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心療内科と精神科の区別がつかない方がほとんどです。患者さんは当然だと思います。ドクターさえ、その区別がつかないのですから。全国で80の医学部・医科大学があるのですが、講座があるのが西の方から、九州大学、鹿児島大学、関西医科大学、東京大学、東邦大学の5大学だけなのです(そのほか、近畿大学堺病院、日本大学、東北大学に診療科として心療内科がありますが、系統的に講義や臨床実習を行うことができるのは講座がないとできません)。そのため多くの医学生が心療内科の講義を一度も受けないまま医師になるのですから、仕方のないことかもしれません。 また、平成8年に厚生省(現在の厚生労働省)が「心療内科」を標榜として認可して以来、全国のクリニックや病院に2000数百の心療内科が標榜されました。しかし、その多くは精神科の先生です。そのため、さらに誤解が生じるのです。 心療内科の母体となる医学は心身医学といいます。もと
溺死 drowning:体外より気道を通じて侵入した液体により、気道内腔が閉塞されて起こる死 溺水 (吸引した液体) による窒息 水浴死:冷水中に入って低温刺激によって起こる死。溺死ではない。 <死の機序> 溺水の吸引。吐血・喀血の気道内吸引による窒息は溺死と言わない。 溺水:淡水 (河川、側溝)、海水、便槽の汚水など。浅い水でも溺死可能。 <死体所見> ◎外部所見:水中に長く留まるために生じるもの。非特異的。 死斑:弱く部位も不定…水中で体位が変動するから。 皮膚角化層の膨化 (漂母皮化 washer woman hand):皮膚のしわ 発現 (2〜4時間)→手掌全体 (1〜2日)→手袋状に剥離 (蝉脱) 鼻口からの泡沫 whitish form, form in mushroom shape 気管支内の溺水、空気、粘液が混じって粘調性の泡沫を形成。 他の死因 (絞
関西医科大学法医学講座 こちらは関西医科大学法医学講座ホームページです。 講義解説・資料は関西医科大学学習支援システムKMULAS (カムラス) で公開します。
○分類 結節係蹄 closed loop:頚部に巻いた索状物を結んで首を吊る。 開放係蹄 open loop:索状物を馬蹄形のまま結ばないで首を吊る。 定型的縊死 typical hanging:係蹄が後頚部正中線上、足が地面から離れている。 非定型的縊死 atypical hanging:左右不対称、地上に足がついている。 ○死の機序 (定型的縊死は即死である場合が多く、3の機序が主?) 気道閉塞 (外窒息):舌の基部が押し上げられて咽頭後壁に密着 頚部血管閉塞:頚静脈、頚動脈、椎骨動脈→頭顔部蒼白、脳の内窒息死 神経圧迫:迷送神経、頚動脈洞圧迫→心停止 頚椎離断骨折 (頚髄離断):まれ ○死体所見 ●外部所見 索痕 ligature mark 索状物が頚部表面に残した損傷、索溝 走行:定型的縊死…前頚部正中線上で最低位 (甲状軟骨〜舌骨間) →側頚部で後上方向 (下顎角
優生学:不良な遺伝子を持つ者を排除し、優良な国民のみを残して繁栄させるという思想。 1859年にチャールズ・ダーウィンが「種の進化」で、生物は淘汰 (自然に適応した生物のみが生き残ること) により進化 (改良) すると発表。 1883年に従弟のフランシス・ゴールトンが「人間の能力及びその発達の研究」で、淘汰の考えを人間社会に導入した優生学を提唱 (社会的ダーウィニズムの始まり)。以後、欧米各国に広がる。 優生学の種類 積極的優生学:出産を増加させるが弱者を放置し、自然に淘汰されるのを待つ 消極的優生学:障害者や遺伝病患者に産児制限 (人工妊娠中絶)、隔離、断種 (不妊手術) を行う=主流 なお、国際的に障害者の生を支えることを家族から国家の手に移すべきだとする福祉政策の充実の推進者が、しばしば同時に優生政策を主張してきた。優生学者は同時に反戦論者であることが多い。優秀な国民が戦死する
