前回の更新では、卸という商行為の基本的な役割を確認しました。 zukaiseiri.hatenablog.com 今回の記事は、より具体的に中央卸売市場がどのような役に立っているかを解説します。 日本の中央卸売市場は独特のもの 実は日本の中央卸売市場制度は世界でも珍しく、同様の制度は韓国と台湾にしかないそうです。どちらもかつて日本が統治していた国です。その特色は市場内の卸売業者に対する拘束の強さです。 卸売市場では、主に集荷を担当する卸売業者(一次卸)と、この卸売業者から購入し、小売などに向けて再販売をする仲卸(二次卸)とがあるのですが、日本の中央卸売市場ではこの卸売業者に対する締め付けが大変に厳しいものになっています。具体的に言うと、原則的に卸売業者は法律で定められた手数料でしか商品を売ってはいけないことになっており、自由に値付けができないのです。 なぜこれほど卸売業者に対して拘束力が厳