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ブックマーク / jtsutsui.hatenablog.com (8)

  • 家事分担研究の現在 - 社会学者の研究メモ

    社会学そのうちこちらでプレゼンをすることになりそう...なので頭の整理メモ。話自体は家族と仕事に関する日の研究アジェンダの変化についてを予定しているのですが、家事分担研究も重要なパートです。家事分担研究は、いくつかある家族社会学の流れの中でもかなり目立ったグループを形成しています。なかでも盛んなのは夫婦間の家事分担規定要因の研究(家事分担はどういった要因で決まるのか?)です。参考までに、日の夫婦の家事分担の現状を示すデータをご紹介しましょう。以下は、夫婦の家事時間の総量を100としたときのの分担割合(%)です*1。...というわけで、ごらんのとおりのありさまです。日の家事分担のへの偏りぶりは家族社会学界では周知の事実で、世界を見渡してみても、日の男はダントツで家事をしていません。このデータを見て、「そりゃ日の男はめちゃくちゃ働いているもん、無理もない」と思われるかもしれません

    nebokegao
    nebokegao 2014/08/09
    「日本の男はダントツで家事をしていません/(新仮説)文脈効果:「よその家の夫がやっていれば自分もやる」効果」
  • 日本的働き方における「フレキシビリティ」の矛盾 - 社会学者の研究メモ

    シノドスに「男女雇用機会均等法では「共働き」を実現できない」という記事を掲載させていただいた。そこでは、育児期の制度的手当をし、採用・昇進(昇格)に際しての男女差別を排することで(従来の)男性的働き方に女性を引き入れようとしても、結果的には女性の「活躍」は実現されず、性別分業は維持されるだろうと書いた。 その背景にある働き方の特徴についてはそれほど詳しく書いていなかったので、ここで補足しておく。 日的な働き方の特徴の一つに、社内で人員をフレキシブルに配置できる、というものがある。職務内容や勤務地がはっきりと決められていないため、内部労働市場が活発になり、経営者は事業の縮小や新規展開にあわせて人員を柔軟に配置換えすることができる、ということである。1970年代以降の経済成長率の低下に際して欧米諸国では大量失業が生じたのに日では失業率(特に若年者失業率)がそれほど高まらなかったのは、余剰労

    日本的働き方における「フレキシビリティ」の矛盾 - 社会学者の研究メモ
    nebokegao
    nebokegao 2014/07/20
    「「能力主義」=柔軟性を求めること/職務配置の柔軟性とは、労働者の働き方の自律性の縮小と引き換えで可能になるもの」
  • 社会学方法論と社会調査論の関係 - 社会学者の研究メモ

    (長文かつ専門家向けであり、一部の人以外にとってはあまりおもしろくない記事なので、あらかじめご了承ください。) 教科書的な社会学方法論 教科書的な社会学方法論においては、主観主義的立場と客観主義的立場の分断について論じられることが多い。いくつかのテキストブックには、主観主義的立場の元祖はウェーバーであると書いてあり、それはウェーバーが「理解社会学」の方法として「行為の行為者にとっての意味を理解することが必要だ」と説いたことに根拠付けられている。これに対して客観主義的立場の元祖はデュルケムであり、それはデュルケムが個人の外に存在する社会的事実に注目せよ、と説いたことに由来する。 他方で、社会学の実証研究に従事している人たちは、多くの場合こういった区分をそもそも参照していないように思える。つまり社会学のテキストブックに書かれているような方法論と、現在実践されている、特に社会調査論に依拠した経験

    社会学方法論と社会調査論の関係 - 社会学者の研究メモ
  • 説明と選抜:統計学における2つの「関心」 - 社会学者の研究メモ

    社会学者や経済学者にとって、統計学をベースにした計量分析とは、何かを因果的に説明する道具であるという側面がある。賃金を学歴で説明するというとき、それは他の条件が同じで学歴が変化したときの賃金の変化量を推定する、という意味である。 (記述的な分析手法を含めて)統計学を学ぶ人のほとんどは、この「説明(explanation)」のためにそれを学んでいるのだと考えられる。 しかし統計学には、それとは全く異なった目的が託されることもある。それは「選抜(selection)」である。統計学を選抜に使うというのは、それをアカデミックに活用している研究者からみても、実はあまり馴染みのない考え方である。というのも、あとで詳しく述べるが、選抜は学問的説明とは相容れない考え方だからだ。 しかし選抜は、実践家においては大いに意味がある考え方である。「限られた回数の耐久力テストの結果から、真に優れた個体を選抜する」

