Weekday 11:00 - 20:00 Saturdays and Holidays 11:00 - 18:30 Sundays and Mondays Closed 光と影 ー アーネスト・サトウが抱いた写真への憧憬 タカザワ ケンジ(写真評論家) 画面のなかに鳥が舞っている。 それはまぎれもなくこの世界の一断片であるはずだが、肉眼ではこうは見えない。写真がなければ、このようなイメージは生まれなかった。しかも、写真家がこのように写真を撮り、印画紙に現像できたからこそ、いま、ここにある。そして、半世紀以上も前に撮影された写真であるにも関わらず、私たちの胸を打つ。 この写真を撮影したのはアーネスト・サトウ。残念ながら、1990年にすでに鬼籍に入ってしまった写真家である。サトウは1927年、日本人の父とアメリカ人の母との間に、東京の本郷に生まれた。戦争中も日本ですごし、戦後、早稲田大学法学