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衆院選
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「二月十四日のデリバリーピザ」 桑島由一 僕は小説家。ほとんど家の外に出ない。頭の中で外の風景を考える。 キーボードを打って、会話を作る。楽しい会話、悲しい会話、あらゆる会話。 全ては一人の作業。たった一部屋の世界。パソコンとアスピリン。 今日はバレンタイン。外に出る予定はない。チョコレートを貰う予定はない。 この前の日曜日、サザエさんでカツオがまた「チョコたくさん貰える」と言っていて貰えなかった。 昔、家族と一緒に住んでいた頃、バレンタインのサザエさんが苦痛だった。 僕はモテないから、 見ているのが苦しかった。できれば逃げ出したかったけれど、家族でサザエさんを見るのは決まりだった。 ほどけかけた家族の絆を取り持つ、最後の、ささやかな儀式のようなものだった。 「お前はチョコ、もらえるのか?」 父親が言う。僕はなんて答えていいかわからない。 「大丈夫よ、お母さんがあげるから」 母親が言う。僕
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