    説明と選抜:統計学における2つの「関心」 - 社会学者の研究メモ
  • 社会保障の「気前良さ」は政府支出の大きさでは測れない - 社会学者の研究メモ

    政府は増大する社会保障支出を背景に、いよいよ増税に向けた調整を格化させている。他方でアカデミズムにおける社会保障論(福祉国家論)をみると、日は基的に社会保障に関して低い水準にあるということがたいていの議論の出発点となっており、現在の政府の政策展開とアカデミズムのあいだには奇妙なズレがあることが分かる。 このズレはいかにして生じているのだろうか? ある国の社会保障の手厚さを測る指標としてしばしば社会保障支出のGDP比が用いられる。また、日政府はしばしば国民負担率という指標を用いる。しかし、たとえば年金支出は高齢化率にしたがって上昇するので、「年金支出の規模が大きいから社会保障が充実している」ということにはならない。失業率と失業手当の関係も同じで、失業率が高ければ失業手当支出も増えるが、かといって雇用関連支出が「充実している」というわけではない。 図は2007年のOECD諸国の社会支出

    社会保障の「気前良さ」は政府支出の大きさでは測れない - 社会学者の研究メモ
  • 少子化問題の整理 - 社会学者の研究メモ

    社会学ちょっと前に野田聖子議員が少子化問題についてぶっちゃけてました。自民党少子化を加速させた:自民党・野田聖子衆院議員インタビュー(日経ビジネス、2010.2.15)内容をまとめつつ、コメントをつけてみます。最初に言っておきますが、正確な知識は各自に文献をあたるなどしてください(検索すればいくらでも出てくる)。ここでは粗めの情報のみです。あと、「子どもが増えてだからどうなんの」という(controversialな)話もしてません。一言だけいっておくと、「日だけ他の先進国と違って少子化を放置する」というのは、社会主義ほどではないにせよ壮大な社会実験の域になりますから、ちょっとスリリングすぎるような気もします。(いや、今でも十分実験状態なんだけど。)問題の整理...とその前に、頭の整理をしておきましょう。いま極端な少子化で深刻に悩んでいる主な先進国はというと。まず、日もびっくりなペース

    nebokegao
    nebokegao 2011/10/22
    わかりやすい
  • 社会学における「理論の実証」 - 社会学者の研究メモ

    (以下は二〜三カ月前に書いたメモですが、寝かせておいてもあまり意味がなさそうだし、稲葉先生もシノドスの論考を公開されたのでいいタイミングだと思うのもあり、ちょっと手を入れた上で公開します。) 社会学の問いの特徴 私は、学部のゼミでは(大学院でも基的にはそうだが)、いわゆる「標準的な研究プロセス」に従って個人研究をするように指導している。標準的な研究プロセスとは、問いを立て、それに対する理論仮説をデータ(質的・量的)で検証するという手続である。 その際、しばしば「社会学的な問いの立て方」というものを説明する必要が出てくることがある。学生は基的に社会学の授業をいくつか受けているので、そうしたほうが効率がよいからである。それに、意外に「社会学的な問いの立て方」を説明するのは簡単なのだ。 それは、「注目する現象/人間行動が、性別、年齢、学歴で違いを持つかどうかをまず考えてみたら?」というもので

    社会学における「理論の実証」 - 社会学者の研究メモ
  • 「家族福祉論の解体」感想 - 社会学者の研究メモ

    先日の研究会にも参加してくれた久保田さんの最近の論文です。 久保田裕之、2011、「家族福祉論の解体」『社会政策』3(1): 113-123. 非常に示唆的な論考で、興味深く読みました(今年一番の収穫だったかも)。私なりに内容をまとめると...(下手なまとめかもしれませんが...)。 家族を作ることが当たり前であったのは過去の話、結婚するかしないか、子どもをつくるか作らないか、個々人が選んでいく時代になっている。 それなのに、福祉供給の対象を「家族」に設定すると(つまり「家族福祉」)、あえてその選択をしなかった人に対しては不公平だ、ということになる。 「じゃあ福祉供給を個人単位にすればいいじゃない」と言いたくなるかもしれないが、そうはいかない理由がある。家族を作るか作らないかにかかわらず、人が生活していく上で必要である条件はあるはずだから。たとえば「(非対称的な)ケア」。誰だって子どものこ

    「家族福祉論の解体」感想 - 社会学者の研究メモ
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