池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について、日々少しずつ解説します。有用な情報源や、助けになる解説を見つけたらリンクを張って案内したり、これまでに書いてきた論文や著書の「さわり」の部分なども紹介したりしていきます。
池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について、日々少しずつ解説します。有用な情報源や、助けになる解説を見つけたらリンクを張って案内したり、これまでに書いてきた論文や著書の「さわり」の部分なども紹介したりしていきます。
シリア北東部のドゥマ(Douma)の仮設の病院で治療を受ける少女(2014年9月24日撮影)。(c)AFP/ABD DOUMANY 【10月16日 AFP】AFP通信の中東・アフリカ本部は、キプロスの首都ニコシア(Nicosia)に置かれている。フォトエディターのアンドリュー・カバレロ(Andrew Caballero)がある日、爆撃で死亡した幼い息子を抱えたシリア人男性の画像を編集していると、子供の体に長いひものようなものが巻きついているのに気付いた。何かのひもだと思っていたが、よく見てみると、それは子供の腹から出た腸だった。AFPがその写真を配信することはなかったが、その恐ろしいイメージはカバレロの脳裏に長く焼きついたままだった。 ニコシアのAFPの写真や映像の編集者は毎日のように、シリアやイラク、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)、リビアなどから送られてくる、こうした耐
9月24日、イスラム国掃討のためシリアでの空爆に踏み切ったことで、米国は「終わりなき戦争」に踏み出した。写真は米国の戦闘爆撃機。イラク北部上空で23日撮影。米空軍提供(2014年 ロイター) [24日 ロイター] - 米統合参謀本部のメイビル作戦部長は23日、シリアでの空爆を「イスラム国を破滅させるための持続的で確かな作戦」の始まりだと述べた。作戦はどれぐらい続くのかとの問いに、メイビル氏は「数年単位と考えている」と答えた。これはまさに、終わりのない戦争の始まりだ。 空爆はシリア領内で行われているが、アサド大統領が率いる殺人政権を狙ったものではない。攻撃対象はあくまで、シリアとイラクにわたる地域に「カリフ国家(預言者ムハンマドの後継者が指導する国家)」樹立を宣言したイスラム国だ。彼らはシリア政府の敵でもある。
報告書が出たのは2014年9月2日。「イラク北部で過激派組織「イスラム国」が非アラブ、非イスラム教スンニ派の少数派を組織的に民族浄化して少なくとも数百人から多ければ数千人を殺害、83万人の避難民を生んだ」と結論づけています。 和田浩明💉6/ HiroWada #現場に感謝 @spearsden イスラム国の「民族浄化」に関するアムネスティ報告:イラク北部での現地調査に基づく。イスラム国が制圧した地域を含む。残虐行為の目撃者、生存者、遺族、誘拐の犠牲者、避難民など数百人から聞き取り調査を行った。 bit.ly/1uvcP31 2014-09-14 10:12:22
(英エコノミスト誌 2014年6月14日号) イラク第2の都市が武装組織の手に落ちた。この組織は、世界中でジハードを遂行する拠点となる国家の樹立を目指している。 イラク軍はモスルで完敗を喫した。兵士たちが街中で制服を脱ぎ捨て、逃げ出したほどだ。あとには、燃え尽きた装甲車の間に遺体が散らばっていた。手足を失った遺体もあった。 ジハード(聖戦)主義組織「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」の約1500人の武装集団が、イラク軍の15分の1以下の兵力であるにもかかわらず、軍用ヘリコプター「ブラックホーク」6機を奪ったほか、モスルにある銀行の金庫から莫大な金額を略奪したと報じられている。 彼らはモスルの刑務所にいた数千人の受刑者も解放した。ジハードの黒い旗が行政機関の建物の上に掲げられるなか、50万人に上る住民が安全な場所を求めて街から逃げ出した。 米軍の最後の部隊がイラクから撤退した2年半前、
6月10日に北部モースルが陥落して以降、イラク分裂の危機が現実性を持って語られるようになった。「イラクとシャームのイスラーム国」(ISIS)勢力は、北はモースルからティクリートまでを、西はファッルージャからバグダードに向かうルートを制圧し、さらに東方のディヤーラ県まで勢力を拡大している。ISISの制圧地域が地理的に「スンナ派地帯」だからというので、「イラクの宗派別分裂」が言われるのだが、事態はより深刻だ。なぜなら、分裂は地理上の問題ではなく、現政府が一つのまとまった国家領域としてのイラクを守ろう、という意思と能力がないことが、露呈されたからだ。 モースルが陥落した際に、これを守るべきイラク国軍はさっさと逃げたと、前回のコラムで述べた。イラク国軍や警察は、イラク国民をではなく、自らの宗派や民族を守ることにばかり、専念しているのだ。それだけではない。マーリキー首相をはじめとして、政府要人たちの
