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ブックマーク / www.tachibana-akira.com (33)

  • 労働組合は身分差別社会が大好き 週刊プレイボーイ連載(137) – 橘玲 公式BLOG

    安倍政権による労働者派遣法改正案が国会で議論されています。 これを改悪と主張するひとたちは、「正社員が派遣労働者に置き換えられて格差が拡大する」といいます。それに対して政府側は、これまで専門26業種だけに認められていた条件をすべての労働者に開放することで、労働者のニーズにあった多様な働き方が可能になると反論しています。 労働市場改革が揉めるのは、それが日社会の根幹である「会社=イエ制度」を揺るがすからです。 経済学的にいえば、働くというのは自らの人的資を労働市場に投資し、そこから報酬というリターンを得ることです。人的資学歴や資格、専門知識や経験を総合したもので、それを基準に昇進・昇給が決まります。キャリアアップとはたんなる出世ではなく、さまざまな手段で人的資を増やしていくことなのです。 しかし日では、こうした近代的な職業観はまったく受け入れられませんでした。いまでも学生たちは、

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  • そしてみんなネオリベになった 週刊プレイボーイ連載(82) – 橘玲 公式BLOG

    2012年は民主党から自民党への政権交代で幕を閉じ、安倍政権への期待から株価は大きく上げて新しい年が始まりました。とはいえ、経済ばかりでなく外交や安全保障など問題は山積しており、波乱を予感させる年明けです。 今回の選挙の際立った特徴は、投票率が59.32%と戦後最低を更新する低さだったことです。第一党となった自民党の比例での得票率は27.62%ですから、「投票しない」という意思表示をしたひとはその1.5倍もいたことになります。 経済学では、人間が完全に合理的であれば選挙などに行くわけがない、と考えます。国政選挙では自分の1票が候補者の当落に与える影響力はほとんどゼロですから、貴重な休日にわざわざ投票所まで出かけていく費用対効果もゼロで、投票率は業界団体や宗教団体など、投票の動機が明快なひとの数で決まることになります。 実際には、投票率はこのシニカルな仮説をはるかに超えていて、「ひとは常に経

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  • 世界の秘密はすべて解けてしまった – 橘玲 公式BLOG

    新刊『不愉快なことには理由がある』から、PLOLOGUE「世界の秘密はすべて解けてしまった」の冒頭部分を掲載します。 *********************************************************************** 私たちの感情は、幸福や哀しみも、愛や憎しみも、歓喜や絶望もすべて科学的に説明できるといわれたらどう思うでしょう? 政治も経済も、独裁や戦争や虐殺ですら、この世界で起きているすべてのことはその理由が解明されていたとしたらどうでしょう。 あるいは、社会学や経済学だけでなく、心理学や哲学、文学に至るまで、人文・社会科学と呼ばれていた学問は、すべて科学の統一原理によってまとめられることを知っていましたか? じつはこれは、SFの世界の話ではなく、すべて現実に起きていることです。より正確には、「こころとはなにか」が科学によって解明できるようにな

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  • 愛国はめんどくさい 週刊プレイボーイ連載(65) – 橘玲 公式BLOG

    竹島と尖閣諸島の領有権問題が、暑い夏をさらに不愉快にしています。 領有権というのは、「なわばり」のことです。この問題がやっかいなのは、ヒトのOSが「なわばりを侵されたら激昂せよ」とあらかじめプログラミングされているからです。 なわばりによって自分と家族の生存領域を確保するのは、哺乳類だけでなく、昆虫や爬虫類、両生類、魚類、鳥類にも共通する進化の大原則です。このプログラムは生き物が子孫を残すのにものすごく有効な戦略だったので、なわばりを守れないような個体は淘汰されて進化の歴史から消えてしまったのです。 しかし、たんになわばりを閉じこもっているだけでは遺伝子は途絶えてしまいます。メスは、相手のなわばりにいるからです。こうして進化という巧緻なプログラマーは、「相手のなわばりを侵せ」という命令を書き加えました。私たちは生まれながらにして、自分のものを守り、相手のものを奪うよう「設計」されています。

