくらいのワンバウンドは捕手に止めてほしい」と
以前のコラム「今年急激に本塁打が出やすくなったのは、やっぱりあのドーム!」の冒頭で、本拠地を有利とするチームがかなり多いことに触れました。とりわけ今季のセ・リーグに関しては本拠地開催とそれ以外のときとの差が大きい傾向がありましたが、シーズン終盤となった現在(以下、8月26日終了時点の成績)は例年どおりに落ち着いてきたようです。6チームとも本拠地では勝ち越し、その他では負け越しという結果で、勝率の差は高々2割程度になっています。
PITCHf/xなどのトラッキングシステムで収集できる球速データにはリリースポイントで測る「初速」と打者の手元で測る「終速」があります。 野球界ではよく「あの投手は初速と終速の差が小さいストレートを投げる良い投手だ」という話が出てきます。私もこの言葉を野球観戦中に使ったことがあるような気はしますが、そのときは実際にスピードガンで計測しているわけではありませんでした。「ノビやキレのあるストレートを投げる投手は良い投手だ」とほぼ同じような、あいまいな意味で考えていた気がします。
語呂の良さも含め、この何ともしゃれた呼び名を考えた人のネーミングセンスには頭が下がりますが、今回のコラムはそのピボットマン(二塁手)がテーマです。データを用いて、各選手のピボットマンとしての力量を推測してみましょう。 考えてみても分かる通り、体の向きを変えながら素早く送球するということは、非常に高い技術を必要とします。瞬発力や体幹の強さ、ランナーのスライディングをよける判断力も求められるでしょう。実際、高校生とプロの守備練習などを見比べても、やはりピボットマンの「捕ってから投げるまでの速さ」にはレベルの差を感じることが多々あります。 内野手がゴロの打球を捕球してからダブルプレーを取れるかどうかは、バッターランナーとの「ヨーイ、ドン」の競争で決まることがほとんどなので、その中でピボットマンは重要な役割を担います。いかに速く一塁へボールを転送するか、ここがピボットマンの腕の見せ所です。もちろん
「投手は9人目の野手である」という言葉があります。投手の仕事は投げて終わりではなく、その後の守備も含まれているという意味です。確かに、打球処理やベースカバーなど、投手が担う役割は投球だけではありません。 そのなかで、バント処理は投手にとって大きな仕事と言えます。バントの打球は主に投手、捕手、一塁手、三塁手が処理しますが、その約6割は投手が占めているからです。つまり、送りバントでランナーを進塁させたくない時、その結果は投手のプレーに委ねられることが多いのです。 この図は、投手が送りバントのゴロ打球を自ら処理した際の捕球位置をプロットしたものです。2010年から2014年までの5シーズンで、ランナーが一塁の状況を対象にしました。このうち赤い点は、投手が一塁ランナーを二塁でアウトにしたケースを指していて、全体の6.6%を占めます(以下、この割合を「阻止率」と呼びます)。当然ながら、投手の正面に近
「本塁打を除いた打球がヒットになる確率」。言葉にするとシンプルであるように感じられますが、実のところとても解釈の難しい指標が今回のテーマである「BABIP」です。2015年から札幌ドームの新大型ビジョンの打者成績欄にも採用されるなど、数あるセイバーメトリクスのスタッツの中でも認知が広がり始めている指標のひとつです。 BABIPはよく「運」の強弱を示す数字であるといわれます。これは「フェアゾーンに飛んだ打球がヒットになるかどうかは、投手ないし打者個人の能力“だけ”で決定できない」事実に由来していて、実際にこの確率は平均して大体3割前後の数字に収束することが分かっています(投手の打席を除く、1990年から2014年の全打者合計のBABIPは.301)。強い打球が野手の正面をついて不運にもアウトになってしまったり、当たり損ねの打球が幸運にもヒットとなるのは野球の世界においてよくあることです。
PITCHf/xシステムとは、米国SPORTVISION社の開発した投球(&打球)のトラッキングシステムです。このシステムでは、球場に設置したカメラの映像を基にして投球の変化量や打球角度などの情報を自動的に取得します。 MLBでは「PITCHf/x」システムが全30スタジアムに設置されており、チームでの選手分析やトレード、契約交渉時の客観的データとして活用されています。選手強化活動にとどまらず、ファン向けにはCGを駆使してグラフィカルなTV中継を行ったり、スタジアムの大型ビジョン、インターネットでの活用も広まっています。
以前、投手の投球間隔に関するコラムをアップしました。投手の投球間隔には個人差があって、短い投手は試合のスピードアップに貢献し、長い投手はそれを妨げている可能性がある、といった内容です。(実際に読みたい方は下記のリンクをクリックしてください) その際、「投球テンポと味方打線の援護には関係性がないのではないか」という読者の方の反応をいくつか目にしました。つまり、冒頭に挙げたような通説はあくまで感覚的なものに過ぎないのではないか、との推察です。それならば、ということで今回はその真意についてデータから検証してみましょう。 まず、1シーズン単位で見たときに、味方打線の援護を多く受ける投手と、そうでない投手がいるということを確認しておきます。右のデータは、2010年から2014年の5年間でシーズン100イニング以上を投げた先発投手を対象に、援護率別の人数を表したものです。援護率というのは、投手の登板中
