香川県埋蔵文化財センターは6日、坂出市府中町で奈良時代から平安時代の瓦ぶき建物や塀の跡を発見したと発表した。当時、瓦ぶきの塀に囲まれた区画は、現在の県庁にあたる国府の中心施設の役所にほぼ限られ、同センターは周辺を讃岐国府と断定した。同センターは「国府の位置が確定したのは四国で初めて。『政庁』の可能性もある」としている。 同センターによると、見つかった塀の遺構は長さ約5メートル、幅1メートル。両側にある幅1・4メートル、深さ1メートルの「雨落ち溝」に大量の瓦片があり、塀が瓦ぶきだったことが分かった。塀で囲まれた区画は東西約70メートルと推定される。 建物跡も一部しか見つかっていないが、柱跡から4棟以上あるとみられ、いずれも周囲から瓦片が大量に出土。当時としては大型施設となる柱の間隔が3メートル近くある部分もあり、地方長官にあたる国司が政務を行った「政庁」や上級役人が業務を行った「官衙(かんが