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  • 第19回 レジ袋代2円払うのは嫌 (橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    スーパーにはあまり買い物に行かないのだけれど、ずいぶん前からエコバッグ・キャンペーンをやっていることは知っていた。会計のときに「レジ袋は不要です」というと、代金から2円引いてくれるのだ。 私はたいてい買ったものをバックパックに放り込んでしまうのだが、見ているとエコバッグを持参しているのはごく少数で、大半のひとは当然のようにレジ袋を使っていた。わずか2円を節約するために特別なことをしようなどとは思わないのだ。 ところが先日、久しぶりにスーパーに行って驚いた。レジに並んでいるほぼ全員が、エコバッグを持っていたのだ。いったいなにが起きたのだろう? 顧客にエコバッグを持参させるもっともかんたんな方法は、レジ袋の代金を値上げすることだ。レジ袋を1枚100円にすれば、お金を払ってまで買うひとはいなくなる。しかしこれでは、顧客からの反発は避けられないだろう。 スーパーは、レジ袋の代金を2円のままにして、

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  • 正義の本質は娯楽である 週刊プレイボーイ連載(63) – 橘玲 公式BLOG

    大津市のいじめ自殺事件で、“加害者”とされる少年と両親の実名や写真がネット上に公開され、深刻な被害が生じています。こうした「個人攻撃」が行なわれるのは、マスメディアが人権侵害を恐れ、学校や教育委員会ばかりををひたすら批判しているからでしょう。そのため読者は、「少年を自殺に追い込んだ当事者の責任が追究されないのは理不尽だ」という強いフラストレーションを感じます。ここから、「俺が代わりに処罰してやる」という“必殺仕事人”の登場まではほんの一歩です。 復讐の物語があらゆる社会で古来語り伝えられてきたのは、それがヒトの質だからです。そればかりか、「目には目を」というハンムラビ法典の掟は、チンパンジーの社会にすら存在します。 ところで、ヒトはなぜこれほど復讐に夢中になるのでしょうか。その秘密は、現代の脳科学が解き明かしています。脳の画像を撮影すると、復讐や報復を考えるときに活性化する部位は、快楽を

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  • 尖閣問題は未来永劫つづいていく 週刊プレイボーイ連載(61) | 橘玲 公式サイト

    石原東京都知事が尖閣諸島購入の意向を明らかにしたことで、日中間の緊張が増しています。このやっかいな問題について目新しい提案ができるわけではありませんが、ここではなぜ領土問題の解決が困難なのかを考えてみましょう。 国家のもっとも重要な役割は、国民のために「国益」を守ることだとされています。当然だと思うでしょうが、「国益とはいったいなにか」を問われるとこたえに窮してしまいます。 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)問題では、参加を阻止することが日の国益だと主張するひとたちがたくさんいます。彼らの主張では、TPPはアメリカの陰謀で、日が加盟すれば農業は壊滅し、医療保険は崩壊し、金融市場は外資に乗っ取られてしまうのです。 それに対して、TPPに参加することが日の国益だというひとたちもいます。彼らは、市場がますますグローバル化するなかで日だけが貿易自由化に反対していては、いずれ世界の孤児にな

  • 日本人はアメリカ人より裁判が好き? – 橘玲 公式BLOG

    すこし前のだが、興味深いデータを見つけたので紹介したい。 ハーバード・ロー・スクールを卒業後、日産自動車法規部などを経て、東京大学大学院(法学政治研究科)で教鞭をとるダニエル・フットは、「アメリカ人は訴訟好き」「日人は訴訟嫌い」という“常識”に疑問を持った。 フットは、『裁判と社会―司法の「常識」再考』のなかで、日(2000年)、アメリカ(2001年)、中国(1995年)で行なわれた大規模意識調査を例に挙げる。 質問者はまず、以下のような3つの仮想事例を提示した。 【友人との紛争】ある人が友人に1カ月分の給料にあたる金額を貸しましたが、返済期限がきても友人はその金を返そうとしません。友人と交渉しても、友人はその金を返しません。その場合、その人が次の行動をとることをどう考えますか? 【電器屋との紛争】ある人が電器屋から1カ月分の給料にあたる価格の電気器具を買ったところ、それは不良品でし

    日本人はアメリカ人より裁判が好き? – 橘玲 公式BLOG
    nebokegao
    nebokegao 2012/08/09
    「アメリカにおいて訴訟が交渉の入口なのに対して、日本では当事者同士の交渉や調停によって和解の道を探り、交渉が決裂したら最終手段として裁判に訴える」
  • いじめ自殺はなぜ公立中学で起こるのか? 週刊プレイボーイ連載(60) – 橘玲 公式BLOG

