ナチュラル・ウーマン (河出文庫) 作者: 松浦理英子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2007/05/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 23回この商品を含むブログ (24件) を見る227p 総計13477p 松浦理英子の小説が好きだと言う人を愛したことがある。そのおかげで極めて奇妙で面白い小説『親指Pの修行時代』を、数年前に読んだ。なにしろ親指がペニスになってしまう女の子が主人公だというだけで、相当に面白いだろう。だが、主題が与えてくれる興奮感とは別に、読みおえた時に感じたのは、作者は愛について勘違いしているんじゃなかろうかということだった。僕は『ナチュラル・ウーマン』のほうが『親指P』よりも好きだ。どことなく『親指P』はクィア理論を小説化しようとしているところがあった。本作は初期の作品だけれど、繰り返し描かれる性描写(性的快楽の描写?)の裏側に、痛切な愛の問題が潜