最近、セイバーメトリクスという言葉を耳にする機会が増えたと思います。スポーツ番組や雑誌等で見かけることも増えました。その流れはプロ野球界にも来ており、データ分析専門のスタッフがいるチームもあります。そこで今回は野球データを統計学的に分析してみたいと思います。犠牲フライ時の3塁走者の生還・非生還に着目して、犠牲フライを統計学的に分析していきます。
昨年末に『2014年プロ野球 おさえておきたい守備(UZR)の話10選!』~前編~と~後編~でデータスタジアム仕様のUZR(Ultimate Zone Rating)の一部を紹介した。そのコラム内でも『UZRは守備を総合的に評価する指標で、内野手は「守備範囲」「失策(失策出塁&その他の失策)」「併殺奪取」、外野手は「守備範囲」「失策(失策出塁&その他の失策)」「肩力(AR:Arm Rating)」で評価されます。』と書いているが、「守備範囲」に絞って見ていきたい。ただし、数値は以前のコラムで発表しているので、今回はその数値の大元となっている打球処理位置のデータを図にして見ていきたいと思う。
Baseball LABでは選手の一軍登録・抹消の詳細など、選手の登録にまつわる公示情報を公開しています。オフィシャルに発表される情報だけでなく、独自に調査した登録理由、抹消理由などもあわせて記載しています。例えば2014年9月28日の長野久義の抹消ケースでは、「右膝痛のためで、故障による抹消はプロ5年目で初という。今季は打率3割にわずかに届かず、本塁打13本は自己最少。」といった具合です。 本稿ではこうして収集した公示情報(+α)を基に、プロ野球メディカルリポートの作成を試みたいと思います。対象は2014年3月26日から10月7日まで、故障者のカウントはシーズンで一度でも一軍に出場した選手に限って行います。館山昌平(ヤクルト)などシーズン全休、あるいは一軍未昇格だったケースは含めません。 2014年、シーズン中に最も多くの故障者を出したのはロッテでした。投手で8人、野手で12人が戦いのさ
プロ野球リーグデータ(2020年)。順位表やチーム打撃・投手成績、各個人成績ランキング、各種データマッピングを掲載。データを切り口にしたプロ野球の情報が満載の Baseball LAB(ベースボールラボ)のリーグ情報。
当日は99名のお客様が来場し、ご覧の通りほぼ満席となりました。2時間半という長丁場でしたが、皆さん真剣にスクリーンを見ながらトークを聞いていました。ここからは内容について振り返りたいと思います。まずは出演者の紹介です。 データスタジアム株式会社 ベースボール事業部アナリスト 金澤 慧(かなざわ けい) アナリストとして、分析レポートをプロ野球チームに提供。野球データを生かしたエンターテインメントの制作にも数多く携わっており、NHK BS1で放送された「ザ・データマン」には守備を評価する指標「UZR」の解説役として出演。 当日のイベントでは進行役も務めました。
これからピークを迎える選手と峠を越えた選手ではその価値に大きな差が出ます。選手の全盛期を見極めることは編成にとって大きな課題で、特に選手との複数年契約を考える場合は重要になります。現在の球界やメディアの報道を見ると、一般的に打者のピークは30代前後と考えられているようです。今回は過去のNPB選手を参考にしながら、打者の全盛期について考えていこうと思います。 1.年齢別の一軍出場選手数 最初に年齢別の一軍出場選手数を確認していきましょう。今回のデータは1940年以降のデータを参照しています。各年齢で1打席でも打席に立てば出場選手数に加算しています。過去のデータを見ると、高卒の19歳から年齢を経るごとに徐々に一軍での出場選手数が増えていき、大卒選手(23歳)の入団で一気に出場選手数がピークに近づきます。25歳(2573名)で一軍の試合に出場した選手数が最も多くなり、それ以降は出場選手数が減
開幕から40試合前後を消化し、これまでのシーズンと異なる得点環境になっているのが明らかになってきました。統一球の導入によって、NPBの歴史を振り返っても、最も得点が入りにくかった期間と同じような環境になっています。詳しい内容は後日各著者からリポートされると思いますが、今回は視覚的にどれだけ得点が入りにくくなったのか簡単に見て頂ければ幸いです。今年のプロ野球は昨年までの感覚や基準で見てしまうと多くの誤解や不当な評価につながりかねないシーズンです。また、野球の戦術もこれまでの常識が通用しない場合も想定され、この状況が続くなら再検証が必要になりそうです。 1.平均得点の劇的変化と得点分布 上のグラフはリーグ別に2リーグ制以降の平均得点をまとめたものになります。グラフの最後を見ればわかるように、昨年から平均得点が1点以上(セ・リーグが1.22、パ・リーグが1.02)も下落しています。この変化が
