歩行者天国をはじめ、市井の人びとの公共空間の使いこなしをリサーチしてきた内海研究員。「公共R不動産研究所」でも今後さまざまな公共空間を読み解いていく上で、ベースとなる視点「公共空間を『耕す』」ことについてのコラムです。 コモンズとしての公共空間 私は大学の卒業論文以降、東京都内の歩行者天国を主なフィールドに、市井の人々による公共空間の使い方を調査したり、私自身もそこに混ざって公共空間を楽しんだり、管理を手伝ったりしてきた。 例えばこんなものである。 歩行者天国に畳を敷いてコタツを出す。 大学のキャンパスに入ってきて遊ぶ子どもたち。 神社の境内で、お客さんが食べ物や飲み物を持ち寄る屋台。 たまたま集まってしまった(ということになっている)港での夕涼み会。 まちかどの空地に現れる立ち飲みスタンド。 本当に些細な事例がほとんどである。お金も人も大して動いていない、目に見える効果があるわけでもない