乾燥 drying 粘膜、表皮剥脱部、口唇・陰部 (薄い粘膜)→乾燥しやすく革皮様化する。 角膜混濁 turbidity of the cornea 死後6時間から発現、24〜48時間 (まる2日) でピーク。 開眼 (1時間〜) と閉眼で差 血液の就下 (しゅうか、hypostasis) 皮膚蒼白:上面 死斑 postmortem lividity:下面 仰臥位:死斑は体背面 (非圧迫部)。 腹臥位:前面 縊死:顔下部、手足先。 死後20〜30分で始まり、12時間で最強。 死後4〜5時間では体位変化で死斑が移動。 血液:初めは血管内 (圧迫すると消える)。 →7〜10時間後:血管外へ出て組織を染め始める (圧迫しても消えなくなっていく)。 死因による死斑の変化 止血しにくい病気:死斑増強 失血死:死斑減弱 死因による死斑の色調 通常の死体:死斑は紫赤
1856年にネアンデルタール人の化石が発見されて以来、進化論に基づいて現在の人類と類人猿との共通の祖先との間を結ぶ猿人の存在が予測されたが、なかなか化石が発見されず、ミッシング・リンク (失われた環) と呼ばれていた。特にイギリスの古生物学者たちはイギリス本土でその化石が発見されることを熱望していた。 1908年にイギリスはサセックス州のピルトダウンの砂利採石場で作業員が2つの頭蓋骨 (頭蓋冠) 片を発見し、弁護士でありアマチュアの考古学者でもあったチャールズ・ドーソンに渡された。ドーソンは調査を続け、1912年にいくつかの骨片を英国博物館の地質学部門の主管であったアーサー・スミス・ウッドワードのところへ持ち込んだ。ウッドワードはドーソンとともに採石場を再調査し、さらに石器や動物の骨の化石とともに2本の臼歯 (奥歯) のついた下顎骨を発見した。頭蓋冠と臼歯は人間のもの、下顎骨は類人猿のもの
法医学講義 死亡診断書 (死体検案書) Certificate of Death (Inquest Report of Fatal) ※死亡届の右半分が死亡診断書 (死体検案書) になっている。 <死亡診断書 (死体検案書) 作成の一般注意事項> 楷書で記入。番号付きの選択肢を選ぶ場合は数字を○で囲む。 時刻は12時間制 (夜の12時:午前0時、昼の12時:午後0時) 印刷文字を2重線で消す場合:捺印不要。 自分の書いた文字を訂正する場合:2重線で消し、捺印。 空欄:斜線を引き、空欄のまま残さない。 できるだけ詳細に記入する。 伝聞、推定による記述にはかっこ内にその旨を記す。 <死亡診断書か死体検案書か?> いずれかを判断して、書類最上部欄外の印刷文字の不要な方を2重線で消す。 診療継続中の病気による病死→死亡診断書。 その他→検案→死体検案書 <氏名 (Name)> 本
脳死:全脳機能 (大脳〜脳幹) の不可逆的停止状態、全脳死。各臓器への血流が保たれている状態で、臓器移植のドナーとして理想的と考えられている。欧米では脳死を人の死と法律で定義しているが、反対の考えの人もいる。日本では「臓器の移植に関する法律」により、臓器移植が適切に行われる場合に限り心臓死でなく脳死を人の死とする限定脳死説を採用。 植物状態:大脳の機能が廃絶し、脳幹機能の一部 (特に下部脳幹) ないし全部が残っている状態。大脳機能のみの不可逆的停止状態、大脳死とほぼ同義。個人 (人格) を精神活動で定義するならば、植物状態になった時点でその人の死とする考え方もある。 ○脳死・臓器移植はなぜ必要か 一部の疾病に対し、現在の医学レベルでは臓器移植が唯一の現実的な治療法 (代替治療法:人工臓器、遺伝子治療、臓器複製、拡張型心筋症に対する左心室縮小形成手術など) 腎臓、角膜以外は酸素不足に弱い
講義解説・資料は関西医科大学学習支援システム KMULAS (カムラス) で公開しています。 講座紹介 参考書 (amazon.co.jpリンク) 赤根 敦著『DNA鑑定は万能か−その可能性と限界に迫る』(化学同人:DOJIN選書31) 澤口彰子ほか『臨床のための法医学』第6版 (朝倉書店) 的場梁次・近藤稔和編著『死体検案ハンドブック』改訂3版 (金芳堂) 石津日出雄・高津光洋監修『標準法医学』第7版 (医学書院)