今年でメジャー5年目を迎えるボストン・レッドソックスの松坂大輔投手(以下敬称略)が、相変わらず不安定な投球を続けていた矢先、右肘の故障により通算6度目の故障者リスト(DL)入りが決まってしまいました。復帰時期は未定なようですが、短期間で戦列に戻れる見込みは薄いようで本人共々ファンの方々も悔しさで一杯のことかと思います。この分だと、今季もファンが期待するような結果(10勝以上、規定投球回数)を出すことは、かなり厳しい状況になってきました。 これまでの松坂本人の投球内容についてはあれこれ語りつくされた感もありますが、依然として彼にたいするメディアやファンの声は厳しく、そして期待はとてつもなく大きなものです。1試合ごとに細かな寸評が入り、その試合の内容によって全く正反対の前途が語られる。そもそも松坂自身のアウティングがドミネイトレベルの好投か、或いは四球乱発による自滅&炎上かという具合に良い意
先日、ツイッターで広島のシュールストロム駐米スカウトが非常に優秀で、中国新聞で特集されていた事をフォロワーの方から伺いました。この情報が今回スカウトの価値を評価する試みのきっかけとなりました。良い外国人選手をたくさん連れてくることは、海外担当スカウトにとって死活問題です。しかも、外国人選手は即戦力として期待され年俸もそれなりの投資額になるだけに責任重大です。今回は良いスカウトを「年俸は安く、多くの勝利に貢献する選手と契約する」と定義し、スカウトの能力や価値を測っていこうと思います。 1.広島・シュールストロム駐米スカウト 冒頭の中国新聞で掲載された広島・シュールストロム駐米スカウトの特集記事はこちらになります(http://www.chugoku-np.co.jp/Carp/Cw201012030084.html)。2004年以降、開幕前に獲得した外国人選手について選手・年俸・在籍年・
監督はフロントが集めた選手をうまく運用し、設定された目標の達成を目指します。目標を達成することで監督は名声を得ますが、失敗した場合はフロント・解説者・ファンなどから敗戦の責任を真っ先に問われます。厳しい環境のなかで、監督たちは、繰り返される選択からどのような采配傾向を持っているのか見ていきましょう。 一般的に監督はチームの勝敗に対し大きな影響を持っていると考えられています。しかし、客観的に見ていくと監督のできることは戦術面に限られています(NPBには編成権【戦略面】を持つ全権監督も存在します)。戦術面を担当する監督が主体的に選択できることを挙げてみました。 ・打線のラインナップを決めるとこ ・投手陣の配置を決めること ・投手の継投について決めること ・各種作戦の企図 ・選手(一軍と二軍の)の入れ替え 上記の項目は12球団で監督を務めるほどの人物ならそれほど差異を生むものではな
1.盗塁の状況別価値 これまで打撃・守備成績などを得点や失点の形に変換して、チームや選手を評価してきました。しかし、走塁の面についてはそれ程細かい分析は無かったので、今回は走塁の代名詞ともいえる盗塁について評価をしていきましょう。 基本になるのは各著者のコラムでも使用されてきた得点期待値になります。走者が盗塁をする前の状況と盗塁を成功(または失敗)させた後の得点期待値の差分を見ることで、盗塁が得点に及ぼした影響を測ることが出来ます。今回はパ・リーグで盗塁王を分け合った西武・片岡選手とソフトバンク・本多選手の成績を参考にして、盗塁の得点化をおこなっていきましょう。 手順は以下の通りになります。 ① アウトカウント・走者状況から盗塁(盗塁死)前の得点期待値を求める ② 盗塁(盗塁死)後のアウトカウント・走者状況から得点期待値を求める ③ ②から①を引くことでその状況での盗塁(盗塁死
45~55%を中心として見事なピラミッド状態になっている。前回統計した平均値(50.27%)もそうだが、現在のNPBにおけるQS事情はこの2つの統計上によって常時1/2の確率で発生しているといっても良いだろう。 そんな中、1位だった2009年巨人と2005年楽天の間には36.56%もの開きが生じており、前者については3試合でほぼ2回のQSが記録され、後者の方は3試合で1回に満たない割合となっている。この点についても、NPBの戦力格差を映し出しているデータといえよう。 そしてQS勝率の方にも目を向けると、非常にランダムな並びとなっているのがお分かりいただけるだろう。QSとは先発投手の役割の他に、守備も含めたディフェンス部分の成果だと考えられるものだが、QS勝率となるとRS(ランサポート、援護点)やプルペン陣の成果も加わってくるため、当然のことながらQS率と並行するものとは限らない。QS率
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