    滋賀県・大津市立中学2年生の男子生徒(当時13歳)が昨年10月に自殺し、大きな社会問題になっています。さまざまな議論がなされていますが、ここではなぜ、いじめ自殺は公立中学でしか起こらないのかを考えてみたいと思います。こうした悲劇は、高校や私立中学が舞台となることはほとんどないのです。 高校でいじめ自殺が起きない理由は、誰でもすぐにわかります。高校は義務教育ではないので、いじめられて学校がイヤになった生徒は退学してしまうのです。だとしたら中学も義務教育をやめて、自由に退学できるようにすればいじめ自殺はなくなるはずです。もちろん「中学中退」ではその後の人生はきびしいものになるでしょうが、死んでしまうよりはずっとマシです。 「義務教育の廃止」という劇薬を飲む前に、私立中学ではなぜいじめ自殺が起こらないのかも考えてみましょう。これはもちろん、私立中学の生徒の倫理観が高かったり、教師が理想の教育に身

    いじめ自殺はなぜ公立中学で起こるのか? 週刊プレイボーイ連載(60) – 橘玲 公式BLOG
  • 「素晴らしきベーカムの未来」追記 – 橘玲 公式BLOG

    「素晴らしきベーカムの未来」は、『生活保護の経済分析』(阿部彩・國枝繁樹・鈴木亘・林正義)のなかの、主に國枝繁樹氏の3の論考、「公的扶助の経済理論Ⅰ:公的扶助と労働供給」(第2章)、「公的扶助の経済理論Ⅱ:公的扶助と公的年金」(第3章)および阿部彩・鈴木亘・林正義氏との共同執筆「就労支援と生活保護」(第6章)を参考にしています。 共著者を代表して林正義氏が「はしがき」で書いているように、『生活保護の経済分析』は、「貧困問題に対処する公的扶助制度の設計は経済学における最も重要な課題の一つであり、特に欧米では、公共経済学や労働経済学と呼ばれる分野において、数多くの重要な研究が蓄積されてきている」にもかかわらず、「日の近代経済学では公的扶助(生活保護)研究が正面から取り組まれてきたとは言い難く、むしろ、関心さえも十分に持たれることはなかった」との問題意識のもとに、研究者だけでなく一般の読者に

    「素晴らしきベーカムの未来」追記 – 橘玲 公式BLOG
  • 素晴らしきベーカムの未来 – 橘玲 公式BLOG

    『週刊新潮』からの依頼で寄稿した「ベーシックインカムは『橋下市長』の亡国政策」を、編集部の許可を得てアップします。 雑誌タイトルは『週刊新潮』編集部がつけたものなので、エントリーのタイトルは別のものにしています。 週刊誌の記事なので、個々のソース(参考文献等)は記載してありません。後日、追記のかたちでアップしたいと思います。 ********************************************************************** 年齢や性別、出自や能力のちがいにかかわらず、日人というだけで誰もが最低限の生活を保障される。そんな世の中になったらどんなに素晴らしいだろう。 橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会は“生活最低保障制度の創設で貧困を根絶する”という理想を高く掲げる。この政策は、一般にはベーシックインカム(ベーカム)と呼ばれている。 ベーカムでは、日

    素晴らしきベーカムの未来 – 橘玲 公式BLOG
    nebokegao
    nebokegao 2012/07/06
    強制労働/超監視社会/鎖国
  • アカデミズムという虚構 旧石器遺跡捏造事件 (『(日本人)』未公開原稿2) – 橘玲 公式BLOG

    新刊『(日人)』の未公開原稿です。 原発事故責任を考えるうえで、日の“アカデミズム”とはどのようなところなのか(日で“学者”“専門家”と呼ばれるのはどのようなひとたちなのか)を示す格好のエピソードだと思いましたが、最終的に分量の関係でカットしました。その後の“ゴッドハンド”については、ほとんど知られていないと思います。 *********************************************************************** 2009年12月某日の夕刻、元文化庁主任文化財調査官・岡村道雄は東北のある駅に降り立った。そこで、10年ぶりにある男と再会するためである。 男は臙脂色のジャンパー姿で、土産を入れた紙袋を持って、駅の待合所に座っていた。すこし太って、白くなった髪を短く刈り、好々爺のような風貌だった。 男は岡村と対面すると、開口一番、「申し訳なか

    アカデミズムという虚構 旧石器遺跡捏造事件 (『(日本人)』未公開原稿2) – 橘玲 公式BLOG
  • 38年目の亡霊 奥崎謙三と戦争責任 (『(日本人)』未公開原稿1) – 橘玲 公式BLOG

