雑誌の売上が激減している。出版科学研究所によると、雑誌の販売総額は1997年の1兆5644億円をピークに16年連続で前年割れ。2013年は8972億円にまで落ち込んだ。スマートフォンの普及や娯楽の多様化に押され、雑誌不況の出口は見えていない。 そんな中、週刊「SPA!」(扶桑社)が健闘している。14年1〜3月の印刷部数(日本雑誌協会調べ)は11万7045部と前年同期比6.4%増、4〜6月は11万8730万部で同3.7%増と、着実に伸ばしてきている。雑誌をめぐる環境が厳しさを増す中、善戦する「SPA!」編集部には、計算づくの“逆張り”戦略と、編集者による徹底した現場目線があった。 「このままでは逃げ切れないと思っている世代に、武器を提供する――」。13年4月から編集長に就任した金泉俊輔氏は、SPAのコンセプトをこう説明する。 ほかの週刊誌の読者層は、定年まで勤め上げ、年金生活で悠々自適の