欧州・日本、中心史観を相対化 日本人がもつ「世界史」の観念は、基本的にヨーロッパ中心である。むろん、日本人はそれだけでなく、東アジアから世界史を見る視点ももっている。しかし、その間にある西アジアに関しては、無知も同然である。西アジアはある時期からイスラム圏であり、それはアラビアやアフリカからインド、インドネシアなどに及ぶ。2001年9・11以来、このイスラム圏が突然、大きく浮上してきた。ところが、われわれにはまるで見当がつかない。その政治社会についても、宗教についても、皮相的で紋切り型の知識しかない。しかし、それを補うためにたくさんの本を読んでも、いよいよ不鮮明になるばかりだ。 本書は、イスラム圏の内部でふつうに考えられている「世界史」を書いたものだ。これを読むと、この世界を外から観察するのではなく、その内部で生きてきたかのように感じる。そして、イスラム圏の人々が他の世界をどう見てきた
<KEY PERSON INTERVIEW> 中東の民主化運動「アラブの春」の行方を国際社会がかたずをのんで見守っている。4年前に著書「文明の接近」でアラブ諸国の近代化を予言していた仏歴史・人口・人類学者のエマニュエル・トッド氏に予言の背景と今後の見通しを聞いた。【聞き手・福島良典、写真・秋山信一】 ◇出生率、識字率で先読み--仏歴史・人口・人類学者、エマニュエル・トッドさん(60) --「文明の接近」(藤原書店、石崎晴己訳)で「アラブの春」の到来を予言し、16日に邦訳が刊行された「アラブ革命はなぜ起きたか」(同)で予言に至る分析を説明されています。ソ連の崩壊、米国の衰退に続く「第3の予言」の的中です。どうやって先を読んだのですか。 ◆ 手法はソ連崩壊の場合と同じです。当時、ソ連の人々は共産主義体制に抵抗できないと言われていましたが、出生率(女性1人が一生に産む子供の平均数を示す合計特殊出
サウジアラビア 女性に参政権 9月26日 4時48分 厳格なイスラム教国のサウジアラビアが、女性の参政権を初めて認めることになり、周辺のアラブ諸国の民主化運動に刺激されてサウジアラビア国内で高まっている女性の権利拡大を求める声を、政府が聞き入れたという見方が出ています。 サウジアラビアは、イスラム教を厳格に適用して男性を中心とした保守的な社会制度がしかれ、女性は政治に参加する権利が一切、認められていません。しかし、アブドラ国王は、25日、演説を行い、▽地方議会に当たる「地方評議会」では4年後に予定されている次の選挙から女性の立候補と投票の権利を認めるとともに、▽国会に当たる「諮問評議会」については、国王が初めて女性の議員を任命する方針を明らかにしました。サウジアラビアでは、「アラブの春」と呼ばれるアラブ諸国の民主化運動の高まりに刺激され、女性たちの間では、女性の参政権を認めるよう訴える運動
ヨルダン川西岸・ラマラで演説し、国連加盟申請を目指して国連安全保障理事会に臨むと語ったパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長〔AFPBB News〕 国家としての承認獲得を目指すパレスチナの試みが引き起こした国連での外交上の危機は、正義と民族自決を求めるパレスチナ人の取り組みを前進させるかもしれないし、させないかもしれない。 だが、今回の試みがやり始めたことは、いわゆる和平プロセスを取り巻いていたうわべだけの言葉や二枚舌の皮を一枚一枚はぎ取ることだ。 パレスチナの外交上の賭けについて考察する場合、必ず、1993~95年のオスロ合意の後、非常に多くのことを約束してくれるように見えた和平交渉が、パレスチナ人の土地に対するイスラエル人の占領を終わらせなかったことが起点となる。 入植地拡大の目くらましになってきた和平交渉 パレスチナ自治政府の議長として故ヤセル・アラファト氏の後を継いだマフム
印刷 パレスチナ自治政府のアッバス議長は23日、ニューヨークの国連本部で潘基文(パン・ギムン)・事務総長と会談し、国家としてのパレスチナの国連加盟を求める申請書を提出した。潘氏はすぐに安全保障理事会に付託する方針。 国連憲章によると、安保理の理事国全15カ国中9カ国以上の賛成が得られれば、加盟を勧告する決議案が国連総会に提出される。しかし、常任理事国の米国は拒否権を行使すると明言しており、安保理での承認は不可能とみられている。 米国が拒否権を行使すれば、イスラエル寄りの姿勢が一層鮮明となり、中東和平の仲介者としての信頼が揺らぎ、アラブ諸国などの反発を招くのは必至だ。(ニューヨーク=春日芳晃) 続きは朝日新聞デジタルでご覧いただけます関連記事米とパレスチナ、21日に首脳会談 国連加盟問題を協議(9/21)パレスチナ、国連加盟申請巡り神経戦 イスラエルや米と(9/20)〈ロイター〉パレス
【ニューヨーク=弟子丸幸子】パレスチナ自治政府のアッバス議長は23日、ニューヨークの国連本部で潘基文(バン・キムン)事務総長と会談し、国連加盟の申請書を提出した。国連は加盟に必要な手続きに正式に入り、焦点は安全保障理事会による勧告が実現するかに移る。加盟に反対する米国は拒否権行使の判断を迫られる。アッバス議長はこの後、国連総会の一般討論で演説した。パレスチナは国連の加盟国になれば、国際社会で「
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