    海外出張中なので、新刊『(日人)』から、最終稿で削った部分をアップします。 奥崎謙三「ゆきゆきて進軍」のエピソードは、戦争責任と原発事故責任の対比で使おうと思ったのですが、他のエピソードと重複する感があるのでカットしました。 *********************************************************************** 『ゲゲゲの女房』で一躍、国民的なスターとなった漫画家・水木しげるは戦局の悪化した1943(昭和18)年末、南太平洋の航空拠点ラバウルのあるニューブリテン島に派遣された。21歳の水木は臨時歩兵連隊の二等兵で、上陸直後から、米軍機の爆撃と糧不足に悩まされることになる。 水木の小隊は戦闘らしい戦闘もしないままジャングルのなかで転進を繰り返し、海軍基地のあったバイエンという海辺の村で米軍の急襲を受ける。兵舎で寝ていた兵たちはなんの

    38年目の亡霊 奥崎謙三と戦争責任 (『(日本人)』未公開原稿1) – 橘玲 公式BLOG
  • 「独立国家」はどうやってつくるのか? – 橘玲 公式BLOG

    書名を見たとたん、「うわっ、やられた!」と思った。坂口恭平『独立国家のつくりかた』のことだ。 10年くらい前に、これと同じタイトルのを考えて、資料を集めたことがあった。しかしけっきょくうまくいかず、企画を放棄してしまった。 国家というのは、一般に以下の3つの要素が必要とされている。 ①領土 ②国民 ③主権 このうち領土と国民はなんとかなったとしても、主権の獲得はきわめて困難だ。主権は近代国家のインナーサークルの既得権で、アメリカなどの大国が承認し、国連の議決を経て、インナーサークルの正規メンバーにならなければ手に入らないのだ。 そうはいっても、「国家をつくる」という発想は魅力的だ。私が当時調べたなかでは、次の3つのプロジェクトに想像力を刺激された。 ①シーランド公国(Principality of Sealand) シーランド公国の“領土”は第二次世界大戦時にイギリスが北海に建設した対空

    「独立国家」はどうやってつくるのか? – 橘玲 公式BLOG
  • 「日本人」をカッコに入れる – 橘玲 公式BLOG

    新刊『(日人)』のなかから、冒頭部分を掲載します。 ********************************************************************* 『(日人)』は「かっこにっぽんじん」と読む。文字どおり、「日人」をカッコに入れてみようという意味だ。 私たちのまわりには、「日」と「日人」があふれている。過剰な「日」に溺れて、私たちは自分が何者で、世界がどんなところなのかを見失ってしまったのではないだろうか。 3.11東日大震災と福島第一原発事故のあと、マスメディアやインターネット上でさまざまなひとたちが「日」や「日人」について論じた。その論旨は、おおよそ次の一行で要約できる。 日の被災者は世界を感動させ、日政治は国民を絶望させた。 ここには二種類の、まったく異なる日人がいる。 津波で肉親を失い、原発事故で故郷を奪われても絆

    「日本人」をカッコに入れる – 橘玲 公式BLOG
    nebokegao
    nebokegao 2012/05/10
    「日本の被災者は世界を感動させ、日本の政治は国民を絶望させた。ここには二種類の、まったく異なる日本人がいる。」
  • 高校生のセックス相関図から幸福と不幸を考える – 橘玲 公式BLOG

    「 “モテキ”はなぜやってくるのか?」で“つながり”について書いたが、私たちはいったいどのようにつながっているのだろうか? ここでは、それを可視化してみよう。 以下の3枚の図版は、いずれもニコラス・A・クリスタキス/ジェイムズ・H・ファウラー『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』に掲載されているものだ。 1枚目は、白人生徒が大半を占めるアメリカ中西部の中規模高校(仮名で「ジェファーソン高校」)のセックス相関図だ。 色の濃い点が男子、色の薄い点が女子で、複数の異性とつき合っている場合は2方向(もしくは3~4方向)に枝が伸びている。 これを見るとわかるように、枝の末端にいる生徒を除けば、すべての生徒が複数の異性と性関係を持っている。でもこれは、「アメリカの高校は風紀が乱れている」ということではない。 そもそもなぜ、社会学者がこのようなセックス相関図を描くことができたのだろうか? それはこ