←DNA多型:対立遺伝子 (アリル、allele) の識別 ←性染色体 (男:XY、女:XX) 遺伝子の識別 ←種特異的遺伝子の識別 <血液型と比較したDNA鑑定の利点> ・試料を選ばない:血液のみならず全ての有核細胞 (細胞の痕跡含む) からDNAが抽出できる ・多型性 (個人差) が高い部位が多数あり情報量が多い ・性染色体遺伝子や種特異遺伝子の検出も容易→性別判定や人獣鑑別にも応用できる <DNA鑑定の方法> ◎DNAの抽出 生物試料中のタンパク質を蛋白分解酵素で、脂質を界面活性剤で消化 →不純物をフェノール/クロロフォルム溶液などで除去 →精製したDNAをエタノールで結晶化して回収 QIAamp kitなど簡易抽出キットも市販され利用されている ◎検出、型判定法:PCR (polymerase chain reaction) 法が基本 PCR:試料DNA中
2020/01/23 ホームページをリニューアルしました。 2019年4月1日より、関西医科大学医学部の講座組織改革に伴い、解剖学第一講座、解剖学第二講座は 「解剖学講座」に統合しました。 また、同年4月1日より、北田 容章 教授が、解剖学講座の主任教授として着任しました。
よくある質問の回答 Frequently Asked Questions (FAQ) ●DNA鑑定による親子鑑定や物体検査を個人からの依頼でしていただけますか。 ●1本の毛髪からDNA鑑定ができますか。 ●火葬された遺骨からDNA鑑定ができますか。 ●ペットのDNA鑑定ができますか。 ●DNA鑑定で国籍を調べることができますか。 ●本当の親子なのにABO式血液型があわないことがありますか。 ●胎児の親子鑑定は可能でしょうか。 ●親子鑑定の当事者 (例えば父と疑われている男性) が死亡している場合に鑑定は可能でしょうか。 ●父と疑われている男性が2人いて、両者が実の兄弟の場合、どちらが父親か鑑定することは可能でしょうか。 ●別のところで行った親子鑑定の結果に異義があります。再鑑定していただけるでしょうか。 ●親子鑑定で1種類の遺伝形質 (血液型、DNA型) で否定されたの
生命倫理学関連のいくつかの話題に関して、インターネット等で収集した情報をコンパクトにまとめたものを収載しています。更新はまれです。教育・学習目的での流用は自由ですが、内容の正確性に責任を持てませんので、その点ご留意ください。
トップページ/更新履歴/進級試験/CBT対策/国試対策/関連リンク集/よくある質問の回答 以下の各ページはあくまで講義ノートで、教科書や参考書ほど詳細ではありません。 また講義でも全ての項目について詳細に説明しているわけではありません。法医学を 勉強する方はこのウェブサイトのみに頼らず、きちんとした参考書を参照して下さい。
1991年9月19日、オーストリアのチロリアン・アルプスに位置するエッツタール渓谷で山歩きを楽しんでいたシモン夫妻は、氷河で覆われた小渓谷 (海抜約3200 m) の溶けかけた氷水の中に褐色に変色し骨や脊椎が浮き出た死体 (アイスマンと呼ばれる) を発見した。10年以上前に遭難した人と当初は考えられ、警察によって23日にインスブルック大学の法医学教室に運び込まれた。しかしすぐにはるかに古い遺体であることが判明し、翌日には解剖学教室に移され詳細な研究が始まった。 アイスマンは身長159 cm、生前の推定体重40 kgの46歳程度の男性とみられ、関節炎に罹患し、鞭虫に寄生され、鼻骨が潰れ、治癒していない肋骨骨折が数ケ所見つかった。散髪した跡があり、刺青のような短い青い線が脊椎の下部、左足、右足首の皮膚に認められた。さらにヤギ、カモシカ、鹿の毛皮でできた着衣の断片、樹皮繊維で編んだ外套、毛皮の帽
関西医科大学法医学講座/関西医科大学大学院法医学生命倫理学研究室 ここではDNA鑑定など、法医学 (的) 鑑定が行われたいくつかの有名な事件について、鑑定内容を中心に紹介しています。
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