    高校生のセックス相関図から幸福と不幸を考える – 橘玲 公式BLOG
  • ベーカムは「愚者の楽園」追記 – 橘玲 公式BLOG

    前回のエントリーで、ベーシックインカム(ベーカム)と同様の試みとして、産業革命勃興期(1795~1834年)にイギリスで実施されたスピーナムランド法を紹介した。1200字のコラムでは細かなことまで説明できないので、すこし追記しておきたい。 市場の拡大とともにイギリス社会がはじめて体験した「貧困」という問題に対処するため、「貧困者一人ひとりの所得に関係なく最低所得を保障する」という制度が導入された。スピーナムランド法は、自由経済のもとで、現金給付によって貧困問題を“最終解決”しようとするとなにが起きるのかの壮大な社会実験だった。 この所得保障制度は厳密にはベーカムとは異なるが、ひとは同じような経済的インセンティヴ(働かなくてもべていける)に対して同じような反応をするとすれば、結果もおそらく似たようなものだろう。「スピーナムランド法は大失敗したが、ベーカムならうまくいく」という説得力のある説

    ベーカムは「愚者の楽園」追記 – 橘玲 公式BLOG
    nebokegao
    nebokegao 2012/03/17
  • ベーシックインカムは「愚者の楽園」 週刊プレイボーイ連載(41) – 橘玲 公式BLOG

    橋下徹大阪市長の「維新版・船中八策」で、ベーシックインカムの導入が検討されています。ベーシックインカムは「生存権」を基的人権として、国家が国民全員に最低限の所得を保障する制度で、これによって貧困問題は解決できると主張するひともいます。 新自由主義の立場から市場の活用を掲げる維新の会がベーシックインカムを取り上げるのは、社会保障から国家の関与をなくし行政を簡素化できると考えているからでしょう。「20歳以上の国民に一律に月額7万円を支給する」と決めてしまえば、年金も失業保険も生活保護もすべて不要になります。 いいことだらけのようなベーシックインカムですが、現実にはこのような政策を採用している国はひとつもありません。しかし歴史をさかのぼれば、きわめてよく似た貧困救済策を実施した例が見つかります。それは、産業革命勃興期のイギリスです。 近代以前は、貧富の差は身分の差であり、農民は貧しいながらもな

    ベーシックインカムは「愚者の楽園」 週刊プレイボーイ連載(41) – 橘玲 公式BLOG
    nebokegao
    nebokegao 2012/03/17
  • 日本人は日本語に混乱している 週刊プレイボーイ連載(40) – 橘玲 公式BLOG

    Jリーグのレフェリーが、「日語は難しい」という話をしていました。英語であれば、相手がメッシでも「ステップバック」といえばボールから離れます。しかし日語で「下がれ」と命じればまるでケンカを売っているようですし、「下がってください」ではお願いしているみたいです。「下がりなさい」がいちばんよく使われそうですが、これでも〝上から目線〟を感じる選手はいるでしょう。 同じことは、道路工事の交通整理にも当てはまります。 アメリカでは、交通整理の係員はものすごく威張っています。億万長者のメルセデスベンツが来ても「止まれ」「行け」と命令するだけで、「サンキュー」などは絶対に口にしません。 それに対して日の交通整理員は、傍から見ていてもかわいそうなくらいペコペコしています。運転席に駆け寄って「申し訳ありませんがしばらくお待ちください」とお願いし、車を通すときは「ありがとうございました」と最敬礼する、とい

    日本人は日本語に混乱している 週刊プレイボーイ連載(40) – 橘玲 公式BLOG
    nebokegao
    nebokegao 2012/03/05
    「日本語は、フラットな人間関係には向いていない」
  • GKB47のイタさについて – 橘玲 公式BLOG

    野田政権による自殺対策強化月間のキャッチフレーズ「GKB47」が、あまりの不評のため撤回された。自殺予防に取り組むゲートキーパー(門番)を47都道府県で増やそうというキャンペーンだが、自殺対策に取り組む民間団体などから「自殺問題をバカにしている」「GKBは若者言葉でゴキブリの意味だ」などの批判が噴出したのだという。 一連の騒動についてはアイドルに対する蔑視を感じるひともいるだろうから、ここで私見を述べるつもりはない。私が書きたいのは、「GKB47」をはじめて目にしたときの、「このイタさはどこかで見た覚えがある」という既視感のことだ。 昨年末に、「内閣府大臣官房政府広報室」というところからFAXが送られてきた。タイトルは、「『守る力を』ネットワーク サポーター参画のお願いについて」というものだ。 ほとんどのひとが知らないだろうが、「守る力を」ネットワークというのは、「災害弱者とも言われる独居

    GKB47のイタさについて – 橘玲 公式BLOG
    nebokegao
    nebokegao 2012/02/15
    「自殺対策や児童虐待防止などの美名を利用して、他人をただ働きさせて自分たちが儲けようとするのは、控えめにいっても品性として下劣だ」